YouTubeなどには数多くの「社会実験」が投稿されています。様々な国で行われるいろんな社会実験の中で差別、偏見、批判といったネガティブな態度を見せる人々もいる一方、優しさを見せ、温情をかけてくれる人も存在します。でも筆者は、社会実験動画を見る度に、いつも社会の厳しさを痛感している次第です。

今回、こちらで2本の動画をご紹介しましょう。どちらも社会実験動画ですが、1つはアメリカのジョージア州で、1つはイギリスのロンドンで行われたものです。共通点は「子供」。

子供が困った立場にいる時、いったいどれほどの人が手を差し伸べてくれるのでしょうか。社会の在り方がどういうものか実感できる実験動画となっています。

「あなたなら、どうする?」

出典 YouTube

アメリカで大人気の番組「What Would You Do?(あなたなら、どうする?)」からの動画です。この番組は、普段誰にでも起こり得る状況をテーマにしているために動画を見ている視聴者も自分に置き換えて考えることができるようになっています。

知らずに自分の身近に起こっていることをあなたが目にした時、あなたならどんな反応をするでしょうか。

米ショージア州にある一軒のトイショップに息子を連れてきた母親。シングルマザーでしょうか、たまには子供に玩具を買ってあげたいと思い「なんでも好きなもの選んでいいわよ」と言います。そして喜ぶ子供が手にしたのはレゴの箱でした。

「ママ、僕これが欲しい!」

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欲しいものを買ってもらえるときの子供のはちきれんばかりの笑顔。子供のそんな無邪気な笑顔を見ていると「無理してでも頑張ろう!」と全てに対して思えてしまうほど。この母親も「いいわよ、買ってあげる」とレジへ向かいます。ところが…

「お客様、お金が不足しております」

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提示された金額分、あると思っていたのに実はなかった母親。「これだけしか持ち合わせがないんですが…」と言うものの、店側はそれでは商売にならないと言わんばかりに「でも、不足している金額を払って頂かないと…」と繰り返します。

「ママ、おもちゃ、買えないの?」

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喜びで溢れていた息子の顔が一変して暗い表情に。子供にすれば「買ってくれるって約束したのに」という失望感でいっぱいでしょう。「ママ、おもちゃ買えないの?」と残念そうに聞く息子に「ごめんね、思っていたよりも高かったから買えなくなっちゃった」と言う母。

子供を喜ばせようとしたつもりだったのに、逆にガッカリさせてしまった母親としても辛いところ。しかしお金が不足しているとなれば購入はできません。「今日は買えないの。ごめんね」と言う母。しかしこの2人は実は役者なのです。

この親子のやり取りを見聞きしている周りの客は、いったいどんな反応をするのかという社会実験なのですが、店に来た10人の客のうち9人までが知らん顔をするという結果に。

他人が困っている状況を目の前で見ていても、実際に手を差し述べるという人がいかに少ないかということを思い知らされます。ちょっとした親切はもちろん勇気を伴うもの。その勇気が出せない人と、出すつもりのない人が10人中9人いたことになるわけです。これが、現実。

しかし、この男性は違った…!

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こちらの男性、3人の子供を連れて店にやってきました。3人それぞれ玩具を見ていて子供に集中していたのですが、レジの方向から「金額不足」という言葉を耳にした男性。すぐに母親のところへ行き、カウンター内のスタッフにクレジットカードを差し出したのです。

この男性は、困っている様子の母親を見捨てませんでした。いくら不足しているのかを尋ねもせずに、サッとカードを差し出した男性。母親が「では今私が持っているこのお金だけでも受け取ってください」と言うと「いやいや、いいから」と一切受け取ろうとしませんでした。

そしてこれが社会実験であると種明かしをされ「あなた以外の人は『怪しい詐欺行為かも知れない』と疑って手を差し伸べませんでしたよ」とレポーターから言われると「10人のうちの1人でもいい。自分がこの状況を見て助けてあげたいと判断したから、たとえそれが詐欺行為であったとしても自分は助ける。それでいいんだ」と答えました。

一方、イギリスの社会実験は…

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現在、ロンドンには約8,000人のホームレスがいるとされています。そのうち子供のホームレスは約1割。イギリス人であったり外国人であったりその国籍はいろいろですが、言えることはイギリスのホームレス保護団体が100%カバーしているわけではないということ。

途上国と違いイギリスのような先進国では、チャリティー団体が活動し里親制度もあるために路上で暮らす子供たちの数は少ないと思われがちですが、事実として「全くない」というわけではないのです。

そんな社会の現状に、市民はどう対応するのか

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そこで、あるユーチューバーが社会実験を試みました。10月31日、ちょうどハロウィーンの日に1人の少女が各家をノックします。住宅街では子供たちがハロウィーンの定番イベント「トリックorトリート」に歩いて回るために、この日はいつもよりも多少子供たちの訪問を予期していた家もあった様子。ところが、この少女が実はホームレスだとわかると…。

「あら、どうしたの?」

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玄関をノックする音がして出て見れば少女が1人ポツンと立っています。「あら、どうしたの?」「名前は?」「どこから来たの?」「迷ったの?」「中に入る?」という声をかけてくれた住民もいました。しかし、どちらかというと夜子供が1人で訪ねてくることに不信感を抱く人の方が多く、ほとんどの住人は迷惑そうな対応をしたのです。

「ハロウィーンで来たんじゃないのかい?」

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「トリックorトリートで来たのならわかるけど、そうじゃないならなぜここにいるのだ?」と言わんばかりの態度で少女に接する住民。更には…

「なんでウチのドアをノックするんだよ」

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少女が夜に1人で立っているということは、何か事情があるはずだと思ってもおかしくはないのですが、ほとんどの住民は「なんでウチに来るの?」と言い、少女へ親切に手を差し伸べるどころか、追い払うような対応をしました。中には「警察を呼ぶ」と言って電話を手にする人も。

ドアに鍵をかけて無視する住人もいた…

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「怪しい」と思ったら子供だろうが大人だろうが関係なく、ドアをロックして少女を締め出す住人もいました。

ロンドンという大都市では、こうした住民の防御反応はあながち間違っているとはいえないでしょう。でも、子供さえも助けないという大人が多いことにまたも衝撃を受けてしまいます。

これらの2本の動画は、社会の現状を如実に表していると言ってもいいでしょう。普段、いろんなサイトを見ていると、多くの「感動投稿」が寄せられていますが、実際には困っている人がいれば手を差し伸べるという行為が、いかに一般的ではないかというのがわかるのではないでしょうか。

そしてこの現状を知った上で、誰かが誰かを親切にするという行為がいかにかけがえのない大切なものかを改めて感じることができる筆者。さてあなたは、この2本の動画を見てどう思いますか?

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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