「勝手踏切」で2歳児重体

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10月25日午前9時半ごろ、長崎県佐世保市の松浦鉄道(MR)泉福寺駅近くで、2歳の女児が列車にはねられ頭の骨を折るなどの重体となった事故がありました。

事故の現場は、警報機や遮断機はなく、鉄道事業者が管理していない非正規の踏切でした。いわゆる勝手踏切と呼ばれるところ。



「勝手踏切」とは…

鉄道事業者によって正規の踏切として設置されたものではないが、住民が線路を渡るために多く利用しており、事実上の踏切として機能している場所。遮断機や信号がなく、衝撃事故につながる危険が高い。鉄道事業者側は原則として使用を禁止する立場を取っている。

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女児は反対側にいる母親のところに行こうとして、はねられたようです。列車の運転士は「警笛を鳴らし、ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話しています。その列車は1両編成で、運転士と乗客は37人。全員に怪我などはなかったもようです。


※写真はイメージです。

しかし、その松浦鉄道には、とんでもない数の「勝手踏切」が存在することも判明しています。勝手踏切は、地域の生活道路の上に鉄道が敷かれたことで不便となり、そのまま住民が階段を設置したり敷板を渡したりと、整備し通りやすいように利用している場合が多いのです。

仕方がないと言えば仕方がないのですが、危険だからと閉鎖してその通り道がなくなってしまうと、生活が大変不便となってしまいます。

松浦鉄道の路線(全長93・8キロ)だけで約250カ所あり、九州各地の路線にも点在するが、実態把握や安全対策は遅れている。

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「勝手踏切」の現状

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国土交通省は今年3月に、初めて鉄道事業者が把握している「勝手踏切」の数を調査しました。

その数、全国で19,000か所。全国の正規踏切は33,432か所あります。そう見ると、勝手踏切の数の多さには驚くばかりです。

「正式な踏切として認識しておらず、数は把握していない」(JR九州)という事業者もあり、実態はさらに多いとみられる。

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通常の踏切は、たいてい警報機と遮断機がありますが(ない種類もあります)、「勝手踏切」は、そういうものがなく、住民たちが渡りやすいように板を並べたり(写真)と利用しやすいようにしています。

でもこれは大人でも危なっかしいのに、子どもとなると、毎日危険と隣り合わせです。


※写真はイメージです。

以下、今回の2歳児の事故を聞いて、近くの住民も「勝手踏切」の危険性について語っています。

「部活前にコンビニに寄りたいとき、よく通る。電車が警笛を鳴らすことが2、3回あった」

「買い物やバス停に行くときについつい通る。強い風の音で電車の音が聞こえないこともある」

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聞いているだけで恐ろしいですね。

危険すぎる「勝手踏切」

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便利になるはずで作った勝手踏切では、次から次へと列車との接触事故や死亡事故が発生しています。ではいったいどれだけ危険なのでしょうか。

香川県のJR四国高徳線では昨年12月、勝手踏切で高齢者が列車にはねられて亡くなった。

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佐賀県基山町と福岡県朝倉市を結ぶ甘木鉄道でも数年前、勝手踏切のそばに小学生がいるのを運転士が見つけ、列車が緊急停止する事案があったという。

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地域の住民は、長い間勝手踏切を渡って生活してきていますので、ある意味慣れきってしまっているようです。電車が見えているにも関わらず、短い距離ですし、サっと渡ることができると錯覚しているのかもしれません。


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列車が迫っているのに線路を平然と渡る人たちに遭遇しました。

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四国ではわかっているだけでもこの10年で70人以上の死傷者が出ています。中でも香川県では、去年11月から3か月連続で「勝手踏切」による事故が続く異常事態となっています。

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この死傷者の数、異常ですね。危険過ぎる数です。

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ここまで事故が相次ぐと、もはや閉鎖すべきものと誰もが思うでしょう。昔からあるから「安全」や「安心」「慣れ」では、通じるようなものではありません。

また、人間は、列車の迫ってくるスピードをさほど認識できず、まだ時間があると思って渡ってしまっても、引かれてしまうなんてこともよくあるそうです。


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特急列車は場所によっては130キロ近い速度で通るため、普通列車だと思って油断していると、横断が間に合わず特急列車にはねられる危険性が明らかになりました。

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足元には階段もあり立て看板は「通行禁止」ではなく、「通行危険」と書いてあるだけでした。

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幼少のころから勝手踏切を利用している30代の女性は、あまりに危険な勝手踏切の渡り方のコツもマスターしているとか。

「気づいたら電車がすぐそこまで来ていたこともありました。今は電車の信号機を見て、左右両方とも赤だったら渡っています」

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勝手踏切にある看板は、横断を黙認する文句が多いのも特徴。フェンスがあるようで、実は人が通ることができてしまう場合が多いんです。つまり、「禁止」とか「渡るな」という文字が見られないことも。

そういうときって、近道をしたい人は、渡ってしまうものですよね。

なぜ、人が通れる隙間を作ったのか。関係者は「事実上、横断を黙認している状態だ」と明かした。

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人の多い地域に来れば、列車の本数も多くなり、勝手踏切を通過する人の数も多くなります。するとそれに比例して、事故の危険性や発生率も高くなってくるはずです。


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閉鎖すべきか…

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京都府宇治市内のJR奈良線では、相次ぐ「勝手踏切」での事故により、ついに5か所も閉鎖が決行されました。人がひとり通れるほどあった道に、しっかりとフェンスで遮られました。

