避難勧告

ノースカロライナ州ランバートンを洪水が襲ったとき、ミルドレッド・デービスさんは究極の決断を迫られていました。愛犬はどうするべきかと?

家の前で待っている車には、78歳の母親と彼女の身の回りの物で既にいっぱいになっていました。

「犬を乗せるスペースはどこにもありませんでした。」と娘のティナ・フロイドさんは語りました。

町には避難勧告が発令されていました。

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愛犬のジェーㇰ

父の形見の犬

時間がない。車のスペースもない。ジェイクは連れて行けない。

しかし愛犬のジェイクはペット以上の存在でした。

「私の父は今年4月に他界しました。ジェイクは父の愛犬だったのです。」とデービスさん。

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ノースカロライナ州ランバートンの町を襲った洪水

最悪の展開

でも、もう車には大型犬のジェイクは乗せられません。

苦渋の決断をした家族は、ジェイクを家の一番見えるところで高い場所であるフロントポーチに置いて行く決断をしたました。

「その時はまだ水がどこにも迫っていなかったのです。もし、水が迫ってきていたら、私たちはもっと別の決断をしたことでしょう。」

しかし、その後、物事は最悪の展開を見せました。

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水位はどんどん上昇していきました。

ハリケーン・マシューの影響で洪水に

ハリケーン・マシューをきっかけとして上昇した水位は、堤防を決壊し、ランバートンの町をアッという間にのみ込んでしまいました。

ジェイクの家族は必死でした。

翌日、ティナはボートを持っている友人に母の家に連れて行ってくれと頼みましたが、危険すぎて家に近づくことは不可能でした。

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ランバートンの町はアッという間に水にのみ込まれてしまいました。

FEMA

水位はどんどん上昇していきました。

Federal Emergency Management Agency (FEMA)とボランティアの人々は、逃げ遅れた人たちがいないかと1軒1軒、ドアを叩いて回りました。

そして、たくさんの置いてきぼりにされた犬たちを発見しました。

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救出された犬たち

FEMAとは?

アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁のことです。FEMAは洪水、ハリケーン、竜巻、地震、原子力災害などその他の災害が発生した時に、出動して救出活動や復旧活動などを行う政府機関です。天災にも人災にも対応しています。また、資金面からの支援も行います。

フェイスブック

FEMAは、救助した犬たちの写真を彼らのフェイスブックページに載せて飼い主が名乗り出てくれることを待っています。

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救出した犬たちの写真をFEMAのフェイスブックページで公開

救出

デービス一家も、FEMAのフェイスブックページでジェイクに繋がる情報はないかと毎日探していました。

そして、家族がジェーㇰを家のポーチに置いて避難した2日後に、ジェイクが救出される様子の写真を発見しました。

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救助される犬たちの中にジェイクの姿もありました。

ジェイク

「私の従妹がFEMAのフェイスブックページでジェイクを最初に発見したのです。ジェイクがFEMAの隊員の腕に抱きかかえられて、家から救出されている写真が2枚ありました。それを訊いた時、私は”オーマイゴッド!ジェイクが助けられたわ!”と叫んでいました。」とティナさん。

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ジェイクが救出される様子の写真が見つかりました。

再会

デービス一家は、金曜日にジェイクが保護されていた獣医の所から引き取りました。

「ジェイクは元気でした。ジェイクはグルーミングまでしてもらってました。」とティナさん。

ジェイクは現在、ティナさんの家にいるそうです。(洪水になったのは、ティナさんの母親の家)

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FEMAの Urban Search and Rescueチーム 救助活動のために、ミズーリ州Task Force 1 からノースカロライナ州ランバートンの町に駆け付けました。

救出活動

人々の希望が失われないように、ペットたちは引き続き、1軒1軒捜索が行われ、現在も救出されています。

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人とペットたちの救出活動は続けられています。

出典元

ペット大国日本は、同時に災害大国日本でもある

東日本大震災では、たくさんのペットや家畜たちを置いて避難するしかなく、結果、多くの動物たちが餓死してしまいました。また、一緒に連れて逃げても、避難所に入れなかったり、非難バスの運転手の指示により強制的に山に捨てさせるという事件も発生しました。そして最も悲惨だったのが、福島原発での被災地区のペットや家畜たちでした。

出典 YouTube

ドキュメンタリー映画『zone存在しなかった命』(2013・117分)の予告編です。

熊本地震では、ボランティアや竜之介動物病院の援助もあり、ペットとの避難が可能になった人たちもいましたが、すべてのペットたちが救出されたり、避難所生活ができたわけではありません。それでも、東日本大震災に比べると、ペットたちに対するかなり積極的な支援が行われていました。(注:東日本大震災でもボランティアたちの必死の動物救出劇は行われていました。)

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竜之介動物病院のフェイスブックより

最後に

ハリケーン・マシューの被害は、直撃された時だけでなくその後も影響・被害をもたらしています。まだ正確な被害状況は発表されていませんが、米国に上陸したハリケーンの中では最大規模のものだった可能性もあります。カリブ海の島々を合わせると死者は千人に達しているというロイター通信での報道もありました。

日本が毎年台風の被害に遭うように、米国やカリブではハリケーンの被害が発生しています。その規模は温暖化の影響のせいか年々拡大しているような気がします。

いざという時、ペットをどうするかということを、私たちもちゃんと考えていなければなりませんね。日本は今回の米国のFEMAの救出劇のように、ペットまですぐに救出してくれる国にはまだなっていません。残念ながらそのような国に住んでいるのであれば、自分のペットは自分で守ることが最低限必要になるということを筆者は常に念頭に置いています。

個人でたくさんのペットを飼っていらっしゃる方もいますが、万が一災害時にどうするのかということを考えなければなりません。自分で救出できるだけの数なのかどうか?ということはとても大事です。日本は今、巨大地震の脅威にさらされています。その時に、どうするのか?ということを考え、いざという時のペット同伴での避難準備をいつもちゃんとしておかなければならないと強く感じます。

また今回のお話しでも触れてありますが、米国が災害時に積極的に動物たちを助けているのは、”人々の希望が失われないように”という人間に対する配慮からなのです。飼い主が大切にしているペットを助けることで、災害で家を失ったりダメージを受けて心が折れている飼い主たちの精神状態を助けたい、支援したいという気持ちからなのです。

そして、米国は、このような災害時には、ペットや家畜たちの避難所をすぐに用意します。それも同時に人間を守るために行われている配慮なのです。ペットや家畜たちの行場が無ければ、その飼い主たちも露頭に迷ってしまいます。ペットや家畜を助けることで人間が助かっているという考え方がされているのです。

事実、東日本大地震では、家畜たちを置いきぼりにはできないと、ギリギリまで避難しなかった人や、自殺した人までいましたよね…家畜の避難を積極的に支援していれば、そのようなことはなかったかもしれません。

これは、日本の政府も見習っていただきたいところです。ペットや家畜の避難を積極的に行うことで、その飼い主を助けることになるのだという風に考えられれば、もっと日本の災害後の事情は変わるのではないでしょうか?

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さくらまい このユーザーの他の記事を見る

最後まで読んでいただきありがとうございました。
日本生まれですが、米国に30年間住んでいた米国籍のライターです。2014年に家族で日本に移住してきました。どうぞよろしくお願いします。

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