夢に見たマイホームの購入。

でも、契約を交わしてしまった後で、「本当にこの物件でいいのかな?」と思ってしまった時、どうすればいいのでしょう。

ずっと憧れていたマイホームだけに、その場の勢いで契約してしまい、後で冷静になって考えたときに後悔した、ということもあるかもしれません。

「でも、もう契約してしまったから」

「違約金を払わなきゃいけないの?」

そんな時のために、住宅の「クーリング・オフ制度」について知っておきましょう。

■訪問販売の業者に無理やり!? Iさんの悲劇

数年前、こんなことがありました。

賃貸併用住宅を経営している筆者ですが、ワンルームの部屋を借りてくれていた独身男性のIさんからある日突然、「解約したい」と言われたのです。

「分譲マンションを買ってそちらに引っ越すから」とのことだったので、お祝いの言葉を送ったのですが、ご本人は渋い顔。

よくよく話を聞くと、訪問販売の業者に無理やり買わされた物件だったそうです。

2、3人に囲まれて数時間玄関前で粘られ、人格を否定するような言葉までかけられ、「サインをするしかなかった」というIさん。

新居は職場からも遠く、ローンの支払いを続けられるかについても心配していました。

喜ばしいはずの新居購入なのに、何とも言えない暗い表情……。

とてもいい方だっただけにお気の毒ですが、この契約、「クーリング・オフ制度」をよく知っていれば防ぐことができたかもしれないのです。

■そもそも「クーリング・オフ」って?

「クーリング・オフ」……。言葉は知っているけれど、具体的にどういうものなのかよくわからない、まして住宅に使えるなんて!

と思ったあなた、まずは、「クーリング・オフ」がどんなものなのかを確認しておきましょう。

クーリング・オフとは、「頭を冷やして」よく考えなおそうという意味。

訪問販売や電話勧誘での販売など、「不意打ち的な勧誘」で、冷静な判断ができないまま契約をしてしまったケースに対して、一定期間内であれば無条件で契約を解除することができる制度です。

契約書面(法定書面といいます)を受け取った日から8日の間であれば、契約解除が可能です。

クーリング・オフの通知は、必ず書面で行うこと。

ハガキや封書などに契約年月日、商品名等を記入して、簡易書留のような記録の残る方法で送ってください。

念のため、書面のコピーも忘れずに。

これでクーリング・オフが成立し、契約は解除、支払ったお金は返金される、という仕組みです。

以上が、「特定商取引法」という法律によるクーリング・オフ制度ですが、住宅取引に関する法律にも、同じ制度が設けられています。

■マイホームを契約解除したい!

住宅の取引に関する法律「宅地建物取引業法」では、売主が宅建業者の場合で、「事務所等」以外の場所で売買契約を結んだ場合、クーリング・オフができる、と定められています。

事務所等以外の場所とは、例えば押しかけの訪問販売によって自宅で契約してしまった場合や、仮設小屋での販売を指すそうです。

契約を結んだ「場所」がポイントなんですね。

ちなみに、マンションのモデルルームなどは「仮設小屋」に当たるのでは?

と思われるかもしれませんが、ここでいう仮設小屋とは「土地に定着する建物でないもの」を指すため、これには当たりません。

また、買主の申し出で自宅に来てもらって契約した場合などは、やはりクーリング・オフの対象にはならないのです。

また、「契約をしてしまったけど、違う物件の方がよくなったから契約解除したい」というような場合はどうでしょうか。

このケースは完全に「自己都合」となるため、手付金を放棄する形での契約解除となります。

さらに、もしも売主が所有権を移転するための登記申請などをすでに行っている場合は、手付解除ができません。

売買契約書に定められた「違約金」を支払って契約解除する必要があるのです。

契約をするときは、慎重に行いたいものですね。

■住宅の訪問販売って本当にあるの!?

ところで、住宅の訪問販売なんて本当にあるの? それって合法なの? という疑問も湧きますよね。

訪問販売自体は、違法でもなんでもありません。

ただし、訪問販売をする業者に対して法律で禁止されている事項があり、それを破ると違法となります。

訪問販売をする際、第一声で会社名、目的、商品名をきちんとお客に伝えること。

お客が「契約をしない」と意思表示した場合は、勧誘を続けることや再訪問を禁止。

うその説明、脅す、長時間にわたっての勧誘なども禁止されているので、よく覚えておいてください。



最後に、「住宅の訪問販売なんて本当にあるの?」という方。

Iさんの例だけでなく、つい最近も我がマンションの借主さんの玄関先に、販売業者がやって来たんです!

名刺もくれない、何度も断っているのにしつこく話を続けるなど、上記の禁止事項に抵触する悪質な販売業者でした。

住宅の訪問販売、本当にあるんですね……。



いかがでしたか?

住宅にもクーリング・オフ制度があるとは、少し驚きでしたね。

契約を交わした「場所」がポイントでした。

住宅の売買契約をされるときは、適用されるケースをしっかり頭に入れて、慎重に印鑑を押してくださいね。

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