記事提供:日刊SPA!

日刊SPA!では、過去歌舞伎町や池袋、新橋の繁華街に出没するプチぼったくり居酒屋の被害はこれまで何度も紹介してきた。

「完全個室で飲み放題!フードを一品つけるだけでひとり2時間1000円ぽっきりです!」

EXILE風の若者から声をかけられてついて行くと、案内された先ではカーテン一枚で仕切られた狭い空間。

さらにドリンクは薄く、フードも微妙に割高な冷凍食品ばかり。最後はサービス料や席料が上乗せされ、当初想定していた予算をオーバーした額を支払わされる…。

こうしたプチぼったくり被害の実情は、新宿駅南口エリアで流れている嘉門達夫の『ぼったくりイヤイヤ音頭』にも詳しい。

◆キャッチはどんな甘い言葉をささやくのか

だが、ぼったくり条例の施行はもちろん、これだけ警鐘を鳴らしているのに、いまだプチぼったくり居酒屋の被害が絶えないのはなぜなのか。

それは、キャッチたちの言葉が巧みであるからに他ならない。

目の前の酔客をうまく誘導してしまえば、『ぼったくりイヤイヤ音頭』がいくら流れていようがキャッチたちにとってはお構いなしなのだ。

では、彼らはどのようにして繁華街を歩く人たちをプチぼったくり居酒屋に誘うのか。

昨年までプチぼったくり居酒屋のキャッチのバイトをしており、大学を卒業した現在は一般企業で働く戸田良平氏(仮名・男性・24歳)に、彼らが頻繁に口にするプチぼったくり居酒屋の誘い文句を聞いてみた。

◆1:すでに予約してる店があります→「そこの系列なのでご案内します」

「『居酒屋いかがっすか?』と声をかけても『予約している店があるんで大丈夫です』と断られるケースは多いです。それでキャッチが諦めると思ったら大間違い。こう返されたら具体的にどこのお店を予約しているのか聞いてみる。それで、たとえば『◯◯店を予約している』と言われたら『あ、じゃあウチのグループですね!場所は変わっちゃうんですけど、ほとんど同じメニューで、しかもキャッチの僕を通したほうが安いんでご案内しますよ!』と言って、こっちに連れてちゃうんです」

では、すでに客が予約している店はどうするのか。すると、戸田氏から驚くべき答えが返ってきた。

「予約している店に僕が電話をかけて、『19時4名で予約している◯◯ですが、キャンセルします』と言ってかわりにキャンセルしちゃう(笑)。特に、忘年会シーズンの二次会はアツいです。幹事ひとりを説得して向かう予定だった店をキャンセルしちゃえば一回で数万円のバックが入りますから」

戸田氏曰く、キャッチが口にする「系列店です」「同じグループです」はすべて嘘だそう。くれぐれも注意してほしい。

◆2:相席屋に行きます→「ウチのほうが安くて、かわいくて女のコも多いです!」

「最近、歌舞伎町では相席屋に向かおうとする男性客(女性客も)が本当に多いんです。彼ら向けの対策も決まってます。最近の相席屋はどこも混みすぎていて、男性客がすぐに入れることはまずない。だから相席屋のアプリを出して『いまこのへんはどこも満席ですよ』と言って事実を伝える。まあ、本当は空いているときもありますが。それで…」

ここからが戸田氏の悪知恵の働かせどころ。実は最近歌舞伎町では相席屋の類似店が急増している。

「すぐに案内できる店があると言ってキャッチと提携している相席系の居酒屋に連れて行きます。実態はとりあえず男性客を座らせるけど、女性客は来ないことも多いんですが(笑)。どうしても相席屋に行きたいと言って聞かない客には相席屋があくまで暇つぶしできる店なので…と言ってウチの提携店に連れてっちゃいます」

相席屋が混んでいて入れない、さらに女性と飲みたいという男性たちの下心につけこんだ手口だ。

◆3:こっちが予約している店のほうが安いんで…→もともと無料なフードを「特別に無料でつけます」

「声をかえると、『すでに店が決まっている』と嘘をつかれることもあるんです。そのときには店名を聞いて『系列店なので!』と案内しちゃう前述したパターンもありますが、もう一つは料金を聞くパターン。『3000円で飲み放題とフードが5品』と言われたら、こっちは同じコースでさらに無料でフードつけます、と交渉します」

だが、こうした「特別に無料でフードをつける」と口にするときのフード(ポテトやえびせんが多い)は、予め無料で客に提供してもよいと店から言われているもの。決して特別なサービスではないのだ。

ここまで見てきて明らかだが、キャッチが口にする文言はすべてウソ。とにかくついていくなというアドバイスに加えて、このように具体的に口にされる甘言を知っておくことで、より被害を防げるのではないだろうか。

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