「年金を受給できる歳になったけど、保険料を25年以上分納めてないから貰えない」と諦めてしまっていませんか?

無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』の著者・hirokiさんによると、「年金事務所に相談してみると、意外に貰えたりする」とのこと。その理由は、素人はあまり聞き慣れない「カラ期間」というものがあるからだと言うのですが…。

その「カラ期間」についてhirokiさんが詳しく解説してくださっています。

年金受給資格期間が足りない時に助けてくれるカラ期間!

老齢の年金を貰う場合は、普通は年金保険料納めた期間とか免除期間と合わせて、25年以上無いとダメって考えてる人が多いと思います。そりゃそうですよね。

普通は支給開始年齢の3ヶ月前になると事前送付の年金請求書(ターンアラウンドとかターンと呼んでます)が送られてくるもんなんですが、25年に足りてないとかの年金受給資格が無い人には送られてはきません

まあ、一応年金に関するお知らせのハガキは来ますが…加入期間を確認してくださいね~という事で。支給開始年齢になってもどうせ貰えないと思いきや、相談に行ってみると貰えますよっていう事がある。なぜか。それはカラ期間というのがあるから。

年金を貰うためには、年金保険料納付済期間+保険料免除期間+カラ期間≧25年を満たしていれば貰えます。だから、私はあんまり年金納めた事ないけど…という事で年金を貰えないと安易に諦めてはいけません。

まあ来年8月から25年が10年に短縮されて、貰いやすくはなりますが8月からの法改正だから平成29年8月以降しか年金は出ません。だけど今、カラ期間が見つかって25年を満たしていたら年金が貰えるわけです。

例えば60歳から年金をもらえるはずが63歳の時に偶然、カラ期間になるものが見つかったら60歳に遡って年金が貰えるわけです。遡れるのは最大5年まで。5年過ぎると貰える年金が削られていく。

というわけで、今日はその重要な役目を果たすカラ期間についていくつか見ていきましょう!ちなみにカラ期間はその名の通り、カラ(空)期間なので、期間には入るけど年金額には反映しない。

意外に多い!「カラ期間」に該当する期間

ア. 昭和61年3月以前の、厚生年金や共済組合加入者(被用者年金被保険者という)の配偶者(専業主婦とか専業主夫)で、国民年金に任意で加入してなかった期間

もうこれは一番代表的なやつです。ただ、国民年金ができた昭和36年4月以降昭和61年3月までの20歳以上60歳未満の期間で、被用者年金被保険者の配偶者だった期間。

なお、平成26年4月1日からは、国民年金に任意で加入してたけど、未納にしちゃってた所もカラ期間扱いになりました。

イ. 平成3年3月以前の学生だった期間

20歳以上の学生が国民年金の強制加入になったのは平成3年4月からですが、それまでは国民年金に加入してもしなくてもOKでした。つまり任意加入。だから、平成3年3月以前に学生だった期間もカラ期間になります。

ただ、気を付けたいのは昼間学生だった期間のみという事。夜間、定時制、通信制は除かれていて国民年金には強制加入でした。あと、専門学校だった方も気を付けたいですね。

専門学校は元々国民年金に強制加入でしたが、昭和61年4月から任意加入という事になったので、この間任意加入しなかったならカラ期間

ウ. 脱退手当金を受けた期間

この脱退手当金というのは、厚生年金に加入はしたけど、短期間で退職してしまったような人に今まで納めた保険料の一定額を返して年金に加入しなかったものと扱う制度です。今は脱退手当金受けれるのはごく一部の人ですね。

脱退手当金支給要件(日本年金機構)

にしても、昭和61年4月になるまでの厚生年金は原則として20年以上の厚生年金期間がないと、老齢による厚生年金を貰えなかったんです。今は1ヶ月でもあれば厚生年金に結びつきますが。

だから昔は寿退職とかすると、もうその後厚生年金に加入して20年以上なんて、満たす可能性はほとんどないだろうと考えられていた時代なのでこうやって手当金を支給したりしていました。

この脱退手当金の支給の元となった厚生年金加入期間もカラ期間となります。ただし、昭和36年4月1日以降の期間。ア.やイ.と違って20歳前からの期間でも構わない

まあ、脱退手当金はそこまで高い金額でもないし、貰ったのは覚えてない!という人がほとんどですが、年金事務所に聞けば記録としては残っている部分ではあります。ちなみに、昭和61年4月以降に脱退手当金を受けてるとカラ期間にはなりません

永住権をもつ外国人や海外に住んでいた日本人も

エ. 日本人の昭和36年4月以降の20歳から60歳までの海外在住期間

海外在住期間は国民年金に強制加入ではなく任意加入になります。今現在も。任意加入しなかった期間はカラ期間として扱います。なお、昭和61年3月までの海外在住期間は国民年金には任意加入はできず、国民年金に加入出来ない適用除外とされていました。

