ネットやテレビで話題のニュースに関して、編集部が独自の切り口で取材調査をする「ソコ行く!?ソレ聞く!?取材班」のコーナー。今回も興味深いお話を伺ってきました!

女性にとって、決して他人事ではない「乳がん」。最近では、北斗晶さんや小林麻央さんなど、人気芸能人の方が乳がんと闘っている様子がニュースで報道され、注目を集めています。

乳がんは、女性だけが発症するわけではない!?

実は乳がんになるのは女性だけではないことを知っていますか?「男性乳がん」というものが存在するのです。

この男性乳がんとはどんなものなのでしょうか。乳がん検診や乳がん治療を手厚く行う、大阪府・高槻駅前クリニック森毅院長にお話を伺いました。

出典高槻駅前クリニック提供

高槻駅前クリニックの森毅院長

胸部のしこりや胸の痛みは、男性乳がんの可能あり…?

ーー「男性乳がん」というものがあるらしいのですが、乳がんは女性だけのものではないのでしょうか?

森院長:はい。あまり知られていませんが、男性にも乳がんはあります。男性の胸部にしこりができたり、胸に痛みがある場合、男性乳がんの可能性があります。疑わしい症状を見つけたら、女性の乳がん検診で知られる「マンモグラフィ」や「乳腺エコー」を行って、男性乳がんかどうかを確かめます。

絶対数は少ないが、男性乳がんの発症率は上昇中

出典高槻駅前クリニック提供

ーー男性乳がんの発症率はどのくらいなのでしょうか。

森院長:男性乳がんの患者は、乳がん患者全体の0.7%と、決して多くありません。しかし、その発症率は徐々に上がっているようですので、安心はできません。

ーーどのような要因で発症するのでしょうか?

森院長:男性乳がんは、女性ホルモンの影響を受けやすい乳がんだとされています。少し専門的な話になりますが、女性乳がんと比べてみると、ホルモン受容体と呼ばれるものの陽性率が非常に高いためです。

がんの組織型としては、女性乳がんの場合はいくつかありますが、男性乳がんは「浸潤性(しんじゅんせい)乳管がん」という、男性にもわずかに存在する乳腺の中の入管から発生するタイプがほとんどです。

家族の乳がん歴、精巣や肝臓の病気が引き金になる

ーーどのような男性が、乳がんを発症しやすいのでしょうか。

森院長:まず、遺伝的な要因は強いと考えられます。男性乳がんの患者さんの15〜20%は、血のつながった家族に乳がん歴のある人がいます。

ーー生活習慣などにおいても、発症するきっかけとなるものはあるのでしょうか。

森院長:精巣・睾丸の病気や外傷、あるいは肝炎や肝硬変など、肝臓に関する病気が危険因子として挙げられます。また、胸に放射線をあてたことのある方も、発症の可能性があります。

なお、以前は男性にもわずかに存在する、乳腺が発達して胸が膨らむ「女性化乳房」が男性乳がんの危険因子とされてきましたが、最近では否定されています。

男性乳がんは発見が遅れやすい

出典高槻駅前クリニック提供

ーー女性の乳がんとの違いはありますか?

森院長:発症時期については、男性と女性で違う傾向が見られます。女性乳がんの発症年齢は40代、50代がピークですが、男性乳がんのピークは60代後半と言われていますね。

これまで、男性乳がんは女性乳がんよりも悪性度の高いものが多く、発症後の経過がよくないと考えられてきました。

しかし現在は、そもそも男性乳がんの発生しやすい年齢がやや高いことや、進行した状態で発見される割合が高いことが、男性乳がんが危険視されていた理由だと考えられています。やはり、男性が「乳がんにかかったかもしれない」と思うのは、なかなか難しいでしょうから。

ーーちなみに、森院長のクリニックでは、男性乳がんの患者がいらっしゃったことはあるのでしょうか。

森院長:当クリニックは開設して7年目ですが、今までに男性乳がんの方を2人診断してきました。1人は40代で、もう1人は70代でしたね。ご自身でしこりを見つけて、40代の方は直接、70代の方は別の内科医院からの紹介で来院されました。

発見が遅れやすいからこそ、自分でチェックを

ーー男性の方が「自分は発症するわけない」という思い込みが強いと思いますが、どうすれば発症に気がつけますか?

森院長:男性は症状がない限り乳がん検診を受けませんから、自宅で意識的にチェックしてみることが重要です。たとえばお風呂で胸を触ったときにしこりを感じたら、一度、乳腺外科を受診してみてください。

決して女性だけの病気ではない「乳がん」。男性のみなさんも、「自分がなるわけない」とは決めつけずに、自分の胸にしこりがないか、チェックしてみることが大事ですね。

【取材協力】高槻駅前クリニック
http://takatsukiekimae.or.jp/

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