スーパーや土産屋などで、地方特有の珍しいものや変わったネーミングの商品を目にすると「どんな味がするのか気になって、つい手にとってしまう…」なんてことありませんか?

そんな私たちの想像力をかきたてる食品が集結するイベントが行われるという噂を聞きつけ、Spotlight編集部が潜入取材を行ってきました。

そのイベントとは「フード・アクション・ニッポン アワード」です。

美味しそうなもの、集まれ〜

フード・アクション・ニッポン アワードとは、2009年に創設された国産農林水産物の消費拡大に寄与する事業者・団体等の優れた取り組みを表彰し全国へ発信する表彰制度。”世界に通用する”地域の産品を、作り手の想いとともに消費者に届けたいということから…って長いよ!まず、名前が長いよ!

つまり、日本全国の美味しいものを表彰するということみたいです。さらに、今年からは大手百貨店などが審査委員として仲間入りし、受賞商品の流通にガンガン力を入れていくようにしたとのこと。

そして、最終審査会当日には、一次審査を通過した「入賞」100産品の中から「受賞」10産品が決定するとのことで、編集部では僭越ながらネーミングの観点から勝手にSpotlight10選を選んでしまうことに決めました。

それでは早速、入賞した100産品が並ぶ熱気ムンムンの会場で見つけた、気になるネーミング10選を、選出ポイントと共に紹介していきます!

その① 「ヨーグルトにかけるお醤油」

ネーミング選出ポイント:何故ヨーグルトに醤油を掛けようと思ったのか、気になる。

こちらのブースを出店しているのは、岩手県にある創業明治39年「佐々長醸造株式会社」という、歴史ある味噌・醤油屋さん。そんな老舗が、何故こんな味のミステリーゾーンに突入しようと思ったのでしょうか!?

不思議な光景…

地元の乳製品メーカーからの「ヨーグルトに合う醤油を作って欲しい」という要望により、試行錯誤の末生まれた「ヨーグルトにかけるお醤油」。その味はというと、「みたらし団子を食べているみたい!」(ライター談)とのこと。

豆腐などにかけて食べる醤油のような“しょっぱさ”がなく、トロ〜リとした甘い風味が口の中に広がるので、トーストやバニラアイスなどにかけて食べても美味しいそうです。

結局、老舗の味噌・醤油屋さんに「ヨーグルトに合う醤油を作って~」と頼んだのは乳製品メーカーってことで、実際に頼んだのはメーカーのお嬢さんで味の冒険者コギャルか、はたまた何でもかんでも醤油をかけたがる醤油二ストの会長か…無用な想像だけが残ったのでした。

その② 「アメイジング ガスパチョ」

ネーミング選出ポイント:声に出して言いたい、横文字感。

オシャレな八百屋さんに売っているようなトマトがいっぱいのこちらは、“安心・安全・新鮮+α”をコンセプトにした福井県のワトムという農家さんのブース。

なんてカラフルなんだ!

レッド・グリーン・イエロー・ピンク・ブラウン5種類のカラートマトに魔法の杖をひとふりして現れたという「アメイジング ガスパチョ」。ネーミングの由来を「まずこの見た目ですね!」と生産者の方がおっしゃる通り、レッドはチリ味、ブラウンはショコラ味など、色ごとに楽しめる様々な色と味はまさにアメイジングさぁ、皆さんもご一緒にSAY「アメイジーング!」

そのままスープとして飲んでもよし、炭酸水やスパークリングワインで割ってカラフルドリンクとして味わうもよし。トマトの栄養を丸ごと簡単に取り入れることが出来るので、社会人や忙しいママにもピッタリ。

にしても“カラートマトに魔法の杖をひとふり”って…何かにかわってお仕置きでもしようとしたんですかね。

その③「はじめましてあおさのりです。」

ネーミング選出ポイント:礼儀正しい感じで周囲に好感を与えられそう。

「あ、どうも、初めまして。Spotlightです」と、思わず答えてしまいそうになるこちらは、原材料であるヒトエグサを養殖している愛知県田原市の宮川産業株式会社が商品化したもの。

漁港の様子が目に浮かぶほどの緑、磯の香り

ヒトエグサ養殖漁師の高齢化や後継者不足等で年々縮小傾向にある漁師の養殖事業の一助となるため、愛知県産初の「あおさのり事業」を2010年より立ち上げたことにより誕生…という深刻な事情を抱えた「はじめましてあおさのりです。」ネーミングに遊び心やダジャレを加える余地もなかったのだろうと、こちらも背筋を正して有り難く試食させていただきました。

