東京のイベントで火災発生 男児が死亡

ここ最近、小さな子供さんが犠牲になる事件・事故を目にする機会が増えています。そんな中、また同種のニュースが飛び込んできました。東京・神宮外苑のイベントで火災が発生し、5歳の子が犠牲になる事件が起きてしまったのです。

6日午後5時15分ごろ、東京都新宿区霞ケ丘町、明治神宮外苑の軟式野球場で開かれていたデザインイベント「東京デザインウィーク2016」の会場で「展示物が燃えた」と119番があった。

木製の出展作品が焼け、幼稚園児の佐伯健仁(けんと)ちゃん(5つ)=港区港南四=が全身やけどで死亡した。

助けようとした健仁ちゃんの父親(44)と四十代男性が顔などにやけどを負い、病院で手当てを受けた。意識はあるという。

出典 http://www.tokyo-np.co.jp

2016年11月7日 東京新聞より(見易くする為の改行・朱入れ・アラビア数字変換などは筆者によるもの。以下同)。

被害に遭われた方や御遺族の方には、心より御見舞い申し上げます。

事件の概要

皇居や東京都庁から近い「明治神宮外苑」にて、生活デザインとアートをテーマにしたイベントTOKYO DESIGN WEEK 2016」が開催されていました。

このイベントは長年開催されているもので、昨年は約10万人の来場者を記録。展示に参加する側も多く、今年は700組を超える企業・美術学校・デザイナー等が多数出展。かなり大規模なイベントでした。

参加ジャンルも多岐に渡り、建築デザインやアートだけではなく、ファッション・音楽・食べ物など様々なジャンルをカバーし、時代の最先端を体感できるイベントとして人気がありました。

その展示物のひとつ、「実際に遊べる体験型展示物、木製のジャングルジム」から出火し、中で遊んでいて・逃げ遅れたと思われる5歳児が犠牲になりました。

事件発生時の、現場の様子

出火した木製ジャングルジムは、日本工業大学(埼玉県宮代町)工学部建築学科の学生らが出品したもので、題名は「素の家」。

爆発などの話は無く、気がついたら火災が発生していたとの声が多い模様です。

母親とイベントに訪れていた東京都内の中学1年生の男子生徒は「会場にいてなんとなく煙くさいなと思ったら、炎が上がった。炎の高さは15メートルほどで真っ赤な色だった。最初は演出かと思って周りにいた人も近づいていったが、火事だと分かり、一斉に逃げた。

出典 http://www3.nhk.or.jp

2016年11月7日 NHKより

そもそも、なぜ燃えたのか?

(原因1)内部に電灯があった
昼間はよいとして、夕方には暗くなってきます。その為、ジャングルジムの内部に電灯を設置し、明かりを確保していました。電灯は熱を帯びます。それが出火原因になったと思われます。

事件直後は、「熱を帯びにくい、LEDライトを使っていた」との証言でしたが、後に「作業用の白熱電灯も点けていた」との話が出てきました。燃え跡から、焼け焦げた白熱電灯らしき物も見つかっています。

この電灯は工事現場等にもよくあるタイプで、明るい反面・かなりの高熱を帯びます。出火原因になっても、別段おかしな事には思えません。

(原因2)「おがくず」「かんなくず」が、ジャングルジム内部に多数存在した
展示物はただの木製ジャングルジムではなく、内部に大量の「おがくず」「かんなくず」が設置されているものでした。

製作者の意図としては、「アート性のあるジャングルジムを作る」「クッション機能を持たせる」というものがあり、普通の遊具とは違ったデザインになっていたのでしょう。

しかし、「おがくず」「かんなくず」等は、いとも簡単に燃えます。そんな素材が多量に設置されているジャングルジムだったので、出火してから火の回りが速く、惨事に繋がったと思われます。

(原因3)ジャングルジム構造だった事が、災いした
上記ふたつに加え、この展示物が「格子状の構造」だった事が災いしたと思われます。

燃えやすいものでも、空気が十分に無いと燃えません。燃やすには、通気性を良くしないといけません。

ガチガチに壁で囲われた構造物であれば、火災発生時に内部の酸素が尽きると火の勢いは弱まり、そのうち鎮火します。しかし今回の展示物は、図らずも「通気性の良い構造」になっていました。炎が大きくなり易い構造だったと言えます。

焚き火などで「着火作業」をした経験を持つ方ならご存知だと思いますが、大きな木材にライターを近づけても、そう簡単には燃えてくれません。なので、以下の手順を踏みます。

木材が燃えると、内部の空気は上に上がり、新しい空気は下から入る。この空気循環を意識して、通気性の良い構造に木材を組む。

先ずは、紙などの燃えやすいものに、ライターなどで火をつける。

その火を、小さな木屑や角材の欠片に移して、より大きくする。

燃えた木屑を、大きな木材の下に入れ火を移し、大きな焚き火にする。

つまりこの木製ジャングルジムは、「着火作業のお手本」の様な事になってしまった様子です。製作者側にそんな考えは無かったと思いますが、結果的にそうなってしまいました。

主催者側・学校側の対応

この事件に対し、主催者「TOKYO DESIGN WEEK」の川崎社長が謝罪。日程を変更し、翌11月7日のイベントは中止すると発表しました。

また、ジャングルジムを製作した学生が所属する「日本工業大学」の成田学長も、謝罪会見を開きました。

その後も、警察や消防による調査が続いており、そちらに協力している模様です。

過去に起こった現代アートの事故

この様な「現代アートにおける死亡事件・事故」は、今回が初めてではありません。最近では、2014年に青森市で展示されたアート作品内で、製作したアーティスト自身が死亡した…という話があります。

アーティストの名は、「國府理(こくふ・おさむ)」氏。彼の作品は、自動車など工業製品をモチーフにしたものや、機械と自然現象を対比させるものが多く、高い評価を集めていました。

最後の作品は、「透明アクリル板の囲いの中に車を入れ、外部からスイッチを入れるとエンジンがかかり、同時に雨が降ってくる」というもの。自然と機械の対比を表現した、國府氏らしい作品と言えます。

しかし、芸術性を重視するあまり、換気に気を回しませんでした。その結果、作品メンテナンス中に一酸化炭素中毒になってしまい、國府氏は亡くなりました。

元現代美術館関係者は「現代アートの展示は、こうした事故の危険性を常にはらんでいます。作品には火力や電気配線、薬品、クレーン車を使用したものまであるので、作業中や展示中に事故が起きないよう十分な配慮が必要なんです」と指摘する。

出典 http://www.tokyo-sports.co.jp

まとめ

この手のイベントに限らず、事故が発生しないように注意して欲しいものですが…。起こってしまったものは、もう取り返しがつきません。遺族や負傷者への補償、再発防止に向けて取り組んで頂きたいものです。

また、同様のイベントや芸術祭を行うに当たり、法的規制が強まる事も予想されます。主には「消防法」から派生する制限等が強まるでしょう。

今回のイベントでも、「消防法に基づく管理は行っていた」との談話が、主催者から出ています。しかし、実際に事件は起きてしまいました。どこかに問題があったとしか思えません。

法律で規定された管理をキッチリ行っていたのか、抜けや失敗が無かったのか等について、これから調査が進むと思われます。今後の展開に注目したいところです。

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