記事提供:サイゾーウーマン

年齢を重ねるごとに見た目の悩みは増える。自分に似合う服、髪型、メイクなど、女性誌をいくら読んでもその答えは見つからないことが多い。

先日『赤い口紅があればいい』(幻冬舎)を刊行したばかりの野宮真貴氏と、5月に『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(文藝春秋)を刊行したジェーン・スー氏。

この2冊の刊行を記念して、両氏による特別トークイベント「口紅美人と、甲冑女。~野宮真貴とジェーン・スーが女を語る~」が、渋谷にあるイベントスペース「LOFT9 Shibuya」にて開催された。

■赤い口紅に救われたジェーン・スー

トークが始まる前のオープニングでは、ピチカート・ファイヴの名曲「東京は夜の七時」を野宮氏が歌唱。

時間はちょうど夜の7時、また渋谷という立地でこの曲を生で聞けたというサプライズ演出に、会場に集まった30~40代の女性客はスタート時から大熱狂だった。

野宮氏とジェーン氏、2人の関係性はまさに互いの著書に現れている。

『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』の第1章では、「大人の女が似合うはずの赤い口紅が、自分には似合わない」と嘆いていたジェーン氏に、野宮氏が自身のプロデュースしたオーガニックコスメブランドMiMCの赤い口紅をプレゼントしたことが記されている。

ちなみにジェーン氏は著書の中で、「赤い口紅の西の横綱を今井美樹、東の横綱を野宮真貴」と位置付けている。

弾けるような真っ赤ではなく、レンガのように落ち着いた赤を唇にさしたジェーン氏は、生まれて初めて「自分に似合う赤い口紅を選べば良いんだ!」と衝撃を受けたのだとか。

そうした縁があったために、今回の野宮氏の新刊『赤い口紅があればいい』では、帯をジェーン・スー氏が書いている。

同書を読んだジェーン氏は、「私の本はボヤきで野宮さんの本は解決なので、セットで読むと良い。野宮さんの本からは私自身も、『美人になるということに対して照れるな』という背中を押された気がした」と素直な感想を述べた。

そして現在56歳でこの美貌である野宮氏に対して、ジェーン氏は「私たちが知っている40代以降でキレイな人は、若い時からキレイなパターンがほとんどなんですよ!」と前置きをしつつも、会場のスクリーンには35年前に撮影された野宮氏のデビュー当時の写真が披露される。

そこには今の洗練された姿とは大きく異なり、少し野暮ったい印象の21歳の頃の野宮氏が。これには会場からも驚きの声が漏れていた。

なんでも当時は、「松本伊代ちゃんとオーディションが一緒だったこともあって、アイドルっぽい感じで出されていた」(野宮氏)のだそうだ。

女は若ければ良い、生まれたままの造形で決まるというわけではなく、加齢を経てもトライ&エラーでいかに美人に“見せる”のかという考えが大事なのだと思わせてくれた。

野宮氏とジェーン氏(右)

■「白湯、蒸し野菜は世の中で一番嫌い」

美人になることについて、両氏ともに「若いうちは美人になる=最大公約数にモテると思いがちだが、実はそうではない」と断言。その上で、今より20キロほど痩せていたジェーン氏の昔の写真も披露された。

当時は大失恋をした後だったため、痩せてモテファッションに身を包み、最大公約数にモテることで自尊心を立て直そうとしたそう。

しかし痩せたところで険のある表情になり、また飲み屋で1人飲みをしていた際には「すぐにヤレる女」だと勘違いされるなど、とても嫌な経験をしたんだとか。

また、「この時が自分の個性かと言われるとまた違う。結局、オリジナリティのある美人にならないと意味がないんだと悟った」(ジェーン氏)と当時を振り返った。

そして「自分の見た目でコンプレックスを持ったことは?」とジェーン氏に問われた野宮氏は、「昔は自分の顔が嫌いで、唇も小さく見えるようなメイクをしていた」と返答。

『赤い口紅があればいい』では、「世の中には美人か美人予備軍しかおらず、雰囲気美人は誰にでもなれる」と主張する野宮氏が、自身のコンプレックスを乗り越えていかに試行錯誤をしながら「美人に見せる」ことにチャレンジしてきたのかについて記述されている。

そのテクニックやノウハウは、雰囲気美人の話ではあるが、決して曖昧な雰囲気の話ではなく、いたって論理的。

「『毎朝しっかりと朝日を浴びて、一杯の白湯を飲みましょう』みたいな、訳のわからないライフスタイルの話じゃないから読んでいてタメになるし面白いですよね」とジェーン氏があらためて新刊の良さについて言及すると、野宮氏は「私、白湯って世の中で一番嫌いな飲み物。すごくつまらない」と一刀両断し、会場は爆笑に包まれた。

また、「この年になってもなんでもかんでも斜に構えるのは逆にダサいと気付きまして、声を大にして言いたいのは、生でも食べられるオーガニック野菜の本当の美味しさ」と著書でも書いているジェーン氏。

オーガニックの話になると、野宮氏は更年期を迎えた際にハーブやアロマといった植物を使った自然療法「フィトテラピー」に行き着いたと語った。

ただ、一方で「私、生野菜は昔から嫌いで、特に一番嫌いな野菜の調理法は蒸し野菜。あれもボンヤリしていてすごくつまらないよね」と終始、ほかではなかなか聞けない野宮氏の毒舌トークがさく裂した中でトーク前半は終了した。

90年代の名曲「東京は夜の七時」を披露した野宮真貴氏。

■大人の女なら、困った時は美を金で解決!

そしてイベント後半は、会場の女性客から事前に寄せられた質問に答える時間に。

「服をたくさん持っているけど着る服がない」という悩みには、「海外みたいに日本でもプライベートスタイリストが増えてきていますよね。皆さん10代20代じゃないんだから、困った時は金で解決しちゃえばいいんですよ!」とジェーン氏が提案すると、野宮氏も同調し、「洋服も髪の毛もネイルも、気の合うプロに任せた方が良いよね」と語る。

芸能関係以外の仕事をする女性でも、客観的な目線を持つ自分だけのプロデューサーを持つことは、簡単に美人になる道なのだそう。

「アラフォーに入り、仕事では社長をしているのにいまだにコンサバ服が似合いません」という悩みには、「私も息子の授業参観とか学校関係では、苦手なコンサバ服を着ていった。もう完全にコスプレとして乗り切った」(野宮氏)と語り、思いっ切り別の誰かを演じてしまう“コンサバコスプレ”をおすすめしていた。

続けて「今のハロウィンでコスプレやっている子たちはその辺で買ってきたものを身につけるだけで中途半端だよね」と、コスプレはやるなら徹底的にやるべきという姿勢を吐露したところで、トークイベントは終了。

造形が美人かどうかはどうでもよく、いかにして美人っぽく見せるか。働いていて食べるのに困らないほどの収入がある女であれば、数百円の女性誌からヒントをもらうよりも、それなりのお金で自分だけのスタイルを確立すれば良い。

そんな具体的で使える美人テクニックに会場から共感と納得の声が漏れつつも、野宮氏のマイペースで少し毒のある持論とジェーン氏の軽快なツッコミによって、最後まで笑いの絶えない濃厚な3時間だった。

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