「悲しいとき~!」「どけどけ〜どけどけ〜!邪魔だ邪魔だ〜!どけどけ〜どけどけ〜!」

この言葉にすぐにピンときた方は、きっと多いはず。そう、ユニークな決め台詞とおどけた身振りでお茶の間をにぎわせた、お笑いコンビ「いつもここから」の人気コントです。

山田一成さん(左)、菊地秀規さん(右)による「いつもここから」は『エンタの神様』をはじめとするネタ番組ブームとともに大人気に!「悲しいとき」はもちろん、バイクに乗った暴走族風の2人が叫びながらあらゆる事柄にツッコミを入れる「ツッコミ暴走族」など、“あるある”と唸らせてくれる“コントの先駆け的存在”だったのではないでしょうか。

ほかにも、NHK Eテレの教育番組「ピタゴラスイッチ」に出演し「アルゴリズムたいそう」が人気を集めているお二人。ですがネタ番組が激減した現在、テレビでネタを披露する姿はあまり見かけなくなってしまいました。

それでもTwitterなどのSNSでは「いつもここからのコントが面白い」というコメントが定期的に上がり続けています。世間に望まれながらもメディア出演が希有な「いつもここから」に、いてもたってもいられなくなったSpotlight編集部は、お二人のもとを直撃!今、どうされているんでしょうか?

前略、“エンタ”でいつも笑いを届けてくれていた「いつもここから」。

今も、お二人のコントを見ることはできますか?

出典Spotlight編集部

「「せ〜のっ、悲しいときー!!」」

ーーうわぁあ!ありがとうございます、一瞬で“エンタ”にハマっていた頃の自分に戻りました…。ブログやTwitterなどをやられているタレントさんが多い中、お二人は一切SNSをされていないので、近況が気になって気になって…。

早速興奮するSpotlight編集部一同の熱意に応えていただき、インタビューだけでなく、お二人のネタ動画を撮影させていただくことに!この記事のラストで撮り下ろしのネタ動画を公開しちゃいます。最後までお楽しみの尽きないインタビュー、スタートです。

「僕らの近況はですね…」

出典Spotlight編集部

山田:最近の僕らの活動としては、「ピタゴラスイッチ」のレギュラー出演のほかには、イベントへのゲスト出演といった地方営業、BSや地方局のテレビ番組出演が主ですね。

地方営業やテレビ出演では、ネタ以外を披露することもありますが「悲しいとき」や「ツッコミ暴走族」といった鉄板ネタをやることがやはり多いです。たとえばパチンコ番組に出たときは、最後にパチンコネタを取り入れた「悲しいとき」を披露しています。

「ピタゴラスイッチ」のお話を最初にいただいたときは驚きましたね。僕らは教育番組に出るキャラじゃないと思っていたので「これはなにかの間違いじゃないのか?」って、お断りしたんですよ(笑)。そうしたら「スーツ姿で無表情で体操を踊ってほしい」ということで、それならやってみてもいいのかなって始めたんです。

菊地:本当、今考えると断るなんて失礼な話だよね。

出典Spotlight編集部

菊地:「ピタゴラスイッチ」に出演するようになってから、子どもに話しかけられることが多くなったんですけど、小さいお子さんは「悲しいとき」を知らないので、僕らのことを「アルゴリズムたいそう」の人たちだと思っている

お笑い芸人としては、ちょっと不思議な感じですね。高校生ぐらいの人でも「悲しいとき」「ツッコミ暴走族」「アルゴリズムたいそう」は別々の人がやっているものだと思っていた、と言われることがあって、それにはビックリしましたね。

山田:「アルゴリズムたいそう」が徐々に人気になってきたという話を聞いて「子どもはこんなので喜ぶんだ」って、また驚きました。こんな不愛想な男2人がただ踊っているだけなのに(笑)

Wikipedeiaに書かれている「バンドのメンバー募集で出会った」の真相

出典Spotlight編集部

(Wikipediaより)
1995年春にバンドのメンバー募集で出会った山田一成菊地秀規の2人が、突如お笑いに目覚めて1996年7月に結成。地道なライブ活動を重ねた後、ネタ見せTV番組に起用されるようになってから、その知名度を一気に上げる。

出典 https://ja.wikipedia.org

菊地:Wikipediaなどに僕らのいろんな情報が載っているので、よくコンビ結成時のことを質問されることがあるんですけども、そこに書いてある「バンドのメンバー募集で出会った」というのは本当です。僕がバンドをやろうとして、音楽雑誌のメンバー募集欄に載っていた電話番号にかけたんですよ。そしたら彼が出たんです。

僕はそもそも漫画家になりたくて上京したんですけど、そんな中でバンドもやりつつ、漫画を描きつつ過ごしていたら、突然「お笑いをやらないか」って言われて。

山田:僕はずっとお笑いをやりたかったんですけど、友だちに「お笑いをやりたい」って言いにくくて。バンドをやりたいっていうと趣味の一環と捉える人もいるけれど「お笑いをやりたい」って言うと、がっつり芸能人を目指していることになるじゃないですか。

なので「なれるわけがない」って言われるのが嫌で、誰にも言ってなかったんです。菊地とバンドを組んだら彼が凄く面白かったんで、“この人になら言えるな”って、意を決して誘いました。ある日、地元のスーパーに爆笑問題さんが営業に来たのを見に行って、その勢いで夜に菊地に電話をして口説いたんです。

出典Spotlight編集部

菊地:バンド活動していた当時も、自然と音楽の話よりお笑いの話の方が多かったですからね。特に「こういう笑いの取り方って嫌だよな」って感覚が一致していたんですよ。

山田:「クラスの人気者にこういうヤツいたけどさぁ…」みたいな愚痴を言ってました(笑)。コンビになった頃、僕はサラリーマンとして営業の仕事をしながら、お笑いの活動をやっていたんですけど、会社には全く言っていなかった。あるときテレビに出演したのを見ていた人が社内にいて「テレビに出てたよね?」って言われてバレた流れです(笑)。

“自分たちがブレなければ、沈んでも再評価してもらえるときがくるんだろうな”

菊地:コンビ名を考えたのは彼なんですけど、いくつかあった候補の中から選んだのは僕なんですよ。“「いつもここから」っていう響きがいいなぁ”と思ったんですよね。

山田“いつも原点を忘れないようにしたい”という意味で付けたんです。その気持ちは今も同じです。自分たちは大ブレイクした記憶はないんですよ。「悲しいとき」など地味にプチブレイクしたことは3回くらいあったけれど、浮き沈みが…。でもそういった浮き沈みには慣れましたね。

菊地:僕らはこれといって出世欲もないしね(笑)。

山田:現状がどうだとか、今後どうしようかとかいうことは、昔さんざん話し尽くしましたし、初めてどん底になったわけでもない。パッと出てパっと沈んだときにもよく2人で話しました。

“自分たちがブレなければ、また評価してもらえるときがくるんだろうな”って思うんですよ。なので、沈んだからってキャラを探して無茶したり、自分の色に合わない芸風を無理に取り入れるということは、しない方がいいんじゃないかなって考えていました。

菊地:そういうことをしなければ、僕たちみたいになれるよって。

山田:いや、今の俺たちみたいになりたい人なんていないでしょ(笑)。

出典Spotlight編集部

“あるあるネタ”をバカにされることもある

山田:「あるあるネタ」ってどうしても評価が低いんですよ。「誰でもできる」とか「あんなの中学生でも考えられる」って言われてしまう。でも僕らがなんでテレビに出られたのか?と振り返れば、「あるあるネタ」を評価していただいたからだと思うので、たとえバカにされたからって止めたらダメだと思うんですよね

菊地:流行り廃りとかよりも“普遍性”を持ったものが好きなところが、僕らの共通しているところなんです。

山田:僕らはミュージシャンのコンサートでも、一番売れたシングル曲をラストナンバーに持ってくる人が好きなんですよ。もう一般的すぎてファンも飽きているような曲を、ちゃんと最後にやってくれる。妙にカッコつけて看板ソングをやらないっていうのは嫌なんですよね。だから僕たちでいう「悲しいとき」は、ずっとやり続けたいと思っています

「通りすがりの人が笑ってくれる」ことを追い求めて

菊地:地方営業は、反応が生々しくて楽しいですねぇ。

山田:売れているときは、なにをやっても笑ってくれるんですけど、今だとウケないときもあるんですよ。だからウケたときは凄く嬉しいんですよね。

昔、お笑いライブのお客さんのためだけにネタを作ることに疑問を抱いて、路上ライブをやってたことがあったんですよ。そうすると、通りすがりのファンでない人が立ち止まって笑ってくれる。そのときの感覚をずっと追い求めているのかもしれません。

「悲しいとき」や「ツッコミ暴走族」以外でも、世に出していないネタがたくさんあるんですよ。テレビにオファーいただくときや地方営業では定番ネタをやっているので披露するときがないんですけど…(笑)。

菊地:ネタはいつも相談しながらやっていますが、彼がライブ直前に腕を骨折したときに僕が勝手にわけの分からない枠組みでコントを考えて…見事にスベりましたね(笑)。やっぱり1人だと暴走しますね。たとえばステージ上に布団が敷いてあって、気に入らないことがあると拗ねて布団に潜り込むネタとかあるんですけど…。

出典Spotlight編集部

菊地:実際「あるあるネタ」だけじゃなくて“コントもちょっとやりたいな”とは思うんですけど「それを世間は僕たちに求めてないだろう」って思っちゃうんですよね。やはり僕たちはこの路線でやっていくしかないなって思います。

山田:僕らが「悲しいとき」で売れたときって、時代的に“同じネタばっかりやっちゃいけない”という空気があったんです。「悲しいときは」は1個のネタとして、毎月のライブは新ネタでやるのが普通でした。なのでコントも作ってたんですけど、今は逆に定番ネタを披露しないとお客さんがガッカリするのかなって思いを持ちますね。

菊地:今でもお互いに「あるあるネタ」をノートにため込んでるんですよ。その中に「悲しいとき」とか「どけどけ」を超えるようなものが…眠ってるかもしれないね。

山田:一度はじけてみようと思って、AV男優のコントを作ったことがあります(笑)。菊地がAV男優で、僕がビデオを見ている男性の設定でした。そういう風にいろいろやってみたら、案外「悲しいとき」を越えるものが出てくるのかもね。

出典Spotlight編集部

ーーネット上で広がっている情報通り、「バンドメンバー募集」が出会いのキッカケだったお二人。サラリーマンの営業職と、漫画家志望者という異なるバックグラウンドを抱えながら引き合い、“お笑い”という舞台に飛び込んだ経緯をユーモアたっぷりに語っていただきました。

さぁ、ここからはお待ちかね!Spotlightのためだけに撮り下ろしをした「悲しいとき」と「かわいいね」のネタ動画を2本続けてお届けします。どうぞ!

【撮り下ろし動画1】「悲しいとき」

出典 YouTube

【撮り下ろし動画2】「かわいいね」

出典 YouTube

豪華2本立て!どちらも私たちが待ち望んでいる「あるあるネタ」のオンパレードですね。

デビューから間もなく人気者になるも「自分たちは大ブレイクしたことはない」と断言していたお二人。それでも浮き沈みや、流行り廃りを意識してスタイルを変えるのではなく、自分たちが有名になれたと感じる「あるあるネタ」を大切に育て続け、“自分たちがブレなければ、沈んでも再評価してもらえるときがくるんだろうな”と語る姿に、グッとくるものが存在していました。

さて、もう1回動画を再生しよっと!

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