記事提供:LITALICO 発達ナビ

「あれがない、これがない」といつも探し物と忘れ物で時間を費やし、ぽわ~んと上の空で宇宙の彼方へと飛び立ってしまう「うっかりさん」。

実はそんなうっかりさんは、クリエイティブで想像力が豊かな、人間的な魅力に溢れた愛すべき人物なのかもしれません。うっかりさんのミスや失敗を減らして自信をつけていく、接し方と工夫のポイントをお伝えします。

みなさんの周りにも、こんな人いませんか?

「うっかりさん」それは…いつも探し物に追われ、忘れ物をしてはあたふたとして、貴重な人生の時間を「あれがない、これがない」と言って浪費してしまう。

なんだか大変そうにしていたかと思えば、ぽわ~んと考え事をして、上の空で壁や電柱に頭をぶつけたり、電車で駅を乗り過ごし、いつの間にか知らない土地に降り立っている。

…そんな不思議人間です。

もしかしたら、「うっかりさん」は、いつもうっかりミスや失敗ばかりで、親や先生・上司からの注意や叱責が続いたり、自分でも「なんでこんな簡単なことができないんだろう」なんて落ち込んで、自信を無くしがちかもしれません。

でもね、本当はそんな「うっかりさん」は人間味溢れる、豊かな世界観を持った魅力的な人物でもある可能性が高いのです。

そんな愛すべき「うっかりさん」の、長所やいいところに気づき、ミスや失敗を減らすために、親や周りの人達ができる接し方のコツと、うっかりを予防する、自分でも簡単にできる自己管理の工夫はあるんです。

今回は、「うっかりさん」の魅力を引き出すポイントを、自分自身のうっかりとつき合いながら、「うっかりさん」な子ども達を子育て中の、楽々かあさんこと大場美鈴がお伝えします。

うっかりさんの短所を長所に「凸凹変換」すると…?

そもそも、「うっかりさん」って、なんでうっかりしてしまうのでしょう?それは、こうした理由があるからかもしれません…。

・頭の中がいろんな雑多で膨大な情報でいっぱいで、処理が追いつかない(いわば、「脳のメモリ不足」状態)
・目や耳から入って来る情報を、そのまま無選別に受け取り過ぎてしまう
・今するべきことの優先順位がつかない
・あれも、これも、それも、同じように気になってしまうから、ついつい手元がおろそかに

でもこれは、見方を変えれば「好奇心旺盛」とも言えるんです。「うっかりさん」の長所をみてみましょう。

・要る情報と要らない情報の区別は苦手だけど、一見無関係な情報同士が結びついて、アイデアやひらめきを得やすい
・発想力や想像力が豊かで「クリエイティブ」

そして、ミスや失敗ばかりの「うっかりさん」の最大の魅力は、その「親しみやすさ」です。

思い出してみて下さい。「うっかりさん」の代名詞、マンガ「ドラえもん」の主人公、のび太君を…!彼は、できないことが多くて、失敗ばかりだからこそ、世代も国境も超えて幅広く愛され、親しまれる人気者になれたのではないでしょうか。

「うっかりさん」は、そんな不思議と憎めない、人間味溢れる魅力が満載なのです。

「凸凹変換表」の無料ダウンロードは、楽々かあさん公式HPより。

上の空のうっかりさんを「今、現在」に戻す、接し方のコツと声かけ

では、そんな「うっかりさん」の子育てをしたり、学校や職場で上手にフォローしながらつき合っていくには、どうしたらよいでしょう?

いつもお空にぽわ~んと浮かんでいる「うっかりさん」が、地に足をつけて現実の世界でやっていくためには、「今、現在」に気づかせ、何を優先して行動すれば良いのか、具体的に思い出せるようにするのがポイントです。

【気づかせる声かけの例】

・「今、何してたんだっけ?」「今◯時だけど、大丈夫?」
・「どうすればいいんだっけ?」「こういう時、いつもはどうしてるの?」
・「今やることはAと、Bと、Cだけど、どれから始める?」

こんな声かけで、うっかりさんはハッと我に返ったり、大事なことを思い出したり、優先順位をつけて具体的な行動に移ることができます。

そして、ミスや失敗の多い「うっかりさん」なので、親や周りの人は、つい小言を言いたくなってしまいますが、周囲からの注意や叱責が続いてしまうと、余計にうっかりが増えてしまいます。

「うっかりさん」は、同時にあれもこれもとテキパキ処理するのが苦手かもしれませんが、ひとつひとつ順番に確実にやってゆくことは得意だったり、全体像を把握してから具体的な部分に入ることで、頭の整理整頓ができて動きやすくなります。