お湯を注ぐと何倍にも膨らみ、磯の香りが口の中に一気に広がる海苔好きにはたまらない逸品。ヒトエグサ養殖事業存続のために、ひいては日本の漁業の未来のために、お味噌汁やお吸い物のお供として毎日の食卓に取り入れたいですね。

その④「一福百果 まるごとみかん大福」

ネーミング選出ポイント:本当に丸ごと入っているのか確かめたい好奇心をくすぐる。

本当にみかんが丸ごと入っている!驚きのビジュアルの「一福百果 まるごとみかん大福」は、愛媛県今治市にある株式会社清光堂というお菓子屋さんによる和菓子。「県の特産品を使って大福を作ろう」ということがきっかけで、どのサイズのみかんが餡に合うか?など試行錯誤を繰り返し、5年の歳月をかけて誕生したそう。

一口頬張ると、まるでみかんを食べているかのようなジューシーさ!何個でもいけちゃう魅惑の味は、新しい名産品として人気爆発するかもしれません…。

その⑤「幻の2日ひじき」

ネーミング選出ポイント:「幻」、「2日」、「ひじき」その語感がミステリアス。

今見ているこの写真も幻なのか…と思わず目をこすってしまう、まさに秀逸なネーミングの「幻の2日ひじき」は、大分県に浮かぶ離島・姫島で12月の新芽の時期の2日間だけしか採る事の出来ない希少なひじきを使用しています。

貴重なひじきで贅沢サラダ

島のおばあちゃん達が代々継承してきた伝統的な「大釜薪炊き製法で作られた後、時間をかけてじっくり天日干しされているから、お湯で戻した後もシャキシャキとした食感がクセになることうけあい。

写真のようにサラダにしたり、ひじきご飯やハンバーグの具材としても相性抜群なので、料理の幅も広がりそうです。

食感の虜になりすぎてお箸がとまらなくなったら、“12月の新芽の時期の2日間だけしか採る事の出来ない”ってことを思い出してください。途端に1本ずつ丁寧に食べたくなるから…ひじきなのに。

その⑥「まるでとま豚」

ネーミング選出ポイント:ダジャレネームも女子高生が考えたら可愛いと思える不思議。

山形県山辺町にある山辺高校食物科の生徒がレシピを考案し、行政と民間企業がタックを組んだことにより商品化に成功したという逸話を持つ「まるでとま豚(とん)」

見た目もカワイイ

山形県山辺町産の飼料用米を食べて育ったブランド豚「舞米豚を具の材料に使用。さすが発案者が女子高生だけあって、見た目もポップ。おじさんには到底思いつけないフォルムは、コギャル…ではなくJK?ならではの発想です。

コンビニで販売されるようになったら、女性や子供を中心に人気が出るかもしれません。「#まるでとま豚 #やばい #鬼うまい」って早く投稿してみたいです。

その⑦「エメラルドグリーンに輝く静岡マスクメロンジャム」

ネーミング選出ポイント:長すぎるネーミングは、時に人の心を惹きつける。

まさか着色料不使用とは思えないほど美しい「エメラルドグリーンに輝く静岡マスクメロンジャム」は、静岡県浜松市にある「花のようなケーキ」というケーキ屋さんが6年間かけて作り上げた至極のジャム。加熱するとオレンジ色に濁ってしまう青肉メロンの特性をどう解決するか、数え切れないほどの試作を繰り返したそうです。

メロンの果肉をそのまま食べているかのような錯覚してしまうほど、メロンそのものの風味を堪能できるジャム。思わず「これはジャムじゃない!メロンだ!」と無駄に力強く叫んでしまいそうなほどに美味です。

その⑧「骨ぬきうつぼ」

ネーミング選出ポイント:骨を抜かれたうつぼの切なさが心を揺さぶる。THE哀愁。

「うつぼって食べられるんだ!」と思わず唸ってしまう「骨抜きうつぼ」は、ダムなどの人工物が無く、夏は蛍が飛ぶほど手つかずの自然がある徳島県海陽町産のうつぼを、水揚げから1時間以内に捌いて冷凍したもの。

良質な漁場で育ったうつぼは旬の時期には上質な脂がのり、冬場を乗り切るための皮と身の間のコラーゲンも豊富で、調理の仕方によっては鶏肉のような食感とウナギの風味を味わえるそう。写真(右)のようにフライ状態のうつぼを試食してみたところ、確かにウナギのような白身魚系の風味と、プリプリの食感がクセになりそう!

