母乳育児を通して知った、子育ての喜びと悲しみ

現在1歳1ヶ月の娘。今でこそ、毎日笑って子育てできていますが、生まれた当初は、初産のためわからないことだらけで、全てが挑戦の連続でした。

そんな中でも、私が最も悩んだのが、母乳育児についてでした。もともと私は、娘が生まれるまで、母乳派か?ミルク派?なんて、深く考えたことがなかったのです。

一応妊娠中に、雑誌で読んで仕入れた情報として『乳腺がうまく開通するように、おっぱいマッサージはしておいた方がいい!』なんていうことは知っていたので、漠然とやってみたりしてはいたのですが、実際に娘が生まれてくるまで、本当に自分から母乳なんて出るのかしら?などと思いを巡らせるくらいしかできませんでした。

そんな状況のまま、いよいよ出産。娘はとっても元気に、3,770gという立派な体で生まれてきてくれました。そして同時に、私の母乳生活が幕を開けました。

産後の入院中、最初はなかなか乳首をうまく咥えさせることができず、娘を縦にしてみたり、横にして見たり、脇に抱えてみたり、娘は私の体のまわりをぐるぐるぐるぐる…。

母乳、本当に出ているのかしら?ちゃんと飲めているのかしら?と、ベビーベッドとベビースケールの間を1日に何回も行ったり来たり。うーん、20gしか増えてない。あ!60gも増えてる!そんなことばかりで頭がいっぱいのまま、入院生活は終了。

そして退院後。娘が泣くたびにおっぱいを出し、新生児の間、授乳回数は1日に30回に上る日も。

授乳するたびに、左右どちらのおっぱいを、何時何分に、何分間飲んだかをメモ。飲んだ時間から、だいたい飲んだ量はこのくらいだろうと予測値を出す。そして1日の合計値を出す。

今日は少ない…今日は昨日より多い!なんて毎日、おしっことうんちの回数を含めて、細かく細かくメモし続けました。

このメモの習慣は、1歳を超えても続きました。授乳回数と時間。離乳食を食べた時間、食べたもの。うんちの回数。離乳食の量が増えて、授乳回数がだんだん減ってくると、『これでもう少し遠くにおでかけもしやすくなるなー!』なんて考えてみたり。

いつもいつも授乳のことばかり考えて、悩んでいたはずなのに、授乳回数はいつのまにか、お風呂に入った後の1回だけになっていました。

そして、1歳1ヶ月のある日のこと。遊んでいる途中で、立っちしていた娘に「オムツ替えるよー。こっちおいで」と声をかけたら、そのちいさなあんよでとて、とて、と2歩歩いて、私の胸に飛び込んできたのです。

「わー!すごいね!あんよできたじゃない!」私は喜びながらも、1歳検診のときに、助産師さんに言われた言葉を思い出して戸惑っていました。

あんよしたタイミングが、精神的に自立したサインであると…。

そして、その夜。いつもなら、お風呂に入ってパジャマを着ている最中に、おっぱいを欲しがってそわそわし始める娘。ところがその日は、パジャマを着て、そのままおもちゃで遊び始めたのです。結局そのあとも、全くおっぱいを飲まないまま、娘は眠りにつきました。

娘が寝付いてから、私は一人お風呂に入り、これが卒乳なんだ、という思いを噛みしめていました。あんなに悩んで、大変だと思っていたはずの母乳育児。だけどそれでも、結果的に、完全母乳育児を1年1ヶ月続けることができたのです。

これで、大好きなコーヒーも気にせずに飲める!おでかけだって、楽になる!いいことばかりのはずなのに、私の心の中は、大きな穴がぽっかり開いたような、喪失感でいっぱいでした。

娘はもう、赤ちゃんじゃないんだ…。母子一心同体だった時期は、もう終わってしまったんだ…。そう思ったら、涙がほろほろとこぼれてきました。

子供が赤ちゃんでいてくれるのは、本当に一瞬で、子供が自分を必要としてくれる時期も、本当に一瞬で過ぎてしまう。

もっともっと、一回一回の授乳を大切にすれば良かった…。子供が自分にしがみついて、一生懸命におっぱいを飲んでくれている姿を、ちゃんと目に焼き付けておけば良かった…。

娘に突然、突き放されたような、寂しい気持ちに包まれて、涙が止まりませんでした。赤ちゃんでいることを終えて、こどもになった娘。だけどその時期も、きっとあっと言う間に過ぎてしまう。

イタイイタイをしたときに、ママに抱きついて助けを求めてくれるのも、きっとほんのしばらくの間だけ。いつかまた、さらに大きくなって、今日のように突き放される日が来るのだと。

だけどそんな突き放される痛みも、寂しさも、親は子供の成長として喜んで受け入れなければならない。喜ばしい痛みとして。

これからも娘は成長し続けて、つないだ手も離されて、どんどん遠くへ、遠くへと行ってしまうのでしょう。それは娘を育て続ける限り、どうやっても避けられないこと。

だけどそのなかで私にできることは、娘が私のことを、つらいことがあったら戻ってこれる場所と思ってくれるようにすること。いつまでも母という安全基地でいられるように、娘を見守り続けるのだと、心に強く決めた夜でした。

著者:キッカ
一児の女の子のママです(o^^o)
※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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