・1つのことが終わってから、次の指示を出す
・やることを順番に、箇条書きやリスト、チェック表にして、伝言メモ、ホワイトボードなどに書いてあげる

…などで伝える情報を絞って整理し、伝え方を工夫すると、落ち着いて行動することができます。また、最初に完成図やお手本を見せてあげると、イメージしやすいタイプもいます。

うっかりミスや失敗続きで、成功体験が少ないと、本人は「なんでこんな簡単なこともできないんだろう」と、落ち込んでしまって、自信がなさそうにしているかもしれません。

ほめるハードルを少しだけ下げ、「ここまではできているね」と、できている部分に気づかせたり、「忘れ物がなかった」「遅刻しなかった」と、頑張れた部分を褒めたりすると、自信につながります。

「うっかりさん」は、一見他の人ができて当たり前のようなことも、本人にとっては、ものすごく努力が必要なことがあるからです。

例えギリギリセーフでも、なんとか時間どおり目的地に着けた時などには「間に合って助かったよ」など、さり気なく感謝を伝えてあげると「次も頑張ってみよう」という意欲が出てきます。

もう忘れない!記憶力を道具で補い、うっかりを予防

そして、「うっかりさん」が自分自身でもできる、「うっかり忘れを予防する簡単な工夫」があります。つい忘れてしまうのは、先述の通り感性豊かな「うっかりさん」が受け取る、圧倒的な情報量に対して、脳のメモリが不足気味だからです。

道具を工夫して、外部メディアにデータを移し、「覚えなくては」「気をつけなくては」という負担を減らせば、情報処理が追いつき、スッキリ動きやすくなります。

【やることを把握する工夫】

・カレンダーやスケジュール帳に、やることを書き出したふせんを貼る
・スマホアプリのTODOリストなどで、優先順位をつける

【記録する工夫】

・買い物メモなど、メモ魔になる
・書くことが負担の場合には、スマホやデジカメで写真を撮って記録する習慣をつける

【思い出す工夫】

・スマホや家電製品のアラームやキッチンタイマー、リマインダーをセットして活用する

【ミス・失敗の対処への工夫】

・もし失敗しても「こうすればOK」という対処法を書いたカードや、手順表・工程表を作って貼っておく

【なくしもの、探し物を減らす工夫】

・よくなくすものにはヒモをつける
・大事なものだけを入れる専用のBOXを作る
・「習い事セット」や「打ち合わせセット」など、用途別に専用バッグをそれぞれ用意し、必要なものは入れっぱなしにしておく

うちの子ども達には、登校時刻や宿題開始のアラーム、「OKカード」や手順表、ヒモ付きのハサミや連絡帳のタグなどを使って、学校や日常生活の工夫をしてきました。

自分の「うっかり」と上手につき合うことで、「せっかくいいこと思いついたのに、紙と鉛筆が見つからなくて忘れちゃった」なんて勿体ないこともなく、クリエイティブな長所も活かすことができます。

参考情報:WatchMinder

うっかりは最大の魅力!?人間味あふれる愛すべき「うっかりさん」

こうして、自分でも工夫しながら、周りの人の理解や協力を得られると、うっかりミスを少しでも減らし、ひとつひとつ宿題や仕事をこなして、小さな「できた!」の成功体験を積み重ねることができます。

そして、親や周りの人たちが、「うっかりさん」の当たり前の頑張りや、できていることに気づいて認めてあげることで、失っていた自信を回復することができます。

すると…自信がついた「うっかりさん」は、最大の魅力を発揮することができるんです。それは、うっかりしていて、ミスや失敗が多いという、自分の欠点を長所として受け容れられるということ。

「うっかりさん」のうっかりは、実は、欠点であるにもかかわらず、一番素敵なところでもあるのです。

どんな人でも長所と短所はセットで持っているものですが、一見完璧そうで、誰にも隙を見せない人の前では、大抵の人は緊張してしまって、心を開くことができません。

そこへゆくと、人間味溢れる愛すべき「うっかりさん」は、周りの人の気持ちを和ませ、安心させ、話しかけやすい親しみを感じさせます。

できないことも多い「うっかりさん」が、自分なりに一生懸命がんばっている姿は、人に勇気や希望を与えることができます。でも、自分に自信がないと、せっかくの素敵なうっかりを隠し通して、完璧を演じようと頑張り過ぎてしまうかもしれません。

「うっかりさん」は、そのままでも充分素敵なんです。「うっかりさん」のうっかりを、周りの人も、そして、「うっかりさん」自身も、家宝のように大事にしてあげて下さいね。

次回の楽々かあさんコラムは「あわてんぼさん」編の予定です。お楽しみに!

出典:凸凹変換表
出典:OKカード

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