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今、この瞬間も世界のどこかで、同じ国の人間同士で争い、戦争になりかねない緊張状態の国があり、核兵器の研究に余念のない人々がいて、弾道ミサイルの発射実験をする国があります。

自分たち信じた"正義"を掲げ、人と人が武力衝突する。悲しいかな、そこで犠牲になるのは、いつも平和に穏やかに暮らしている無関係な人たち。

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『人類は戦争に休止符を打たなければならない。そうでなければ、戦争が人類に休止符を打つことになろう』ウラジーミル・イリイチ・レーニン

『平和を思うのに死にに行く。それが異常だと気づけない』藤原寛治

『戦争をやって、いがみ合っている国のリーダーをリングの上にみな引っ張ってくるんだ。そうしてトランクス一枚の裸で、徹底的にやらせるという具合にいかないもんかね』チャップリン

多くの偉人が戦争に対し皮肉めいた名言を残しています。戦争を知らない私たち、テレビで見る、報道に現実味はなく。対岸の火事、もしくはゲームのような…今、戦争の残虐性をどこまで伝えるべきか?という議論が巻き起こっています。

仏北西部バイユーで開かれた「バイユー戦争報道特派員賞」というイベントで、インド人写真家、サミ・シバさんが「難民たちが逃れてきた人間扱いされない姿、暴力、その真実を見せずに、彼らを受け入れるべきだと人々を説得できるだろうか?」と述べました。

この発言がきっかけで大きな議論になったのです。人が斬首される写真を、世の中の人々に見せられるか?真実だと受け取るだけではない、心に恐怖を植え付ける、また、面白半分に拡散する人も確実にいるそんなことはできない。

洗脳された子どもたちが人の首を切る、とても暴力的であるまじき姿、力を誇示したい過激派の思うつぼ。人々の心理に深い恐怖心を生む行為をカメラマン自らが手を貸すことになる。

内紛により幼い頃から、異常な環境に気がつかないまま育つ子ども達。人を殺すことも、首を切り落とすことも、そこに疑問を持たないまま大人になる子どもが実際に存在します。もちろん、子どもを育てるのは、周囲の大人。完全に狂っているとしか思えないのですが、彼らには彼らの正義がある。分かり合うことのない正義が。

そんな中で、報道カメラマンたちの撮る写真は、目を背けたくなるものが多く、しかし、それは真実であって…報道の自由、真実を伝えたいとは言うものの…

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戦争だけではありません。「メキシコで最も危険な街」とされるアカプルコ。ギャング抗争に関する展覧会でも、このような議論が巻き起こりました。

ギャングの凄惨な拷問。暴力を受けた女性や子どもの遺体を写真に撮ったカメラマン。しかし、世に出すことができなかったと…。

真実を伝えるべきだ、真実を知りたい、けれど、そこに付きまとう闇は、人間が人間ではなくなった姿、その残虐性、恐怖と悲しみと絶望が私たちの心を覆うのかもしれません。

日本でも、広島県にある原爆資料館で展示されていた写真の一部が展示取り止めになり、ネット上では賛否両論が飛んでいます。残虐性が物語る真実を公開する、それは、正しいのか否か…

この写真は、「戦争の恐怖」という有名な写真、ベトナム戦争の写真として、ピューリッツァー賞を受賞した作品です。とても有名な写真なので目にした方も多いと思います。

9歳の少女の、左腕には火傷、背中の皮膚はめくれ、泣き叫びながら逃げる姿。この写真を撮ったカメラマンのニック・ウットさんは当時19歳。「ああ…神様」と思うばかりだったと回顧していまいた。彼は、この子ども達を病院に運びました。「もうダメだ」と思われた少女も、重症ながら一命を取り止め、今も存命しています。現在2児の母親としてカナダで暮らす彼女は反戦主義者たちのシンボルとなりました。

時代を変えたと言われましたが、この写真も「世の中に公表していいものなのか」という議論がなされたそうです。結果的に、世界中に配信され多くの人々の心を揺さぶりました。

この写真は、「戦争の恐怖」で逃げていたあの少女の現在の姿です。名前はファン・ティー・キム・フックさん。背中の火傷はケロイドになり、その傷跡は、傷んだ皮膚は、今も生々しく残っています。この写真を見て、皆さんは何を感じますか?戦争の悲惨さも十分感じます。しかし、彼女と彼女が抱く息子の穏やかな表情は、とても美しく未来への希望も写し出されているようです。

残虐な写真を公表するだけが、戦争や内紛の悲惨さを、悲劇を伝えるだけではないのかもしれません『戦争の残虐性はどこまで伝えるべきか』という議論。フランス人写真家のパトリック・ショーベルさんは、『すべてを撮影し記録すべきだ「集合的記憶のために、国際刑事裁判所のために、我々は真実としてすべてを撮らなければならない、だが、すべてを報道すべきではない』と言います。

ショッキングな写真だけが戦争の真実を写し出すのではない。報道カメラマンたちは、犠牲になった人々の姿を、個人の倫理観の元、世の中に発表すべきか、否か、判断している方が多いようです。もちろん中に『名声』のみを求めるカメラマンがいることも懸念されています。

今もどこかで爆撃に、機関銃の音に震え怯えている一般市民がいること。そして、残虐ではなくとも、戦争や内紛が物語る、悲しみや、今、死ぬかもしれない恐怖を切り取った一枚の写真が、もし、あなたの心を動かしたのなら、その感情と向き合ってみてはいかがでしょうか。

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