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新海誠監督が手掛ける長編アニメーション映画『君の名は。』が公開1か月半を過ぎて、興行収入150億円という映画史上に残る大ヒットを記録しています。海外の映画祭でも評価を得るなど、その人気は国内から国外へと広がりつつあります。

監督が「刺激をうけた人物」とは?

この映画の制作において、新海監督が「とても刺激になった」とコメントする人物がいます。主題歌を担当するRADWIMPSでも、主演を務めた2人でもなく、この映画のプロデュースを手掛けた川村元気さんです。

新海監督「川村さんにとても助けられた」

出典 https://plus.google.com

川村さんは、新海監督が作ってきたストーリーに「いかに観客が楽しめるか」という視点から様々な指摘をし、監督の考えるものがブラッシュアップされていきました。川村さんの存在がこれまでの映画づくりから変化できた理由であると監督はインタビューで話しています。

色々なサジェスチョンをくれるんですよ。脚本を書き進める中で、川村さんが「こことここのピークが離れているけれど重ねたほうがいいと思う」であるとか、「三葉と瀧の入れ替わりは開始15分に収めないと退屈なんじゃない?」とか、構造的な部分で色々なサジェスチョンがありました。これにとても助けられたのが、これまでの映画づくりと最も異なる点だと思います。

出典 http://animeanime.jp

これまでコアなファンに人気のあった新海監督作品を、老若男女が楽しめる極上のエンターテイメント作品へと昇華させた功績には、この川村プロデューサーの手腕もあったと言えます。

『怒り』『何者』…続々と公開される川村プロデュース作品

▼9月公開『怒り』

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日本アカデミー賞をはじめ、その年の国内の映画賞を総ナメにした映画『悪人』のスタッフが再集結して作り上げた作品。松山ケンイチ・妻夫木聡・綾野剛・森山未來など実力派俳優たちが集結している。

▼10月公開『何者』

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『桐嶋、部活やめるってよ』の作者・朝井リョウの小説を映画化。就職活動に悩む大学生を佐藤健、二階堂ふみ、岡田将生、菅田将暉、有村架純らが演じている。

夏に公開した『君の名は。』、この秋公開した『怒り』『何者』をふくめて2016年だけで5作品も企画プロデュースした映画作品が上映されています。

川村さんは制作に憧れて映画会社に入社するも...

日活で働いていた父親の影響で、家にはテレビがなく、小さなころから映画の英才教育を受けてきたという川村さん。学生時代には、ビデオ屋に通い詰めて年500本も映画を見ていたそうです。

大学では自身で映画作りもやっており、「エンターテイメントを作りたい」という思いから、映画会社の東宝に就職しました。しかし、映画制作を夢見た川村さんが配属されたのは大阪の映画館でした。

入社して最初に配属された大阪・ミナミの劇場では、毎日チケットのモギリとパンフレットの販売に追われた。だが、当時の経験は今に活きている。
「劇場に来る観客の姿を2年間見ていて、どこまでいっても映画は『興行』だと実感しました。観客を驚かせ、楽しませる提案をしていかなくてはと

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玉石混交のインターネットから掘り起こした『電車男』

モギリをしながらも、映画の企画書を制作していた川村さん。人気のある小説やマンガは、実績のある先輩たちに取られてしまい、ヒットしそうなネタが見つけられないでいました。そんな26歳のときに注目したのがインターネットの世界です。

まだ当時はインターネットがアンダーグラウンドな世界という認識で、いまのようにネット発のヒット作などは皆無でした。そんななか、「2ちゃんねる」で公開されていたスレッド「電車男」に出会ったのです。

「若輩もいいところだったので、先輩方が目を向けない方向を自分なりに探していました。その過程で『電車男』を見つけたんです。まだ『2ちゃんねる』上のスレッドでしかなかったんでプリントアウトして上司に見せたら、まず『読めない』と言われて(笑)」

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▼映画『電車男』(2005年)

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見方によってはネガティブ志向のオタク人間でしかない主人公の物語を、閉塞感を打ち破りたい青年の成長譚に仕上げたこの映画は大ヒット。興行収入が10億円でヒットといわれる業界で、興行収入37億円を記録し、社会現象にもなりました。

最悪の気分にさせる目的で作った『告白』

いまではミステリ界の人気作家として有名な湊かなえさんのデビュー小説『告白』も、小説がヒットする前から注目し、出版社に映画化のオファーを出していたそうです。けっしてハッピーエンドとは呼べない「イヤミス(読後感の悪いミステリ)」の世界を映画という大衆向けの世界へと、うまく昇華させました。

▼映画『告白』(2010年)

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知っている俳優が出ていて、笑える映画、泣ける映画、みたいな傾向になりがちという状況は確かにあるわけです。まずはそのことを踏まえた上で、でもそんな映画ばかりじゃつまらない、映画館を出たときに最悪の気分になるような映画があってもいいんじゃないかってことで作ったのが『告白』だったわけです。

出典 http://www.cinra.net

中島監督と組んだ『告白』は日本中で話題となり、その年の日本アカデミー賞、ブルーリボン賞など数々の賞を受賞。ハリウッドからリメイクのオファーが殺到しました。

また、この年に公開された映画『悪人』もヒットした川村さんは、その功績から優れた映画製作者におくられる「藤本賞」を史上最年少で受賞しています。

ヒット映画を世に送り出し続けている、川村さん

▼映画『モテキ』(2011年)

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突然の「モテ期」が訪れた冴えない男(森山未來)が女性たちに翻弄される異色の恋愛ドラマ。深夜ドラマでコアな人気があった同作品を映画化。

▼アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)

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『サマーウォーズ』の細田守監督が手掛けたアニメーション映画。ヒロインがおおかみおとこと恋をして結婚し、出産、子育てなどの日々を送る13年間を映し出す。

▼映画『寄生獣』(2014年)

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人体に寄生して人間を食らうパラサイトたちを相手に、高校生が壮絶な戦いを繰り広げるSFサスペンス。1990年代にヒットした人気コミックの映画化作品。

▼アニメ映画『バケモノの子』

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『サマーウォーズ』の細田監督が手掛けるアニメーション映画。人間界とバケモノ界が存在するパラレルワールドを舞台に孤独な少年とバケモノの交流を描く。

▼映画『バクマン』(2015年)

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性格の違う高校生2人がタッグを組み漫画家への道を歩んでいくさまを描く青春ストーリー。週刊少年ジャンプ連載の人気コミックを映画化。

「20歳に向けて映画を作る」

数々のヒット映画を世に送り出してきた川村さん。自身が映画を手掛けるにあたって、「20歳の観客」を意識した作品作りをしている、とインタビューで語っています。

僕は基本的にターゲットを20歳に設定しています。すると少し背伸びした10代の学生から、作品の評判を聞いた20代、30代の社会人まで幅広く見に来る。客層が一番広がるんです。それに20歳くらいのときに見た映画って、すごくその人の中に残ると思うので」

出典 http://wpb.shueisha.co.jp

「10代から20代のころに観た映画というのは、その人の人生に大きな影響を与え、一生ものになる」というのが川村さんの持論です。これは身に覚えがある人も多いのではないでしょうか。川村さん自身も10代のときに観た『時計じかけのオレンジ』や『サイコ』が自身の中に大きく残っていると語っています。

企画はロックフェスの主催者のようなもの

映画を作るにあたって、誰に監督を依頼するのか、俳優のキャスティングは、音楽担当はどうするか、こういったことを決めていくことも企画の仕事のひとつです。自身の仕事を、川村さんは「ロックフェスのオーガナイザーみたいなもの」と考えています。

大切なのはクリエイティブの組み合わせ。よく「自分はロックフェスのオーガナイザーみたいなものだ」なんて言うんですけど、「こんなバンドが集まったら面白いんじゃないか?」という組み合わせまで考えたら、演奏については「任せる」。もちろん、どうしてもダメなら最後は脚本の書き直しだって自分でしますけど、本当は、僕が口を出さなければいけないような状況は失敗なんです。

出典 http://www.saiyo-info.net

映画『君の名は。』では、新海誠監督とRADWIMPSを繋げた張本人が川村さんです。また、映画『バクマン』ではサナカクションに映画音楽のオファーをかけたことでも知られています。

先月公開された映画『怒り』では、原作者から「オーシャンズ11のようなオールスターキャストで」という希望を受けて演技派の人気俳優を多数配置した豪華なキャスティングを実現させています。

こういった監督、俳優、アーティストなどのクリエイティブな化学反応を生み出す仕掛けを最初に作り出すことが川村さんの仕事のキーポイントなのです。今後は、どういった作品が出てくるのか。これからの川村さんの仕事に期待です!

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