それでも一応カラ期間になる

オ. 国民年金に加入出来なかった外国人の在日期間

昔は国民年金には国籍要件がありました。でも昭和57年1月までのからは国籍要件が撤廃され、強制加入となりました。

だから、在日外国人の人が国民年金に加入出来なかった間の在日期間で、昭和36年4月1日から昭和56年12月までの20歳以上60歳未満の期間はカラ期間

なお、日本国籍を得た、永住許可を受けた人の在日期間で昭和36年4月から昭和56年12月まではカラ期間

ただ、気を付けたいのは昭和56年12月より前に日本国籍を得るとそこからは国民年金に強制加入になりますが、永住許可を受けた人は昭和56年12月までは適用除外のため、カラ期間として扱う。

例えば、昭和45年に日本国籍を得た人はそこからは国民年金強制加入になりますが、永住権を持っても昭和56年12月までは適用除外としてカラ期間になるだけ。

また、日本国籍や永住許可を受けた人の昭和36年4月以降20歳から60歳未満の海外在住期間もカラ期間として扱う。例えば、昭和36年4月から昭和59年までは外国に住んでたけど、昭和59年に日本国籍を得たら、その外国に住んでた期間はカラ期間

貰えると思っていたのに貰えなかった「逆のケース」も

カ. 昭和61年3月までの、被用者年金等(厚生年金、共済とか恩給)から支給される障害年金の受給権者の配偶者期間

この配偶者期間は任意加入期間になるので、任意加入してないならカラ期間。昭和61年4月からはこの配偶者は国民年金に強制加入。

キ. 昭和61年3月までの被用者年金等(厚生年金や共済、恩給とか)から支給される遺族年金の受給権者だった期間。この遺族年金の受給権者期間は任意加入の期間だったので、任意加入しなかったならカラ期間

ただ、遺族年金でも通算遺族年金(年金証書に年金コード0930と書いてるやつはダメ)みたいな人は対象外。昭和61年4月からは遺族厚生年金とか貰っていても国民年金に強制加入。

ク. 昭和36年3月以前の厚生年金期間

ちょっとコレは気を付けたいところですね。自分も何度かヒヤッとしたカラ期間だから。

昭和36年4月1日以降の年金期間と合わせて1年以上になれば、昭和36年3月以前の厚生年金期間はカラ期間に出来る。

例えば昭和36年3月までに2年間の厚生年金期間がある人で、昭和36年4月以降サラリーマンの配偶者(専業主婦とか)になって、サラリーマンの配偶者としてずっとカラ期間276ヶ月だったとします。

一応、厚生年金期間2年(24ヶ月)とカラ期間276ヶ月で年金を貰うための25年(300ヶ月)を満たしますが、この場合は昭和36年3月以前の厚生年金期間はカラ期間に出来ません

なぜなら、昭和36年3月以前の期間と昭和36年4月以降の期間合わせて1年以上を満たす必要があるので、この2年分の厚生年金を受給するには昭和36年4月以降に国民年金保険料を納めたり、免除期間があったり、被用者年金被保険者期間を作る必要があります。

また、昭和36年3月以前に10ヶ月の厚生年金期間があった場合で、昭和36年4月以降は290ヶ月の国民年金保険料納付期間があったとします。全体としては300ヶ月になってはいますが、この人は年金を貰えません。

この1年に満たない厚生年金期間をカラ期間とするためには、上記と違って同一制度、つまり厚生年金期間をあと2ヶ月作る必要があります。よって、年金を貰うためには、厚生年金にあと2ヶ月加入するか、国民年金にあと10ヶ月加入するかが必要になる。

なお、昭和36年4月以降の期間で既に300ヶ月以上あるなら問題なく昭和36年3月以前の厚生年金は貰えます。

というわけで、よくある例を取り上げましたが、この他にもカラ期間はあります。ただ、その他のはあんまり相談事例としては当たらないなぁ…。まあ、あってもカラ期間が必要無かったとかそんな感じですね…。

年金受給資格が足りない人は年金事務所でもカラ期間の事をまず説明されますが、事前にカラ期間になりそうなものを把握しておくとあとどのくらい年金保険料納めたら年金貰えるのかという話がスムーズです。

その他のカラ期間(日本年金機構)

追記

来年8月から年金を貰うのに必要な期間25年が10年に短縮される事になりますが、この10年はもちろんカラ期間を含めても構いません。つまり、保険料納付済期間+保険料免除期間+カラ期間≧10年という事です。

image by: Wikimedia Commons

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