長年に渡って日本人の心を掴んで離さないバラードのひとつ、中島みゆきさんの『糸』。

人を「糸」に例え、人と人とのめぐり合わせがまた誰か別の人にチカラを与えていくことを歌ったこの曲は、多くのアーティストがカバーし糸を結ぶように歌い継いできました。

清水翔太が歌う『糸』

出典 http://lo.ameba.jp

そんな名曲『糸』ですが、10月16日に、清水翔太さん、井上苑子さん、筧美和子さん、三原勇希さん、菅沼ゆりさん、cahoさんという若いアーティストやタレントたちが歌い繋ぐ動画がスペースシャワーTVのYouTubeチャンネルにて公開されました。

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1番は清水翔太さんのアカペラで、2番からは皆で歌い繋ぐこちらの動画を見た方もいるでしょう。

実はこちらの動画は、移植医療の普及を推進するグリーンリボンキャンペーンのために歌われたものでした。参加している6人は、グリーンリボンキャンペーンの趣旨に賛同したアーティスト・タレントたちなんです。

全国30か所以上に灯るグリーンの光

みなさんは、10月16日が「グリーンリボンデー」だったことを知っていますか?この日、東京タワーをはじめ全国30か所以上のランドマークがグリーンに美しくライトアップされました。

多くの人が様々な場所からグリーンに輝くランドマークを眺めたことと思われますが、それがグリーンリボンキャンペーンの一環だったことを知る人は少ないでしょう。

そして、それを知ったとして、私たちは何を思い考えればよいのでしょうか?

キーワードとなるのは、「意思表示」です。

臓器提供によって救われるいのちはわずか2%

現在、日本には移植待機者が約1万4000人いますが、そのうち臓器提供によっていのちが救われる人は年間約300人と言われています。つまり、約2%。

グリーンリボンキャンペーンではこの数字が100%になることを目指していますが、その前に100%に近づくことを願っているのが、「意思表示」をする人の割合です。

臓器提供の意思表示の方法を知っている人は約80%と言われていますが、臓器を提供するか、しないかを示している人は約13%と決して多いとは言えない数字に留まっています。

そんななか、11月3日にテレビ東京で放送された特別番組『誰かのためにできること』では、臓器提供を受けたレシピエントと、臓器を提供したドナーの家族の“今”が紹介されました。

レシピエントたちの“今”

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番組に登場したこちらの小学3年生の男の子は、生まれながらにして慢性腎不全を患い、医者からも「永くは生きられないかもしれない」と告げられていました。体にチューブを付け、自由に遊ぶこともできない生活が続く中、1年前にドナーが見つかり、腎臓移植手術を受けました。

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移植手術から1年がたち、今ではこうして笑顔で運動をすることもできるようになりました。

お父さんはドナーが見つかったときの気持ちを振り返り、「本当に、“感謝してる”くらいの言葉じゃ足りないほど、本当にありがたいと思いました。それはもう、自分がしたくてもできないことなので」と話していました。

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そして、こちらの女子高校生も、1年前に心臓移植手術を受けたレシピエント。彼女は小さい頃から心臓の病気を患い、移植を受ける前の2年間ほど、心臓へとつながる太い管を体外から付けた状態で生活していました。

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管があるため、自由に動けたのは部屋の中の1メートルほどの範囲だったという2年間を過ごした彼女。移植手術を受けた今、「家族と普通にご飯を食べたり、普通に喋れたりケンカしたりできるのがすごく嬉しい」と話していました。

そんな彼女の夢は管理栄養士になること。

「病気の人でも安心して食べられるご飯を作りたい」

移植手術によって、彼女は希望に満ちた新たな人生を再び歩みだすことができました。

ドナーの家族が思うこと

では、臓器を提供したドナーの家族は、“今”、何を思っているのでしょうか。

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13年前に心筋梗塞のため亡くなったこちらの男性。

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そしてこちらは、そのご家族。奥さんと娘さんです。

奥さんによれば、ご主人は生前からすべての臓器を提供する意思をカードで示していました。その意思を尊重していたことから、娘さんもお父さんの臓器が提供されることに抵抗はなかったといいます。

ただ、奥さんは、ご主人のお母さんのことが気がかりだったそうです。そのときの気持ちについて、こう話していました。

「私が気がかりだったのは、やっぱり主人の母でした。おばあちゃん。やっぱり親の立場からすると、どうなのかなぁっていうのがあったんですよね。

でも、移植コーディネーターの方の説明を受けて、最後に『どうされますか?』って聞かれたときに、おばあちゃんは、『使ってください。息子がお役に立てるのであれば、どうぞお使いください』って言ってくれたんですよ」

そうして臓器提供が決まり、「臓器提供してよかったと思いますか?」と聞かれると、奥さんは“今”の気持ちについて、「そうですね。なんだか、どこかで生きてるっていう思いがあるんですよ」と答えていました。

奥さんがそう感じられるのは、「亡くなった後に自分はどうするか」という“最後の生き方”をご主人がはっきりと示していたからなのかもしれません。

臓器提供の「意思表示」をすることは、亡くなってからも家族にメッセージを送り続けることになる。そう言えるのではないでしょうか。

イエスでもノーでもいい。「意思表示」が社会貢献になる

前述の通り、現在臓器提供を受けられるのは年間約2%。その少ない割合から、「2%のキセキ」とも言われています。

現在では、臓器提供の意思は、運転免許証や健康保険証の裏への記載で簡単に示すことが可能になりました。

グリーンリボンキャンペーンでは、「臓器提供をする」というイエスを求めているのではありません。何より求めているのは、ノーだとしても、意思表示をしてもらうことです。そして、この意思表示はいつでも、そして何度でも変えることができます。自分の意思が変わったらその都度書きかえるだけで良いのです。

意思を示すことがひとつの社会貢献になり、また、未来に誰かと「糸」としてつながっていくことになる。今日から、そんな風に考えてみてはいかがですか。

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