メルマガ『ジャンクハンター吉田の疑問だらけの道路交通法』の著者・吉田武さんが、現職の交通機動隊員Sさんに生の声を聞く人気シリーズ。

今回は、違反が増えれば「お上」が喜ぶという、かなり衝撃的な裏話。危険性の高い飲酒運転よりも、一時停止違反のような「反則金」で済むような違反の方が警察官にとってはありがたく最も狙い目だとか。

違反が増えれば「お上」が喜ぶ?現役警官が暴露する矛盾だらけの日常

吉田「そういえば警察庁と総務庁へ1年に1回、交通反則者納金でしたっけ?全国の交通取り締まりによって得られた反則金という名の、自治体からカツアゲする税金みたいなもんを収めなくてはいけない制度」

Sさん「ああ、まだ存在してるよ」

吉田「あれって個人的な見解でいいのでどうお考えですか?」

Sさん「結局のところお上へ納金しなくてはならないことから摘発件数を必然的に増やさなくてはならないのは事実」

吉田「ってことは交通違反件数や交通事故件数が増えたほうがいいってことですか?」

Sさん「あまり警官の俺のクチから言うもんじゃないんだが…つまりそうなんだよ。警官の誰もがこの矛盾だらけの日常に納得している者はいない。が、反則金などを徴収することで我々が国民の税金以外で賄われていることも事実だし、ぶら下がっている特定の企業や天下り法人の先輩諸氏たちが生活できなくなるので、昭和43年に改正された道路交通法に基づいた形で進められている交通反則通告制度以降は当たり前に現在も適用されているってわけ」

吉田「これって特交金って言うんでしたっけ?」

Sさん「そう。吉田、やっぱ詳しいなぁ(笑)」

吉田「交通違反で得られた反則金が交通安全対策特別交付金になるってことですよね。ということは…警察側にはノルマが課せられるって判断でいいんでしょうか?交通違反や事故が減ってしまったら財源も減る。そうなると特交金自体が反則金そのものでカツアゲされていくことから減ってしまったら困る人たちが出てくる。

そして赤キップのような反則金を超える罰金刑は書類作成やその後の対応も面倒ですし、特交金として国庫に納められてしまうから、小さな違反を数多く摘発したほうが警察庁と総務省は潤うっていうカラクリが見えてきました!」

Sさん「鋭い考察力(苦笑)。罰金刑よりも小さな違反で反則金を得られるほうが我々警察側は利益が出るってわけね。利益って言い方は間違いなんだけど、対外的にそう見られてもおかしくはない。こんなこと俺が言うのもおかしいんだが、飲酒運転の取り締まりを捕まえてもその罰金は国庫に行ってしまうので我々は決して得をすることはない。そんなんだから飲酒の取り締まりは一時停止違反を待つ警官よりも取り締まりをする機会が少ないってわけね」

警察が赤キップを青キップにオマケしたくなる裏事情

吉田「うーん、どうにもこうにも憤りを感じるのは僕だけなんでしょうか?飲酒運転を摘発すればその担当者は評価が上がると思いますが、国庫へ罰金が流れてしまうことで警察に利益が持たされない…。なんだかおかしいと思いますが、現職の警官たちはそれでいいのかと物申したくなります」

Sさん「飲酒取り締まりで摘発経験したことのある警官はみんな不満に思っているってば。納得行かないけどこれが警察の現状なんだよ」

吉田「やっぱり『ロボコップ』のデトロイト警察みたいにストライキ起こすしか生まれ変わらないですねぇ。厳罰に処する赤キップの交通違反を積極的に取り締まらない理由が分かった気がします。

以前、友人がクルマで運転している際に白バイに50kmオーバーで捕まり、一発免停になりそうだった時なんですが、25kmオーバーの半分にオマケしてもらったそうなんです。

さらに別の友人は原付バイクであきらかに60km以上国道をスピード出して走行していた時も白バイに捕まり、“58km出してたぞ!28kmオーバーだ”って言われてなぜか赤キップではなく青キップの反則金で済んだって言ってました。

ちなみにその原付バイクはリミッターカットしていて、フルスロットルで走れば75km~80km出るように改造していたので、最低でも75kmの速度は出ていたって言ってました」

Sさん「吉田の友人らの検挙例を察しても分かるとおり、白バイ隊員も赤キップを切ると書類作成などに追われたりもあるほか、国庫に罰金として納められてしまうことを理解しているから敢えて30kmオーバーにしなかったりするわけなんだよ。ギリギリ青キップで検挙するやり方は俺ら警官の間では当たり前の実態だったりする」

吉田
「マジですか!?」

Sさん「ネズミ捕りでも所轄によっては赤キップを切らないよう青キップでの速度違反で寸止め検挙を行なっている連中も実はいる。決して公にはならないんだけどね。これが知れ渡ったら堂々と30kmオーバー当たり前で走行する者が出てくることを懸念しているからなんだけども」

吉田「ちょっと気になったんですが、1年間でドライバーが反則金で納付する額っていうにはどれぐらいなんでしょうか?」

Sさん「ザックリ言っちゃうと750億~800億円ぐらいかな。その年度によって前後するけども大体はこれぐらい。反則金だけで大幅な速度超過や飲酒運転などの重い罰金刑は含まれてない」

吉田「かなり莫大な納付額なんですねぇ…。ってことは、摘発件数が増えると増額、減ると減額ってことになるんですか?」

Sさん「まさにそう。結局それが努力目標へと繋がるわけだ」

吉田「努力目標?」

最も狙うのは、原付。その理由は

Sさん「世間的に言うノルマってやつだよ」

吉田「ああ、なるほど。その年度の目標を警察庁と総務省で定めた納付額へ達成させるべく、小さな違反を待ち構えて取り締まるってことに繋がるわけですね」

Sさん「そうだ。そのとおり。摘発件数や事故件数が増えるほど納められる額も増えていき、各自治体へ配分される特交金も潤うっていうカラクリなんだよな。あまり否定したくはないんだけど、上司が部下へ摘発件数を増やすよう促すこともあるので、そのプレッシャーから特に原付バイクの運転手をメインターゲットにして検挙件数を稼いでいく

吉田「なぜメインとして取り締まり対象にするのが原付バイクなんですか?」

Sさん「一番違反してくれるし。常に30km走行というだけでもハンディキャップを負っているのに加え、色々と取り締まりしやすいんだよ」

吉田「具体的にその色々とは?」

<次回へ続く>

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス