記事提供:おたぽる

急速に進化を遂げる人工知能の活用は軍事の分野でも積極的に進められている。現在の“ロボット兵器”がどれほどの実力を持っているのか?その一端が垣間見える映像が公開され話題だ。

■小銃を持っている者を敵と認識して攻撃するドローン

DARPA(アメリカ国防高等研究計画局)のエンジニアであるジェイコブ・レーゲンシュタイン氏が、この8月に試験飛行を行なった6ローターの自律型ドローンの空撮映像が話題だ。

出典 YouTube

武装兵士と一般人を見分けるドローン。

8月25日に行なわれた試験飛行は、マサチューセッツ州のキャンプ・エドワーズ内に特設された中東の村を再現した施設の上空が舞台となった。

現場に配置された者の幾人かはAK‐47のレプリカ小銃を携えているのだが、上空に浮かぶこのドローンは小銃を持っている者を兵士と認識し、非武装の者を一般人と判断していることがこの空撮映像からわかるのだ。

もちろんレーゲンシュタイン氏らは、このドローンをいっさい遠隔操作してはいない。搭載された新開発の認識ソフトウェアによって、戦場の状況を自ら把握して行動する能力があることになる。

そして、もしこのドローンが武装していたならば、小銃を持った敵兵を攻撃していたのだ。

立ち止まっている者だけでなく、動き回る物体についても優れた追跡能力があることも示されているこのドローン。人間だけでなくトラックなどの車両も検知して追跡できるようだ。

これも同じく、ミサイルなど兵器を装備していたならば、車両に対して攻撃ができることになる。

このような自律型無人兵器が数多く戦場に投入されれば、これまでの作戦行動をまったく変えてしまうものになるだろう。もちろんそれこそが、米軍=ペンタゴンが意図しているものである。

ペンタゴンの最新の予算では、このような自律型ロボット兵器の開発にむこう3年間で180億ドル(約1兆9,000億円)が計上されている。今この瞬間にも著しい進歩を遂げている“ロボット兵器”に恐怖を禁じ得ない。

■喫緊の課題となった「ターミネーター難題」

1984年のSF映画『ターミネーター』の冒頭では、人間の反乱軍と人工知能が指揮するロボット兵士たちとの印象的な戦闘シーンがある。

メタリックな輝きを放つ人型兵士ロボットの姿に思わず戦慄した思い出を持つ人も少なくないと思うが、あの光景がまさに現実のものになろうとしているのである。

ペンタゴンがアメリカ軍の軍事戦略において、自律型ロボット兵器の開発に重点を置くことになったのは、躍進を遂げるライバルたちの存在にあるようだ。そのライバルとは中国とロシアである。

アメリカ側からは、時折こうして開発中のロボット兵器の情報が開示されるが、特に中国からはあまり情報が出てこないため謎が多い。

しかし、ロバート・O・ワーク国防副長官によれば、中国もロシアもすでにアメリカと同程度のロボット兵器開発を行なっているという。したがって、現在のこの3カ国で熾烈な自律型ロボット兵器の開発競争が繰り広げられているのが実情らしい。

もちろん新たな“軍縮”の道も国際社会では探られているが、ひとまずペンタゴンとしては米軍がロボット兵器の開発に負けるようなことがあってはならないということのようだ。

自律型のロボット兵器についてはもちろん国際社会をはじめ各方面から警戒の声があがっている。

今年7月にテキサス州ダラスで起きた警察官狙撃事件で警察はたてこもる犯人を“自爆ロボット”を使って殺害したが、この一件でロボット兵器の使用が倫理問題としてアメリカ国内でも大きな話題を集めることになった。

そしてまさに映画『ターミネーター』が現実になった「ターミネーター難題(Terminator Conundrum)」として、いずれは解決しなければならない問題として当のペンタゴンも課題にしているという。

まさに「ターミネーター」が登場する下地は、どんどん整いつつあるのだ。

出典:New York Times

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス