健康な幼児であれば、平均年齢1~2歳頃からスプーンやフォークを自分の手で使えるようになるものですが、この女の子は足の指にスプーンを挟み、上手に口に運んでいます。

先日10月12日。ロシアのFacebookユーザーによって動画が投稿されてから、再生回数7千100万回以上、シェア数156万越えというほど海外で拡散されている動画をご紹介させていただきます。

両足を使ってご飯を食べる女の子

彼女はお行儀が悪いわけではありません。女の子の両手(肩)に注目してください。

神技?

女の子は両手が欠損している状態で生まれた、いわゆる先天性のもののようです。でも、元気いっぱい!上手に両足の指先を使い、健康な幼児より上手にご飯を食べています。

彼女の障害について、動画やFacebookには何も記載されていませんでした。画像を見た限りでは、おそらく四肢障害(四肢欠損)ではないでしょうか。

四肢障害とは

四肢障害といっても、その症状は人それぞれ違います。その原因は、今の医学ではわからないことがほとんどなのです。ですから、四肢障害をもつ子どもが生まれる確率は少ないけれども、誰にでも起こる可能性があり、特別なことではありません。

出典 http://www.fubonokai1975.net

天使のような可愛い女の子

女の子の名前はVasilina(ヴァジリーナ)ちゃん。モスクワ在住の、母・Elmira (エルマイラ)さんとアメリカ人の父・Chris(クリス)さんご夫妻の養女として育てられています。

出会いは1年前

ヴァジリーナちゃんとの出会いは、今から1年前。孤児院に預けられた赤ちゃんの画像が、インターネットの掲示板に載せられていました。そこには、こんな言葉が添えられていました。

「里親を探しています」

ヴァジリーナちゃんを引き取った当初から、笑顔の絶えない赤ちゃんでした。彼女はすくすくと成長し、いろんな”動き”を覚えるようになりました。

カーペットの上に置いたボタンで動かすおもちゃをつま先で挟み、操作したり移動したりと、まるで手を使うように、器用に足先を動かすのです。

イスラム教徒の家庭に生まれた

エルマイラさんは、バシコルトスタン共和国のイスラム教徒の家庭に生まれました。ロシア西側に隣接するバシコルトスタンは、複数の民族とキリスト教・ユダヤ教・仏教・イスラム教など、さまざまな宗教が混在する共和国です。

バシコルトスタン共和国またはバシキリアは、ロシア連邦を構成する沿ヴォルガ連邦管区に含まれる共和国。 首都はウファ。 面積、143,600km²

出典 https://ja.wikipedia.org

エルマイラさんの家系は熱心なイスラム教徒で、正教会に行くことができませんでした。大学時代に出会ったイギリス人の親友からキリスト教の話を聞いたそうです。

そして、アメリカへ留学する奨学金を高い競争率の中で見事獲得。「おそらく神は、私に学ぶ必要があると教えたのでしょう」、と捉える熱心な信者なのです。

キリスト教徒になった彼女は、多くのチャリティーイベントやボランティアに参加。そんな中、生涯の伴侶となるクリスさんと出会いました。

ふたりはめでたく結婚

熱心なキリスト教徒の夫妻は子どもを養子縁組することを結婚前から決めていました。ひとり目の養子はデニス。5年前に出会いました。クリスさんは当初、デニスのために家族を見つけることを望みました。

1人目の養子・デニス君。

他の子どもを養子に迎え、デニスの兄弟として育てました。夫妻にはすでに3人の子ども(養子)がいました。

デニスを育てる中、7歳の時、”言葉の発達の遅れ”が見つかったようです。彼はひとりでトイレで用を足すことができませんでした。彼にトイレトレーニングを教えるために、学校には通わせず自宅でクリスさんが教育しました。

この教育方針を非難されたこともあったようです。今ではトイレもマスターし、学校にも通っています。

歩くことを覚えた!

ヴァジリーナは歩くことを学びました。次第に手が不自由なことを悟ります。バランスを保つためにファースト・ステップをマスターしました。

養子にしようとは思っていなかった

「はじめはヴァジリーナを養子にしようとは考えていなかった」、とエルマイラさんは語っています。それは、3人の男の子を育てるのに精いっぱいで、障害のある幼い子どもを育てるには体力も忍耐も充分ではないと思ったから。

「私たちは、他の誰かがヴァジリーナを大切に育ててくれることを祈りました」

手があるかどうかなんて、何の違いがあるの?

デニスは妹ができることに賛成でした。彼の意見はこうです。「手があるかどうかなんて、何の違いがあるの?神さまはいつも僕を助けてくれる。手がないことで、神さまは見捨てないよ」

3歳の息子・エイダンも妹を欲しがりました。しかし、ラディクだけは反対。その理由は、やんちゃなデニスが遊び場で騒ぎ出した時、ママの怒りが爆発するんじゃないかと。母親の苦労を子ども心に悟ったようです。彼は人の心にとても敏感で、優しい心の持ち主なのだとか。

「そうなった時は、デニスを止めて僕が説得するから」、とラディク。
「神さまが、そのように(手が欠損していること)作ったんだよ」

「ママ、その女の子がどんな子か見てみようよ」

そして、家族はヴァジリーナの画像を閲覧することに決めました。女の子の画像はたった数分間で家族を虜にしてしまったのです。

「私たちは、彼女を引き取るかどうかは分かりませんでした。しかし、彼女を見た瞬間、『私たちの娘(妹)だ!』、と確信しました」

明るく元気なヴァジリーナちゃん

ジャケットとジーンズに身を包んだヴァジリーナは、エイダンのお気に入りの靴下を引っ張りながら邪魔をします。一方、エイダンはお構いなしにサッカー場へ向かいます。ベビーカーに乗るヴァジリーナは、両脚を振って大喜び。

「なぜ、手足のない子どもが生まれるの?」

エルマイラさんは子育てが忙しい中、時間を見つけてはモスクワ聖書教会を訪れます。彼女は、養子縁組をしている人々のためのコミュニティを作り、自分たち夫婦の体験を多くの人々に共有しています。

その中で、子どもたちにこんな質問をされることがあるといいます。

「なぜ、手足のない子どもが生まれるの?」

悪意のない子どもの質問に、こう答えるのだそう。

「手足がなくても何でもできるから必要ないのよ」

神は間違いを犯すことはありません。手足の存在は人間が生きるためにもっとも重要なことではないことは明らかです。私たちは子どもたちに伝えたい。肝心なことは、

「狂おしいほどに彼らを愛していること」

欧米では養子縁組は一般的で、ハリウッドスターやセレブのみならず、一般人でも養子縁組をしている家族がたくさんいます。

国内ではあまり身近なものではなく、多くは子どもに恵まれないカップルが希望するものだと思われがちですが、海外では自分の子どもがいても、何人もの養子を迎えるケースが多いようです。

筆者は宗教とは縁遠い生活をしていますが、キリスト教の養子縁組の教えは、「天の父の養子とされる(神の子とされる)恵み」、とされています。

国籍や肌の色などは問わず、例え身体の形が他と違っていても、すべて平等に愛すべき存在なのでしょう。

両手が不自由なヴァゼリーナちゃんの姿を見て、「可愛そう...」「気の毒...」、などという情は不要なのでしょうか。母親のエルマイラさんは、ヴァジリーナちゃんを見る周囲の人々の視線や差別を微塵にも感じていないようです。「神が作られたのだ」、と。

ヴァゼリーナちゃんの天使のような笑顔がまぶしいですね。彼女は家族の宝物です。これからも健やかに逞しく成長して行くことでしょう。

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cocon☆hanna このユーザーの他の記事を見る

キャリアカウンセラーの道を目指し、資格取得後オンラインカウンセラーとしてデヴュー。WEBライターとして活動をはじめ7年になります。人に「読まれる・読ませる」ライターを目指しています☆

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