【1】270万人都市の、強硬手段

ここ10年ほどで急速に増えてきた「給食費の未納問題」。この問題は、給食制度の運営のみならず、学校教育そのものにとっての大きな障害となります。

この給食費未納問題に関して、大きな動きがありました。大阪市が、悪質未納者を対象に、弁護士に委託して未納金回収を始めたのです。

大阪市の活動の特徴としては、

●対象は、支払えるけど支払わない、悪質な保護者。
●法律のプロである弁護士が対応。法的処置も辞さない。
●弁護士は、出来高払い制。多くの未納金を徴収すれば報酬が上がる。

などが挙げられます。今までも督促などは行っていたそうですが、悪質なケースに対しての効果が低いと判断し、今回の対応にレベルアップしたそうです。内容を見るに、かなり本気度が高いと思われます。

【2】義務教育の給食って、無償じゃないの?

この「給食費の未納問題」。特に注目されているのは、公立の小学校や中学校等の「義務教育の現場」です。

義務教育といっても、完全無償ではありません。文部科学省HPよると、無償なのは「授業料」と「教科書代金」のみとのこと。給食費は無償の範囲外です。給食に使われる材料費などは、保護者負担とされています。

文科省の平成26年度調査によれば、給食費の月額平均は、小学校で概ね4300円程度中学校で概ね4900円程度となっています。一ヶ月に20日ほど登校し、昼食に毎回給食を食べたと仮定すれば、一食当たりの金額は200~250円程度と推測できます。

【3】給食費の未納者って、どんな人?

上記の文科省調査が正確だとすれば、かなり良心的な金額で給食を提供していると思われます。が、このお金を納めていない保護者がいます。

これには、大きく分けて二つのパターンがあります。「経済的に困窮し、払いたくても払えない人」と、「払える資力はあるのだが、払いたくないから払わない人」です。

前者の「経済的に困っている人」に関しては、「子供の貧困」として報道され続けており、深刻だと認識されています。

子供の相対的貧困率は1990年代半ば頃からおおむね上昇傾向にあり,平成24(2012)年には16.3%となっている。

子供がいる現役世帯の相対的貧困率は15.1%であり,そのうち,大人が1人の世帯の相対的貧困率が54.6%と,大人が2人以上いる世帯に比べて非常に高い水準となっている。

出典 http://www8.cao.go.jp

内閣府HP掲載「平成27年版 子ども・若者白書」より。相対的貧困率は上昇傾向にあり、およそ5人に1人は貧困となる様子です。ひとり親の場合だと、2人に1人が相対的貧困です。

なお、相対的貧困とは、ザックリ言えば「可処分所得(税金などを払って残った自由に使えるお金)が、全国平均値より下」という状況です。

これに対し、餓死の危険すら発生しかねない貧困(ホームレス等)は、「絶対的貧困」と言います。

この様な「経済的に困っている方」に対しては、行政もサポート体制を敷いています。

滞納者については、生活保護受給世帯には給食費全額が支給され、経済的に困窮している家庭に対しては2分の1(小学生は全額)を支給する制度がある

出典 http://www.sankei.com

上記は大阪市の場合ですが、生活保護世帯だけではなく、それ以外の「経済的に困窮している家庭」にも救いの手が差し伸べられています。

他自治体でも、同様の取り組みを行っている所は多いです。問題を抱えてしまった場合は、先ず役場等に相談する事をお勧めします。

【4】「モンペ」問題

一方、後者の「払えるけれど、何かしらの理由をつけて、意図的に払わない人」が、難しく・大きな問題になっています。

この「払えるんだけど、嫌だから払わない保護者」について考える時、多くの場合は「モンスターペアレント」の話が持ち上がってきます。

「モンスターペアレント」を知らない方がいらっしゃるといけないので、念の為に説明しておきます。「モンスターペアレント」とは、「自己中心的で理不尽な要求をする親」「社会常識が通用せず、対応する側が困る親」の事です。略称は「モンペア」「モンペ」等。

こういった親が絡んでくる確率が高いので、対応がかなり難しくなり、現場への重圧が増します。頭の痛いところです。

もっともひどいのが、給食費を払わない『モンスターたち』だ。教師が給食費を支払うようお願いに行くと、「ちゃんと払うところがあるから、ウチが責められる」「裕福な家庭も普通の家庭も同じ金額というのはおかしい」「義務教育で授業料が無料なのだから給食費もタダにすべきだ」などなど開き直るばかりだった。

出典 http://www.j-cast.com

2015/9/1付け『J-CAST TVウオッチ』より。給食費に関するモンペアの横暴については、テレビ番組などでも度々取り上げられています。

【5】多くの親御さんは、どう思っているのか?

自治体の思いは、各種ニュースから伺う事ができます。不当に支払いを拒否している側の考えも、何となく分かります。

では、当の親御さんたちは、給食費にまつわる問題をどう考えているのでしょうか?。この問いに対して、小学生の子どもを持つ30歳~49歳の母親1000名に調査した結果が公表されています。

●“給食に使う食材は国産品を使うべき”  8割
●“給食における放射能対策に満足”  約半数
●“給食費の滞納を許すべきではない”  9割強
●“給食の試食会を開くべき”  4人に3人

出典 http://www.pal.or.jp

「パルシステム生活協同組合連合会」の調査結果より抜粋。大多数の親御さんは、滞納を許すべきではないと考えている模様です。

【6】まとめ

「払うべきものは、払わなければならない」という事は、至極当然の事です。しかし、悲しいかな「払いたくても払えない」という状況で苦しんでいる方がいらっしゃいます。そんな方を援助してくれる団体や制度は、必ずどこかに存在します。

困った時には相談し、援助を得る為に努力する事は、何も恥ずかしい事ではありません。
一人で抱え込まず、相談窓口へ足を運びましょう。

その一方で、面談や支払い督促に応じない「悪質な滞納者」には、出来高払い制の弁護士を対応させる…という大阪市の対応状況。これは、行政側の「強い覚悟の表れ」だと思われます。

正当な理由も無く、十分な情報交換もせず、ただ我を通したいが為に支払いを拒む…という行動は、そう簡単に通るものではありません。

どちらにせよ、最も困るのは「子供さん自身」です。可愛い子供を泣かせない様に、少しでも早く、できるだけ誠実に対応する事をお勧めします。

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