Instagramで13万9千人を超えるフォロワーを持つハナ・クストラーさん。彼女のアップする写真はどれも体に良さそうで、とても美味しそう!彩も鮮やかで、食べ物の色や形もワクワクと食欲をそそる魅力的な写真ばかり。

日々投稿される素敵なメニューと健康的な笑顔を見ると、きっと食べることが大好きな人なのだろうと誰もが思うでしょう。しかし実は、ハナさんは食べ物を全く受け付けなくなってしまった過去があるのです。今ではすっかり健康になり美しい笑顔を見せるハナさんですが、一時、神経性無食欲症の為、命の危険にさらされていたのです。ハナさんは、その時の写真をインスタグラムに投稿しました。

ハナさんの患っていた「神経性無食欲症」とは、別名「神経性やせ症」とも呼ばれるもので、一般的には拒食症とも言われるものです。

「こんな写真を公開することは馬鹿げているかもしれません。けれど私は、この病気の恐ろしさを多くの人に知って欲しいのです」

自分を保つために自分に課したルール

オーストリアで生まれたハナさんは、親の転勤の為、中国、韓国、アメリカ、日本と様々な国に移り住みました。やっと慣れたと思うと、また気候も習慣も言葉も全く違う場所へ。そんな大きな変化ばかりの日々の中で、唯一、自分でコントロールすることができる事が食事でした。自分に課したルールを守る事で安心し、心の安定をキープしていたのです。

最初は、健康や美容の為にファーストフードを食べないようにする事から始めたルールでした。しかし、気がつくとどんどんその厳しさを増し、終いには自分の中で決めた食べ物以外は一切食べなくなってゆきました。

そしてついにハナさんは、豆腐と蒸し野菜以外、全ての食べ物をとらなくなってしまいまます。17歳の時のハナさんの体重は52キロ。それは180センチの身長の彼女には軽すぎる重さでした。心配した両親に病院へ連れて行かれるも、医師の指導は全く耳に入りませんでした。

この頃のハナさんは頭の中に「食べてもいい食べ物リスト」を作り上げ、それ以外のものは断固として食べるのを拒否していたそうです。パスタの上にパルメザンチーズがかかっているのを見て、皿ごと母親に投げつけた事もありました。それでも家族の協力もあり、少しづつ体重は戻り始めました。

あと数日遅かったら死んでいた

ハナさん一家は、この頃、両親の仕事の関係で家族揃って日本で暮らしていました。まだ痩せすぎてはいたものの体重が戻り始めたハナさんを見て安心した両親は、オーストリアに戻って一人暮らしをしたいと言う彼女の意思を尊重しました。しかし、この決断が再び悪夢のきっかけとなるのです。

一人暮らしを初めたハナさんは、再び食べ物へのルールを自らに課すようになります。そしてついに、1日にコップ一杯の水と小さな餅のお菓子を3つしか口にしない日もありました。そして1日に10回も体重計に乗り、自分の体重を確認していました。体重はどんどん落ち30キロを割り、子供服しか合う服はありませんでした。

ある日、連絡が全く取れなくなったハナさんを心配した祖母が救急車を呼びました。しかし、家からは全く応答がありません。そして家のドアを蹴破って中に入った救急隊員が見たのは、極度にやせ細って床に横たわっているハナさんでした。救急隊員は後に、ハナさんが生きていた事に驚いたと言います。

「お医者さんには、もしも発見が数日遅れていたら恐らくそのまま死んでいただろうと言われました」

発見された時のハナさんは、消化器官がほぼ機能しなくなっていて、内臓にも極度のストレスがかかった状態でした。そして自分の足で歩いて退院できる様になるまでに、5か月もの時間が必要だったのです。

一人で解決できないのは当たり前の事

退院してからも、ハナさんはデイクリニックに通って心のケアを続けなければなりませんでした。ハナさん自身、この病気からの完全な回復までには、まだまだ時間がかかるとわかっっているそうです。だからこそ、あえてInstagramで自分の体の変化を公開する決心をしたのです。

「私は、苦しく辛い時にこそ、周りに助けを求める事が大切だというのを伝えていきたいのです。1人じゃ解決出来ない事があるっていうのは恥ずかしい事でも何でもなく、ごく当たり前のことなのですから」

ハナさんのメッセージは、自分と同じ様な苦しみにある人だけでなく、自分自身へのメッセージでもあります。

多くのフォロワーからの応援を実感する事で、自分に自信を持つ事が出来てる、そんな関係に感謝する事ができるという事を伝えたい。そして、自分の体の変化を公開する事で、多くの人に「人はひとりではないのだ」と知ってほしいと願っているのです。

ハナさんは現在、行動療法により、しっかり食事を摂るということを学び、今では食事を大いに楽しんでいるそうです。学校ではボート部に所属し、体をしっかり動かし、栄養たっぷりの食事をとることで、体重は「通常」と呼ばれるレベルにまで回復しました。

「真実を隠そうとする事からは、何の答えにも辿り着けません。神経性無食欲症だけでなく、すべての摂食障害は、本当に恐ろしい病気です。けれど、それを乗り越えることはできるのです」

ハナさんのInstagramアカウント名は「Prosperous Healthy Life(豊かで健康的な生き方)」

レシピ付きで紹介されている数々の食事は、見た目も美しく、まるでハナさんの美しさそのもの。これからもハナさんの戦いは続きますが、自分の体を愛しむ事、そして多くの人と気持ちを共有する事を学んだハナさんは、きっとこの戦いに打ち勝つ事でしょう。

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