ブラック企業。
こんな言葉がささやかれて早10年――いよいよその黒さは、われわれ働く日本人ひとりひとりが目をそらせないところにまできてしまっています。

ということで。
本日は、日本の労働の問題についてお話しいたします。なぜなら……

電通の女子社員が過労により自殺

2015年12月25日、電通の女子寮で当時24歳の高橋まつりさんが自殺をしたのです。

自殺の原因は過酷な労働。時間外労働が1ヶ月間で約105時間もありました。これは過労死のラインである月間80時間をはるかに超える時間外労働にあたります。ちなみに……

日本で定められた「労働基準法」の規定は?

日本の労働時間にかんする決まりは、以下のような形になっています。


【労働基準法】
1日8時間、週40時間が労働時間の上限


ただし労働基準監督署に届けをだせば、この上限を超えてもいいということになっています。そんななか高橋まつりさんが勤めていた電通では、この時間外労働の上限を「月50時間」に設定していたそうです。しかし、高橋まつりさんは月100時間以上の時間外労働をしていました。

それを受けて三田労働基準監督署は、今年(2016年)9月30日に彼女の自殺は長時間の過重労働が原因だったとして労災認定をいたしました。そしてこの自殺は連日テレビや新聞などで報道され、世間に知られるようになったのです。ブラック企業の実体や時間外労働の危険性といった形で――

しかし……

新たに発覚した、別の時間外労働問題

問題はここでは終わりません。
なんと新たに別の時間外労働についての問題が発覚したのです。

彼女の自殺をきっかけに、メディアは長時間労働について批判的な報道をおこないました。「なんで死ぬまで働かせたんだ」と。しかし、こういった内容の批判をしていた朝日新聞の社内でも、電通とおなじように長時間労働についての問題をかかえていたのです。


長時間労働を社員にさせている会社が、ほかの会社の長時間労働について批判する――こういっためちゃくちゃな自体が起こっているということが明るみになりました。


この問題が発覚したのは、今年2016年5月下旬のこと。朝日新聞の社員が本人みずから「出退者においておかしな点があるので調査してほしい」という内容の相談を労働組合にしたことがきっかけです。

この相談をきっかけに、その後、朝日新聞社では社内調査をおこないました。
そしてその結果、問題が明るみになりました。ちなみに今回発覚した朝日新聞社がかかえる長時間労働についての問題とは……

発覚した朝日新聞の長時間労働の問題とは?

朝日新聞社がおこなっていたの「出退社時間の改ざん」です。な
んと朝日新聞では部下が申請した出退者時間を上司が勝手に書き換えて、問題のでない一定の基準内におさめていたのです。

今回見つかった文書では、朝日新聞社が「措置基準」ギリギリに出退者時間を調整していたとなる証拠がしるされていました。ちなみに……

措置基準とは?

措置基準とは「社員が月に○○時間以上働いた場合、会社は××をしなければいけない」というような決まりです。わかりやすくいえば、社員の健康と健全な雇用関係を守る決まりようのなものです。

そんななか、朝日新聞で定められた記者職の社員などの就業規則では「措置基準」が以下のようになっています。


◎.「措置基準時間」が月100時間以上の場合
→産業医等による面接指導、あるいは面接指導に準ずる指導を受けられる

◎.「措置基準時間」が月120時間以上の場合
→健康チェックができる自己診断表が配布される


これに対し、朝日新聞社では部下の出退者時間が上司の手により以下のように改ざんされていました。


【2016年3月】
155時間30分 → 99時間

【2016年4月】
153時間10分 → 119時間40分



上下を比較してみてください。

4月はギリギリ月120時間に満たない形になっています。
そして3月にかんしましてはギリギリ月100時間以下ということで、どんな措置もとらずにOKという形になっています。

この時間ならば規定内ということで、まったく問題ありません。しかも、これに対し「日ごろから部下に時短を強く呼びかけていたので、修正をしてもいいと思った」というような内容の回答をしているようです。

