・ブラジルが抱える問題

Licensed by gettyimages ®

皆さんはブラジルと聞くと何を思い浮かべますか。やはり今年行われ日本でも大いに盛り上がったリオデジャネイロオリンピックを想像する方が多いのではないでしょうか。華やかな式典、笑顔あふれる人々が頭によぎります。

しかし、オリンピックイヤーであったブラジル、リオデジャネイロでオリンピック開催直前に衝撃的な事件が起こっていたのをご存知でしょうか。

・ある衝撃的なツイート

Licensed by gettyimages ®

5月25日午前0時を過ぎたころ、30秒の動画を添えてTwitterにある男性がこうつぶやきました。
「奴らはこの子をメチャクチャにした。オレの言ってることがわかるか? それとも分からないか?(笑)」

・「この女は30人の男にヤラれたところだ」

出典 http://veja.abril.com.br

上がTwitterに投稿されたツイートです。(※アカウントは既に停止されています)
動画には裸で意識を失った女性がむき出しのマットレスに寝そべっている姿が写し出されていまいた。
その他に映っている2人の男性はちゃんと服を着ています。彼らは順番に彼女を乱暴に動かしたり嘲ったりしていました。「この女は30人の男にヤラれたところだ」とそのうちの1人が言いました。

「この女の有様を見ろ。血が出てる」

Licensed by gettyimages ®

そしてもう一人の男性が「この女の有様を見ろ。血が出てる」と、明らかに傷ついている性器にカメラを向けながらそういったのです。ぴくりとも動かない彼女の臀部の横に、彼は自分の頭を置き、舌を出して写真を撮りました。

・写真を撮ったときの様子

出典 http://veja.abril.com.br

こちらが女性のそばで舌を出しセルフィー(自撮り写真)を撮った男性です。悪びれる様子はなく楽しそうな姿が写されています。

・これがきっかけで集団レイプが発覚

Licensed by gettyimages ®

このTwitterの投稿がSNSユーザの間でたちまち波紋を呼び、男性たちは警察に逮捕されることとなりました。この投稿がされてから数時間のうちにリオデジャネイロの検察庁には約800の犯人に関する情報が寄せられたといいます。

・16歳の少女に起こった悲劇

Licensed by gettyimages ®

Twitterに投稿したのは20歳のミシェル・ブラシル・ダ・シルバ容疑者でした。
被害にあった少女は、3年間つきあっていたクラスメートのルーカス・ペルドモ・デュアルテロ・サントス容疑者(19)と、彼の家で5月21日午前1時ごろ2人きりで会っていたといいます。

次に彼女に記憶があるのは翌22日に目が覚めたときでした。彼女は裸で意識がもうろうとしており、その時すでに33人の男に囲まれていたといいます。そして、そこは彼女の知らない家だったというのです。

事件が発覚したのは25日ですから、それまでの間彼女は男性たちから恐ろしい体験をさせられていたということになります。

・セルフィーを撮ったのは41歳の男性

Licensed by gettyimages ®

ブラジルの週刊誌「Veja」では、犯行に関与した男性のうち4名の身元について明かされました。
動画を投稿した20歳のシルバ容疑者、同様にこの犯罪映像を広めた18歳のマルセロ・ミランダ・ダ・クルーズ・コレア容疑者、映像に登場した被害者と一緒にセルフィーを撮ったとされるのは41歳のラファエル・アシス・デュアルテ・ベロ容疑者、それから被害者の恋人で、警察が集団強姦に直接関係していると見ているサントス容疑者です。

3年間も付き合っていた恋人がレイプ犯であったなんて驚きを隠せません。また、セルフィーを撮り楽しむような幼稚な行動を41歳の男性がしていたということにも衝撃を受けます。

「彼らはこの女の体をメチャクチャにした hahaha…」

Licensed by gettyimages ®

問題になったシルバ容疑者のツイートには、大量の彼へのリプライがありそれに対してシルバ容疑者が返事を返している姿も見られました。
「彼らはこの女の体をメチャクチャにした hahahahahahahahaha、大勢にヤラれてこの女はズタズタだ」。また、動画を削除しろと言った人に対しては「みんなこの☓☓☓で最悪のものを目にしても、文句を言うな。ただ俺はこの女の映像を投稿して、奴らがくだらない話をしたいだけだ。☓☓☓ … この映像は消さない。不快なら俺をフォローするな」と、動画を投稿したことに対して罪悪感を全く覚えていない内容のリツイートをしていたのです。

この後シルバ容疑者のTwitterアカウントは停止され、Facebookアカウントもオフラインになることとなりました。

・ブラジルが抱える問題

Licensed by gettyimages ®

この事件をきっかけに女性差別に反対するフェミニスト団体が猛抗議する事態となりました。容疑者たちが女性を犯したことを自慢しSNSに投稿する姿、自慢げに見せびらかし、ネット拡散させる思想に対して、許すまじき性差別と性的暴力だと反発したのです。

フェミニストたちにとって、ブラジルが抱える現実は耐えられない状況と言っても過言ではありません。実は、ブラジルは性差別や性的暴力が以前から問題になっている国なのです。

・前日に別の集団レイプ事件が起きていた

Licensed by gettyimages ®

実はこの事件の1日前には、別の少女が集団レイプにあったニュースがブラジルで報道されていました。それは北東部ピアウイ州で17歳の少女が、知り合いの10代少年、5人から被害を受けたとされるものです。

この事実からもわかるように、以前からブラジルではレイプ事件が多く発生していました。ブラジルでは、女性の体には何をやったって許されるというような身勝手な考え方が、根強く残っているのです。

・週末には別の集団強姦事件が

Licensed by gettyimages ®

さらに、この事件が報道された同じ週末に、別の強姦事件が起きたのです。
北東部ピアウイ州のボムヘススという街で17歳の少女が縛られ、口を塞がれた状態で見つかりました。加害者の5人の10代少年は知り合いで、襲撃の夜に集まったと言います。ピアウィ州ではそのちょうど1年前にも同様の悲劇が起き、州内に衝撃が走ったところでした。その事件では、4人の10代の少女が集団強姦され、殴られて崖から投げ捨てら、うち1人は亡くなったという悲惨なモノでした。

・差別発言をする人物が国会議員になる都市

Licensed by gettyimages ®

また、リオデジャネイロではアンチフェミニスト、アンチLGBTの発言を繰り返す人物が人気を高めているという事実がありました。
リオデジャネイロ選出の国会議員ジャイル・バルソナロ氏は2014年に同僚の議員である女性に対して、「彼女はレイプするに値しないので、彼女をレイプすることはない」と発言しました。その後バルソナロ氏は、2014年の選挙でリオデジャネイロで最多得票を集めたのです。

・1日平均13件の強姦事件

Licensed by gettyimages ®

リオデジャネイロでは2014年に4725件、1日平均13件の強姦事件の被害届が出されてるといいます。この驚くべき犯罪発生数は一部の治安の悪い地域に限ったことではなく、国全体で向き合っていかなければならない問題だといいます。
オリンピック開催国でこのような事件が多発しているということをリオデジャネイロ人権委員会も問題視しており、改善しなければならないと考えていました。

・日本では

Licensed by gettyimages ®

ブラジルの衝撃的な事件と国が抱える問題に驚かれた方も多いかと思いますが、日本ではどうでしょうか。
日本は先進国の中でも女性の地位が低いと言われています。米フォーブス誌が発表した「2015年版世界でもっとも権力のある女性100人」に世界各国の女性が選抜された中、日本は0人でした。同じアジア圏では中国、香港、韓国がランクインしています。
レイプ被害はブラジルよりは少ないかもしれませんが、日本にも女性が抱える問題は多くあります。
女性、男性共に平等に幸せに暮らせる社会とはどういった社会のことを指すのでしょうか。そういった意味で、日本も他人事ではないのです。

・いかがでしたか。

Licensed by gettyimages ®

オリンピック開催都市がこういった問題を抱えていることについて、私自身も最近まで知りませんでした。オリンピック開催時は明るい映像がリオから多く届けられていましたが、裏でこういった事件が起きていたのかと思うと同じ女性として胸が痛くなりました。

そしてオリンピックが終わり、各メディアから注目を浴びることが少なくなりました。それにより、遠く離れた日本に住む私たちの耳にブラジルのニュースがさらに入りにくくなりました。本当にそれでいいのでしょうか。

オリンピックがきっかけとなり、ブラジルの社会がより良い方向に進んでいくことを願います。

世界で何が起きているのか事実を知ることはとても大切なことです。相手国に対して出来ることはないか、日本はどうあるべきか、一人一人が考えより良い世界を作っていく努力をしなければならないと考えさせられる出来事でした。

この記事を書いたユーザー

PERUME このユーザーの他の記事を見る

考えさせられる話から面白い話まで…ジャンルにとらわれず自分の心に響いたことを伝えていければと思います。

得意ジャンル
  • 話題
  • 社会問題
  • エンタメ
  • 感動
  • おもしろ
  • ニュース

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス