記事提供:子ある日和

子育ては楽しいものだというけれど、長男が5歳、次男が1歳半の頃の私はもうクタクタでした。

夫は転勤中。実家は建て替えでバタバタ。

職場も転換期で、育休明けには、かなりの量と神経をつかう仕事が山積みなのに、次男は人一倍、体が弱い。

保育園に行ってもすぐ呼び出されるので、仕事を持ち帰り、夜中に仕上げるのでいつも寝不足の私。

週末はぐったりして、長男のためにお出かけすることも億劫になる始末。

そんな時、近所の幼稚園(徒歩3分)のバザーに、友だちが誘ってくれ、長男は嬉しそうにママ友親子と出かけて行きました。

はじめて渡したお小遣いは300円。

バザーではフランクフルトとか焼きそば、わたあめなどの食べ物や輪投げ遊びなどが、ひとつ50円~100円と聞いていました。

午後いっぱい遊ぶのに充分ではないかもしれませんが、我慢しながら買い物することも覚えて欲しかったので、首からかけるタイプのお財布にお小遣いを入れ、

「好きなもので遊んでくるんだよ」

「○○ちゃんのママの言うことを聞いてね」と送り出しました。

その後、私はまだお昼寝が必要な次男を抱っこしながら、うたた寝をしていた気がします。

目を覚ましたら、霧雨が降っていました。

傘を持たせていたけれど、きっと差してないだろうな~。そう思って、次男を抱っこして、幼稚園までお迎えに行こうと玄関を出ると!

…幼稚園の方角から長男が走ってくるのが見えたんです。案の定、傘は差していませんでした。手には大切そうに割り箸を持っています。

トイレに行きたい時みたいに、へんな格好で小走りしながら、ちょっと泣きそうな顔をしています。

「どうしたの?」

家の前まで息を切らして走ってきた長男に尋ねると、彼は泣きそうな顔をますますクシャッとさせて「ピンクのわたあめ、おみやげなの。弟(名前)くんのために買ったの」と言いました。

わたあめ?

長男が差し出した割り箸をみると、そこにはドロドロに溶けた飴色のザラメの残骸が!

「わたあめ、買ってくれたんだ。ありがとう。けど、雨で溶けちゃったんだね」

長男の手からわたあめだった割り箸を受け取り、タオルで頭をふいてやり、抱きしめてあげながら私は笑いがこみあげてくるのを抑えられず、にこにこしながらも、なぜか鼻の奥がつーんとするような感覚にも襲われ、泣き笑い状態になりました。

バザーのわたあめは人気商品。

まず自分が食べてみて、おいしかったので、弟にも食べさせたいと思ったのでしょう。

私が固いものはまだダメだよ~と言っていたので、柔らかくて、フワフワしたものならOKと思って、並んだ。

袋には入っていないので、すぐ食べてね、と言われたので、走って届けにきた。そんな話を聞いて、長男はお兄ちゃんぽくなったな~。成長したな~としみじみしました。

少ないお小遣いで、弟にもおみやげを買おうとしたその小さな思いやりが嬉しくて、私はしばらくそのザラメがついた割り箸をキッチンに飾って、ほんわかと子育ての喜びを噛みしめていました。

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