今朝、BBC(英国営放送局)でとても興味深いニュースを目にしました。去年辺りからイギリスやアメリカ、オーストラリアなどで行われていることなのですが今年に入って改めて注目されているようです。

それは、「従来の人形の顔の変更すること」。いったいどういうことなのかというと…

Bratz dolls (ブラッツ・ドール)とは?

日本でも大人気のバービー人形もそうですが、2001年からアメリカで製造販売されているこちらのBratz(ブラッツ)人形も少女たちには大人気。同年にトイ・オブ・ザ・イヤーを受賞し、日本ではタカラトミーから販売されて人気となっています。

大きな目とぼってりした唇には濃いメイクが描かれており、服装も派手でハイヒールを履いているものも。鼻や胴体が小さく手足が細長いというのも特徴で、いわば少女たちの憧れのスタイルというテーマ。

でもちょっとど派手でギャルっぽく見えなくもない…。日本でもそうしたファッションスタイルが一時期流行しましたよね。現実に流行っていたファッションでも、実際にギャルファッションを目にすると、なんだか非現実的に思えてしまった筆者です。

そうした「違和感」を感じていたのは、海外のママさんたちも同じだったようです。去年オーストラリアのタスマニア在住のアーティスト、ソニア・シンさんはこのど派手な人形を「子供たちが手にしても違和感のないようなものに変えたい」という思いから、全く別の人形に変えてしまうという凄技を見せました。

ソニアさんは「Tree Change Dolls」というアトリエでこのブラッツドールの変身作業を行っています。人形の派手な顔が描かれたペイントを特殊な液でふき取り、顔無しに。そして「どこにでもいそうなごく普通の」女の子の顔や服装に仕上げていきます。

ビフォー&アフターの違いがこちら

ビフォー(左)はまさに「ギャル」っぽいブラッツ人形ですが、アフター(右)はこんなにシンプルに。でも、可愛いと思いませんか?身近に感じる姿と言うのはこういうものではないでしょうか。

ソニアさんには、「グラマラスでセクシーという性的化されたブラッツドールを手にする子供たちが『自分たちもこんな風になりたい』という気持ちや『こうあるべきなのでは』という間違った思いを抱いて成長してほしくない」という気持ちがありました。

顔の土台は同じでもメイクによってこんなにも変わるのだというのは、人間でも人形でも同じことですよね。ブラッツを製造販売している「MGA Entertainment」社は、このブラッツ人形を「トレンドファッションに情熱をかける女の子」というテーマで作っていると述べています。

「とにかくメイクやおしゃれが大好きな女の子」という世間に溢れる少女たちをテーマにしたものなのですが、一旦素朴な人形になってしまうとビフォーがとんでもなくど派手に見えてしまうから不思議ですね。

ソニアさんはこれらの人形を「ブラッツドール」から「Tree Change Dolls(ツリーチェンジドール)」と名前を変えて、大手クラフト通販サイト「Esty」でもこの人形を販売しています。

このTree Changeという意味は、オーストラリアの方言で「都会から田舎へ移り住むこと」を表すのだそうです。派手から素朴・シンプルへと変化した人形は、まさに都会から田舎の自然へ帰って来たというイメージがあるのでしょう。

「ナチュラルでいることは素晴らしいこと」と伝えるママはイギリスにも…

ソニアさんのように、アメリカやオーストラリアで行われている「非現実的な人形をナチュラルなものに変えよう」というキャンペーンに参加しているママはイギリスにもいます。

エクセターに住む2児の母エマ・カイリーさんは、「ブラッツ人形やバービーは、自然の容貌からはかけ離れ過ぎています。これが理想の容姿であり体型なのだという認識を子供たちが持つことは良くないことだと思います。だから人形を自然な容姿に変え、ナチュラルな服装を着せて作り変えているんです。」と話します。

こうしたママ達には篤いサポーターもいる

出典 https://www.facebook.com

タスマニアのソニアさんも話していますが、この人形を作ることの真意をシェアし、サポートしてくれるママさんたちはとても多いのだとか。エマさんも周りの支援を得て人形作りを続けています。

エマさんが作る人形は、チャリティショップ、カーブーツセールなどで購入できるのだそう。そして今朝テレビでエマさんが話していたのは、人形をただシンプルに作り変えるだけではなく、障がいを持った子供たち用にも作っているということ。

「いろんな子供がいます。障がいを持つ子供たちが、自分の姿と同じ人形を手にすることで安心感も生まれるし自己否定感はなくなると思っています。みんな違うのだということを人形を通して知ってもらうこともできます」というエマさん。

子供たちにナチュラルでいることの大切さを知ってもらう

出典 https://www.facebook.com

エマさんによって異なる人形に生まれ変わることで、子供たちがそれを手にした時に学ぶことはきっと多いでしょう。女性らしく美しく着飾ることはもちろん素敵なこと。でもナチュラルでいることもとても美しく「自分らしさ」を認める大切なことなのだと、この人形を通して伝えたいとエマさんはインタビューで語っていました。

ソニアさんにしてもエマさんにしても、子育てと両立させながら人形を作っています。それはとっても大変なこと。でも「続けていきたい」という意欲がある彼女たち。周りのサポートの力も篤いでしょうし、何よりソニアさんやエマさんの人形を手にした時の子供たちの笑顔を見続けることができるのなら、作り続けることには大きな価値があるでしょう。

*記事掲載にあたり出典元より許可を得ています

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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