うつぼに骨抜きにされるとは、日本の食材って本当に奥が深いです。

骨になっても威嚇をやめないうつぼ(左)。その猛々しい姿も繊細な皮と身のフライの前では、もはや哀愁しかありません。R.I.P.

その⑨「遠野パドロン」

ネーミング選出ポイント:人気ハーフモデルの名前ようなスタイリッシュさ。

「遠野パドロン」
は、ビールの原料であるホップの一大産地である岩手県遠野市で5年前から生産されている野菜です。原産地のスペインでは、日本の「ししとう」のように素揚げして食べるのが一般的で、稀に紛れている辛いパドロンが当たった人はラッキーと親しまれているそうですが…辛いのに当たってラッキーだなんて、そんな迷惑なラックいらんわ!

試食した編集&ライターも迷惑なラックに怯えつつもその美味しさに手が止まらず、思わず「ビール飲みたい」という取材中らしからぬ言葉が飛び出すほど。枝豆に並ぶビールのお供として、レストランや食卓に登場する日も近いのではないでしょうか。

その⑩「旅のはじまりのビール」

ネーミング選出ポイント:一人旅への憧れを抱く少年時代のようなロマンを感じる。

シメはやっぱりビールでしょ!ということで、満を持しての紹介となるのが、北海道の十勝地方で作られた大麦を小樽ビールの醸造所で製麦・醸造した「旅のはじまりのビール」

地元デザイナーによる洗練されたパッケージ

2016年3月に帯広市にオープンした「ホテルヌプカ」で提供するためのオリジナルビールとして製造された本商品は、数々の奇跡的な出会いが重なり日本国内では極めて稀少な国産大麦100%のビールなのです。

ピルスナータイプの特徴である切れ味と爽快感で、喉越し最高!季節を問わず飲みたい美味しさです。今後、世界に誇れる国産大麦100%のクラフトビールとして、スーパーやコンビニで購入できる日が来るのを楽しみに待ちたい…いや、むしろ「旅のはじまりのビール」を片手に十勝を旅したい!

今回入賞した100選のいくつかは、11月5日(土)・6日(日)東京・丸の内で行われる「JAPAN HARVEST(ジャパン ハーヴェスト)2016」という、これまた美味しそうなイベントで食べられるそうなので、気になった方はチェックしてみてくださいね!

その頃受賞会場では…

Spotlight編集部がネーミング10選を選出し終え、謎の充実感を満喫していた頃、フード・アクション・ニッポンアワード 2016受賞会場では本物の受賞10選の発表が行われました。

受賞者の顔ぶれは…

煌々と光るシャンデリアに負けないほど、眩しく輝く受賞者の皆さんの笑顔!

長い年月をかけて丹精込めて作った食品は、まるで我が子のような存在なのではないでしょうか。

そして見事選ばれた、受賞10選がこちら!

なんと、編集部がネーミングの観点だけで選出した「幻の2日ひじき」・「一福百果 まるごとみかん大福」・「旅のはじまりのビール」が受賞10選に選出されているではありませんか!

ただ選出しただけでさえ、こみ上げてくる喜びがあるのですから、実際に生産・出品された皆さんにとって、何ものにも代えがたい大きな喜びであるのでしょう。入賞された皆さん、そして見事受賞された皆さん、本当におめでとうございます。

今回紹介しきれなかったものも含めて、是非下のボタンから受賞10選をチェックしてみてくださいね。

そして今回、ネーミングの観点から勝手にSpotlight10選を選出した編集部では、ネーミングの由来について会場の生産者の方々にこっそりとお話を伺うことに成功。

そんな気になるネーミングの由来について調査した結果がこちらです。

Q. 商品のネーミングを決めた理由は?

第1位「偉い人が決めた」 51%
第2位「見た目のまま」 31%
第3位「ちょっと分からないです」18%

「ちょっと分からないです」が第3位って、ちょっと驚きを隠せません!

てっきり「従業員全員で何ヶ月もかけて考えた結果」とか、「世界に羽ばたくように」という感動的な名付け理由を聞き出せるかと思いきや、「偉い人が決めた」という説得力しかない回答が半数以上になるとは…。

結果、ネーミングが気になる特産品の名付け由来は、驚きと説得力に満ちていたという結論に至った今回の潜入レポート。

まだまだ奥が深い日本の食材を使った新しい商品で、これからも美味しい発見を届けてもらいたいですね!

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