また3月4月以外の月についてはデータがありません。
それに対し「この2ヶ月の改ざんもたまたまだったと思う」というような内容の回答をしているそうです。データがないということは改ざんの事実はないという考えということでしょうか。にわかに信じられないことです。

しかし、これにかんしては会社側がパソコンの記録などをしっかりとチェックしたそうです。そして勤務時間の差異を発見。改ざんの可能性があるという説明をしているようです。

それにしても、こういった労働時間については、どこか温度がなく、上司も会社もひじょうに他人ごとのような印象を受けます。

おそらく、こういったことがごくあたりまえにおこなわれているからでしょう。
こういった部分に、日本の企業のある種の闇を感じてしまいます。そして、このような長時間労働は朝日新聞だけの問題ではありません。

ほかのマスコミや報道関係の職場もおなじような事態に陥っているというのです。それがわかる書きこみは、ネットの海をサーフィンするだけでも多数見受けられます。

ネットでの激白「激務のマスコミ・報道関係の彼と付き合ってる方」

私の彼は新聞記者です。毎日午前2時過ぎまで仕事をしていてお休みは全くありません。だから会えるのは月に2回程度。それも仕事の合間に数時間のみといった感じです。

付き合い始めてもうすぐ1年が経ちますが、忙しいとは分かっていても時々とても不安になってしまいます。

「遊ばれてるんじゃないか」

「私の他に本命が・・?」

「もしや既婚者・・・!?」

などなど、妄想しだしたらキリがありません。
平日は私も仕事が充実していますし、休日も友人と会ったり趣味を持ったりしているので、寂しいと感じることはそんなにありませんが不安は大きいです。

メールのやりとりは毎日ありますし、忙しい合間を縫って会おうと努力してくれているのも感じます。彼を信じなきゃって思うのですが・・・。

私と同じようにマスコミ・報道関係の彼とあまり会えず不安な思いをしている方がいらっしゃればゼヒ状況をお聞かせ下さい!!!

出典 http://komachi.yomiuri.co.jp

この書きこみは、今から9年も昔、2007年におこなわれたものです。そして、それに対しての解答は、以下のものでした。

私は以前十数年、マスコミ関係(報道ではありませんが)におりました。想像を絶する忙しさです。

~中略~

毎晩夜中に帰って来て疲れてて話も出来ない、
たまの休みは寝てばかり、、、耐えられますか?

出典 http://komachi.yomiuri.co.jp

やはり、こういった状況が常態化してしまっているようです。

しかし。
問題はマスコミだけではありません……

ほかにも「ブラック企業」とニュースで騒がれた企業も多数

ガリガリに痩せた店長の写真で有名な「和民」やアルバイトが相次いで深夜営業をボイコットした「すき家」などは記憶に新しいと思います。

そんななか、2012年から作家や弁護士や大学教授で構成される「ブラック企業大賞企画委員会」による「ブラック企業大賞」が毎年おこなわれています。

これを見てもわかるように、こういった問題はどこか一社だけの問題ではなく、日本全体の問題なのだということがわかるはずです。

まとめ

ブラック企業――現代社会で生活して働いているわれわれは、この言葉に慣れすぎてしまっているのかもしれません。

日本人は勤勉です。それは決して悪いことではありません。しかし、その勤勉さはときに悲劇をうんでしまうことがあります。

今回の長期労働にかんする問題は、電通や朝日新聞だけの問題ではなく、日本のすべての企業と人がかかえる大きな問題です。

「忙」という字は「心」を「亡」くすと書きます。そして忙しさは心のよゆうをなくします。「多忙」になれば多くの心が亡くなります。

これを怠ったことが今回のような結果を招いてしまいました。
今こそ、働き方について企業が、そして仕事をするひとりひとりが考えなければいけないときなのかもしれませんね。

うのたろうでした。

この記事を書いたユーザー

うのたろう このユーザーの他の記事を見る

Spotlight公式ライター/プラチナユーザー。ライターしたり小説書いたりしています。ライターのお仕事は随時受け付け中です。サンプル文章はこちらにもあります。http://unotarou.com/
きてくれた、すべての人を、愛しています。
【twitter】@unotarou

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス