■大分県の離島・姫島村で61年ぶりの村長選

出典 http://www.visit-oita.jp

大分県の離島にある姫島村で、1955年以来、61年ぶりとなる村長選が行われました。

今回の村長選は任期満了に伴うもので、1984年から32年間に渡り村長職を務めてきた無所属の藤本昭夫氏(73)と、村教育委員で元NHK職員、無所属新人の藤本敏和氏(67)が一騎打ち。

投開票の結果、現職の藤本昭夫氏が1199票を獲得し、藤本敏和氏に687票差をつけて9期目の当選を果たしました。

■なぜこんなにも長い間、村長選がなかったのか

出典 http://www.himeshima.jp

姫島村長選が選挙戦となったのは1955年が最後。1957年から2012年までは1名の候補者以外に対抗馬となる候補者が立候補しておらず、16回連続で無投票に終わっています。

村長選が無投票当選が長期化となっていた背景には、1955年の村長選が島内を二分する激しい選挙となり、島内にしこりを残した苦い経験があるほか、人口2000人程の小さな自治体で他に人材がいないという側面が大きい。

出典 https://ja.wikipedia.org

1955年の村長選は元職と新人の一騎打ちで、親類や親兄弟まで対立する激戦となり、村を二分してのいがみ合い。狭い島には"しこり"が残り、そのために村では選挙を避ける風潮が生まれたとされています。

16回連続で無投票は全国でも例がありません。ちなみにこの時の投票率は98%越え。

■現村長は親子2代で50年以上、村長職を独占

出典 http://plaza.umin.ac.jp

故藤本熊雄氏は、1960年から7回連続で無投票当選。その父の急死を受けて1984年に立候補した現村長の藤本昭夫氏も8回連続で無投票当選。

無投票16回のうち、最初の1回を覗く15回(56年間)は親子2代によるもので、40年以上前から取り組むワークシェアリング(給与を抑える代わりに村役場で多くの雇用を創出する)等の政策は、現在も村民から一定の支持を受けています。

出典 http://go2senkyo.com

今回立候補した新人の藤本敏和氏は「8期連続の無投票は異常で閉塞感は強い。村政に風穴をあけて1期4年間で次世代につなぐ」と長期のに一石を投じて出馬するも、落選。

投票数の7割の票を獲得した藤本昭夫氏が、9回目となる当選を果たしました。現職の町村長の9回連続当選は、全国最多の山梨県早川町長(10回)に次ぎ、北海道乙部町長と並ぶ回数。ちなみに候補者2人は同じ「藤本」姓ですが、親戚関係ではありません。

■選挙後の二人のコメント

出典 https://youtu.be

藤本村長はこれまで「それなりの対立候補が出れば私に対する不信任であり、争わずに身を引くつもりだ」とも述べていましたが、今回の選挙で当選確実が伝えられたときには…

「選挙というのは良くないですね。村民が疑心暗鬼になりますからね」

出典テレビ朝日「ANN NEWS」

「村民が疑心暗鬼になるから選挙は良くない」とコメント。水面下ではまた対立が起こっていたのでしょうか…。

出典 https://youtu.be

一方、藤本敏和氏は現職には及ばなかったとはいえ、一定の批判票を獲得。

「61年間、選挙がないことは異常なことだった。選挙によって村政が変わるという風土が育ってくれれば、一石を投じた意味があった」「島の色んな問題点を感じている人が30%はいるということだと思う

出典テレビ朝日「ANN NEWS」

30%は島の問題点を感じていると述べました。

■村民たちからは驚きや期待、戸惑いの声が上がる

Licensed by gettyimages ®

村政トップを決める選挙を経験したのは80代以上の村民たちで、有権者の8割以上が選挙未経験。島全体の人口が約2000人の小さな村で行われる61年ぶりの村長選に、村民たちからは驚きや期待、戸惑いの声が上がりました。

90代女性は「55年の選挙戦では村が二分し、しこりが残った。藤本村長がもう1期担い、4年後に無投票で藤本敏和氏が引き継ぐ方が良かった」と話す。

出典 http://www.oita-press.co.jp

前回の選挙戦を経験した方からは「現村長がもう1期務め、4年後に無投票で新人が引き継げばよかった」という声や、「島の和が乱れてほしくない」との不安の声も上がっていました。

「人口減の課題もあり、島も変わっていくべき。若者の感覚では投票が村民を分けるとは思わない。結果はどうあれ、新しい風が吹けばいい」

出典 http://www.oita-press.co.jp

若い世代の方たちからは賛成の声が多く、新風が吹くことに期待を込める声が多数。

新人に投票したという70代女性は結果はどうであれ、投票で村民の代表を選ぶのが望ましく、選挙戦になって良かった。しこりは心配していない。現職には投票者の3割の批判票があるということを謙虚に受け止めてかじ取りをしてほしい」と求めた。

出典 http://www.oita-press.co.jp

選挙を終えて、「選挙戦になってよかった」との声も。

■投票率の高い姫島村。その理由は?

Licensed by gettyimages ®

村選挙管理委員会によると、9月2日現在の選挙人名簿登録者数は1958人で、投票結果は藤本昭夫氏が1199票、藤本敏和氏は512票。投票率は61年前の97.81%より下がりましたが、88.13%と、とても高い数字。

地縁、血縁が中心の村議選では投票率が90%を超える。国政選挙でも80%以上で、村民には「選挙は行くのが当たり前」(村選管職員)という意識があるという。今回の村長選も有権者の67%に当たる1304人は2~5日に期日前投票をしていた。

出典 http://www.oita-press.co.jp

村民の意識として「選挙は行くのが当たり前」で、今回は期日前投票だけで67%もの方が投票。国政や村議選でもとても高い投票率です。

■世間の反応は…

若い人は選挙戦を歓迎するかもしれないが、村民の大半は高齢者…?風穴を開けることは容易ではない。「しがらみ」が存在するだろうから。

出典 http://headlines.yahoo.co.jp

誰もが顔見知りの小さな村だからこそ、しがらみも存在するのでは?

長くやりすぎだろう。3期位までじゃないと独裁になっちゃうね。

出典 http://headlines.yahoo.co.jp

藤本親子は今回で16期目に突入します。確かに長い…。

無投票当選も一応は民意のはずですよ。その土地の事はその土地の人達の決め方で決めるのが一番いい事、皆んなが納得するやり方なら方法は別に構わないでしょ、それが無投票という形でも。

出典 http://headlines.yahoo.co.jp

前回の経験から選挙を避ける風潮になりましたが、それも民意。

■長い間選挙のない市区町村は他にも…

Licensed by gettyimages ®

1967年から2003年まで10回連続で無投票当選となった福島県檜枝岐村は、「1963年の村長選挙で村を二分する対立で残ったしこりのため」と、姫島村と同じ理由で無投票での選挙に。2007年には行われましたが、ポスターや演説がない選挙活動なども酷似しています。

過去にはほかに、福岡県宝珠山村(現東峰村)が11回連続、島根県加茂町(現雲南市)が12回連続で無投票当選が続きました。

現在でも長期間無投票当選が継続しているのは北海道の乙部町で、1983年から2015年現在までの8期・32年間、無投票当選を継続中です。

Licensed by gettyimages ®

姫島村と、村民を愛するがゆえに61年間も行われなかった選挙戦。「村が変わるきっかけとなれば…」と、今後の村の発展に期待の声が集まります。

この記事を書いたユーザー

苺いちえ このユーザーの他の記事を見る

Twitter、Facebookでのシェア大歓迎です♡よろしくお願いします♪

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス