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2016年8月8日のビデオメッセージでの天皇陛下の「お気持ち」ご表明を受け、政府は「大嘗祭」を平成30年11月に執り行う方向で検討に入りました。「大嘗祭」とは、天皇陛下から皇太子さまへの皇位継承に伴う重要な儀礼です。

陛下は、このビデオメッセージの中で「2年後には平成30年を迎えます」と語っておられ、在位30年を節目での「生前退位」をご意向をにじませておられました。

実は陛下は6年前にも「生前退位」のご意向を

実は陛下は、今から6年前の平成22年7月22日、皇室の重要事項等への陛下のご相談を受ける場である参与会議で「生前退位」のご意向を示されていた事がわかりました。

当時76歳だった陛下は「80歳までは象徴としての務めを果たしたいと思っている」と述べ「健康上の問題が起きる前に、譲位を考えたい」とご発言されました。その際に日本社会の高齢化にも言及し「皇室も例外ではない」と述べられたといいます。

大正天皇の時に行われた摂政の設置とは?

この時には、参与から「摂政の設置で対応されるのが望ましい」との声が出ましたが、陛下は難色をお示しになり、あくまで「譲位」にこだわっていらしたといいます。

摂政とは天皇が健康を崩して公務を行えなくなった場合には、業務を代行する人(皇太子)が公務を行うことが出来るというもの。つまり天皇陛下は退位することなく、皇太子が代わりに公務を行うということになります。

大正天皇が病気で公務が難しくなった時には、のちの昭和天皇である 裕仁皇太子が大正10年から摂政に就き、大正天皇が亡くなるまでの5年間務めました。しかし側近の日記によると大正天皇は、摂政の設置を拒んでいたといい、作家の保阪正康氏は「裕仁皇太子は『自分が天皇の政務を奪ってしまったのでは』と気に病んでいたのではないか」と推測しています。

また侍従を務めた卜部亮吾氏の日記によると、昭和天皇は病状が悪化した晩年も摂政を置かれることを好まなかったそうです。その為、皇太子(今上天皇)や浩宮さま(現在の皇太子さま)が、摂政や譲位ではなく「公務の臨時代行」をしておられました。

天皇陛下は「公務を全うできる人間が天皇陛下である」事に重きを置いておられるという話もあり、だからこそ「摂政」ではなく「譲位」にこだわっておられるのではという気もします。

そもそも「生前退位」の何が問題なのか?

一般国民の感覚としては「少しでも早くゆっくり休んでいただきたい」「2年後なんて遅くない?なんでそんなに時間がかかるの?」「そもそも、生前退位の何が問題なの?」というのが正直なところ。しかし、これには懸念される様々な問題があるのです。

生前退位は「天皇の政治介入」で憲法違反?

もともと、皇室典範には「生前退位」に関する規定はありません。第4条に「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」とあり、崩御されるまでは在位される事が前提となっていて、ご生前での譲位・退位というものは事実上否定されているのです。

その為、陛下のお望みを叶える為には、皇室典範の改正が必要となります。しかし皇室典範を「天皇陛下の意思によって」改定すると、天皇の国政への関与を禁じている憲法第4条に触れる可能性があるのです。

皇室典範を改正する事による今後への懸念

そもそも皇室典範に「生前退位」に関する規定はないのは偶然ではありません。それは「生前譲位」が可能になった場合に懸念される政治的な問題です。

生前譲位が可能になると、天皇が退位後も上皇や法皇などの地位から政治的な影響力を持つことになる恐れや、逆に本人の意思に反して強制的に天皇が退位させられることも可能になる恐れがあることなどが、指摘されている。

出典 http://blogos.com

つまり、今回しっかりと譲位・退位に関する明確なルールを設けておかないと、今度、天皇陛下の譲位や退位が、政治的に利用されてしまうという可能性が出てくるのです。

そうした懸念が、近い将来、現実に問題化することは考えにくいが、天皇に関する取り決めは国家百年の計にも関わる重い意味を持つ。一度それが可能になれば、何十年、何百年か先の将来に大きな禍根を残すことになる可能性も真剣に考えなければならない。

出典 http://www.videonews.com

譲位・退位後の天皇のお立場

また大きな課題として、陛下の退位後のお立場をどうするのかという問題もあります。現在では天皇は「日本国の象徴」と憲法で規定されているため、新たなお立場でも、歴史に準じて「上皇」というお立場になる場合でも、新たに憲法的な問題が出てくる可能性が多くあります。

また、お住まいはどうするのか、職員の配置はどうするのか、国事行為以外の「公的行為」はどうするのか、検討しなくてはならない事が山のようにあります。

国民の86.6%が生前退位を容認

政府が新たに設置した「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の初会合では、安倍総理大臣が「国家の基本に関わる極めて重要な事柄であり、予断をもつことなく、国民のさまざまな意見を踏まえた提言を取りまとめてほしい」と述べました。

陛下が過去には心臓の冠動脈のバイパス手術、前立腺がんの手術を受けられている事や、今年で82歳になられた事もあり、すでに宮内庁は陛下の負担軽減策を発表しています。

しかし憲法に定められた国事行為や、式典や行事への出席などの公的行為の他にも、プライベートと位置付けられている宮中祭祀などがあり、完全な休日はほとんどないのが現状です。

そのため、天皇陛下の「お気持ち」の表明以降、国民からはお体を心配する声が多く上がっており、共同通信社の世論調査によると、天皇の生前退位を国民の86.6%が容認すると回答しています。

「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」では、今後月に2回程度の会合を開いて、課題や問題点について論点を整理し、2017年春ごろまでに提言を取りまとめ、検討を本格化させることにしています。

筆者個人の意見ですが、速やかに様々な問題が整理され制度が改正される事を祈ると共に、陛下が安心してゆっくりとお過ごしになれる日が早く来る事を期待します。

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