京都府宇治市内のJR奈良線で28日、正規の踏切ではないが住民が昔から線路の横断に使ってきた通称「勝手踏切」全5カ所が閉鎖された。横断者と電車が接触する事故が相次ぎ問題になっていた。

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きちんと金網のフェンスで人が入れないようにすれば、事故もなくなり、安心して生活できますし、子どもたちだけで外出させることに不安も減るはず…。

…と思いたいところですが、実は「勝手踏切」は、住民たちが後からできた鉄道により、生活を不便にされ、たった1つのその近道がなくなることで、病院もスーパーも全てが遠くなってしまうなど、新たな問題もでてきます。


※写真はイメージです。

住民有志でつくる「生活踏切に安全設備の整備を求める会」代表の辻貞夫さん(79)=同市木幡=は「今後はかなり遠回りして行かなくてはならないが、地域には足腰の弱い高齢者が多い。警報機や遮断機を設置して正規の踏切にしてほしい」と訴えている。

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自宅のある住宅街から線路を挟んだ向かいにあるスーパーや病院に向かう高齢者にとって、勝手踏切は便利な“近道”。正規の踏切を迂回(うかい)すれば、数百メートルは遠回りしなければならず、高齢者にとっては負担が大きいという。

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勝手踏切を閉鎖してしまうと、近くの住民で長い間利用してきた人たちから反対が出ます。反対にあってしまうと、「通行危険」などの注意喚起の看板しか建てられず、閉鎖までは至らないというケースも多くあります。

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近年、四国を中心に大変多い「勝手踏切」の事故ですが、その裏には明治時代から「里道」として住民が共同で使ってきた場所があり、鉄道が開通し始めると、それが分断されてしまったのです。それを住民が「共同の道」としてずっと利用し続けているので、「勝手踏切」として残るようになりました。


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住民が閉鎖を反対する理由には、こんなものもあります。

田んぼを所有する農家のおうちでは、ちょうど線路を渡った向こう側に、田んぼへの水量を調節する「水門」があります。それを1日何度も行ったり来たりして、開け閉めします。もし勝手踏切を閉鎖してしまったら、遠回りしないといけなくなりますので、重労働となってしまいます。


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「勝手踏切」は地域の農家にとっては、昔から利用している「生活道」だったのです。

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また、勝手踏切のある道路は、江戸時代から存在する墓地へと続く参道でもあるという例も見られます。住民の生活に根付いてしまったものを、今さら閉鎖して、違う道をというのは不便であり、酷でもあるのです。


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「あの踏切がなくなったら、お寺からお墓にお参りする檀家さんにかなり負担をかけることになる」

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江ノ電の勝手踏切も多くありますので、閉鎖に反対する住民がこんな看板を掲げています。生活の重要な道をふさいでしまっていいのだろうか、非常に難しい問題です。

火事や津波など災害時の対応も問題がある。

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本当は完全に閉鎖すれば事故を防げるのですが、住民の生活道となってしまっているので、これに関わる全ての人が納得する対策が必要となってきます。

例えば、農家など仕事でどうしても利用しなければいけない人は、鍵付きにしたフェンスを開けられる権利があり、必用な人のみが使用できるように改善した例もあります。


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「住民、鉄道事業者、行政がそれぞれの立場を丁寧にすり合わせて、柔軟に解決策を見いだしていくべきだ」

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「鉄道は、道路と平面交差してはならない」

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地域によっては、勝手踏切を閉鎖するのではなく、本物の踏切にしてもらいたいという住民の声もあるようですが、踏切はこれ以上増やせないという理由で突っぱねられてしまう事例もありました。

実はそれには理由があったのです。


※写真はイメージです。

鉄道は、道路と平面交差してはならない

鉄道に関する「技術基準省令」39条。国土交通省鉄道局によると、この一文によって、「勝手踏切」は正規の踏切にすることはできないのだという。「勝手踏切」を存続させることは、新たに踏切を設置することになり、この省令に引っかかる。

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平面交差が引っかかるということで、つまり地下道高架化することは大丈夫なのです。

しかし、それには莫大な費用が生じてしまう事実もあります。


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しかし、場所によっては、その条文には例外もあるようです。

交差する道路の交通量が少ない場合又は地形上等の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない

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その例外によって、長きにわたって廃止されていた勝手踏切が、きちんとした形の踏切として新設が認められた例もあります。

難しい問題

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国交省にしたら、基本的には新設で踏切は認めていないので、閉鎖の方向でという考えのほうが強いようですが、それぞれの地域に根付いた実情が見え隠れすると、どうしても一斉に閉鎖に踏み切ることはできない現状もあります。でも一番に考えないといけない「死亡事故」。それぞれの兼ね合いが大変難しい問題でもあります。

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それでも現段階ではまだまだある「勝手踏切」。地域の子どもから大人まで「慣れ」で、何の危険性も感じず渡っているようですが、確実に事故が増え続けています。子どもや若者など、近道をしなくても十分歩ける年齢層は、できるだけ避けた生活をした方が望ましいと感じます。

生活の中でどうしても渡る必要があり、避けて通れないのであれば、子どもは必ず大人など同伴者が必要です。そして、その他の住民も、電車がどちらかに見えたら、それがどんなに遠くであっても、その速度が想像以上に速いということを理解して、通り過ぎるのを待つようにしてください。

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