米・ダラス在住のダニカ・パターソンさんは、ある時、予想もしなかった驚きの写真を目にすることになります。

ダニカさんの友人から送られてきたのは、全く知らない赤の他人の男性のSNSのスクリーンショット。そこには「パパ(写真撮るのはもう)やめてって言われちゃった」というコメントと共に、小さな女の子の写真が投稿されていました。

ごく普通の幸せな日常を切り取った1枚。しかし、それを見たダニカさんは思わず息をのみました。その写真に写っていたのは、4歳になるダニカさんの娘・ブライレちゃんだったのです。

この投稿をしたのは、ローマン・フィゲロという男性。ダニカさん夫婦は、この男性と全く面識はありません。そしてこの男性のSNSに投稿されたブライレちゃんの写真は、その1枚だけではありませんでした。

「僕の娘を見たら、君の家の息子たちはきっとハートを射抜かれちゃうよ」「俺によく似てるだろ?」などのコメントと共に、何枚ものブラレイちゃんの写真が、このローマンという男の娘として投稿されていたのです。

デジタル誘拐とは一体何なのか?

これはインターネット上からダウンロードした他人の子供の写真を「自分の子供」としてSNSに投稿するというもので、「デジタル誘拐」と呼ばれています。「かわいい」などのコメントを得る事や、より多くの「いいね!」を稼ぐために行なわれている場合が多いと言います。

SNSなどで公開されている赤の他人の子供の写真を盗み、妄想の世界での子供の様子や健康、何気無い日常などを盗んだ写真と共に投稿するのです。

現時点では「気持ちが悪い」という事以外の実質的な被害は報告されていませんが、もしも我が子が被害にあったらと考えると、ぞっとしてしまいます。

SNSでは取り締まってはくれないのか?

増えつつある「デジタル誘拐」ですが、本物の保護者から報告があり、本人であると証明された場合にのみ、写真の削除などの対応がある場合がほとんど。つまり「デジタル誘拐」を未然に防ぐ事は難しいのが現状なのです。

ダニカさんの場合も、すでに問題のアカウントが凍結された後だった為、「それ以上は何もできない」という返事だったと言います。

また「デジタル誘拐」だけでなく、SNSに投稿した自分の子供の写真が、勝手に広告として使われていたとして、親がその会社を訴えるという事もありました。この会社は後に、問題の写真を削除しまたが、一度インターネット上にアップされた写真というものは、コピーされて拡散されることも多い為、完全に削除するのは不可能と言われています。

インターネット上にアップしたあなたの子供の写真も、もしかすると、あなたの知らないところで使われ、利用されてしまうかもしれないのです。

SNSに子供の写真を投稿するリスクとは

まず、SNS上に投稿された写真は、誰でも簡単にダウンロードできてしまいます。もしその写真を誰かが勝手に使ったとしても、気がつく事が出来ない場合がほとんどです。また、一度拡散が始まってしまうと、投稿した本人ですらその拡散を止めることはできません。

その写真が何てことない普通の写真だとしても、例えばいかがわしい広告などに使用されてしまえば、一気に拡散されて良からぬイメージがついてしまいます。もしその子供が大人になってそれを目にしてしまったら…その気持ちを想像すると胸が痛みます。

写真から個人情報の特定も可能

さらに恐ろしいのは、その写真から個人情報が特定される可能性があるという事です。背景などから場所を特定される他、一番恐ろしいのはスマホやデジカメなどで撮影した写真に付与されるExifという情報です。

Exifには、撮影日時などの他にも、GPS情報なども付与されています。写真をそのまま投稿すると、実は不特定多数の人たちがそれらの情報を見る事が出来るのです。写真の背景と位置情報を合わせれば、自宅や学校、よく行く公園などを特定することは簡単です。

また、子供の写真を投稿する際に、名前を一緒に載せてしまっていると個人が特定できる可能性が大きくなります。自宅の場所や、子供の名前、そして子供の顔がわかる写真、それらが全て繋がってしまうのです。これはネット上だけでなく、現実社会での誘拐などのリスクにもなってしまいます。

個人を特定されない様にするには

SNSの公開設定を「全体公開」ではなく「友人まで」にしたり、アカウントを鍵アカにしたりする事で、不特定多数に人に見られたり、個人を特定されたりするリスクはぐっと少なくなります。また、子供の顔にモザイクをかけたり、アプリなどで可愛く加工するのも一つの方法です。

出典 http://ameblo.jp

子供たちと一緒の写真を投稿することの多い辻希美さんは、必ずアプリのスタンプなどで可愛く加工した写真を使って顔がわからないようにしています。

出典 http://ameblo.jp

市川海老蔵さんのブログでは、歌舞伎の初お目見えを済ませ、マスコミにも登場している勧玄くんの写真はそのままですが、将来芸能界に入るか、一般人として生きるかわからない麗禾ちゃんの写真は、スタンプや落書き加工などで顔はわからないようにしています。

自分の子供以外にも配慮を

また、自分の子供だけでなく、その写真に一緒に写っている子供や、背景などで写り込んでいる他人への配慮も必要です。いくら家族が気をつけていても、ママ友が勝手に自分の子供と一緒に写った写真をSNSに投稿してしまい、トラブルになるというケースも少なくありません。

中には、子供の写真はSNSに投稿しない事にしているご家族もいます。自分の子供以外が写っている写真を投稿する際は、相手に必ず確認する、背景にいる人を加工して特定できないようにするなどの配慮が必要です。

メリットとデメリットを意識してSNSを楽しみましょう

子供の写真は可愛くて、みんなに見て欲しくなってしまうもの。SNSへの投稿は、子供のアルバム代わりになったり、遠方の家族や友人へ子供の成長を報告できるというメリットもあります。

しかし一方で、デメリットもあることを忘れてはいけません。カメラのGPS情報を記録しないように設定する、写真アプリやSNSの設定ではGPS情報を切る、場所がわかるような背景の写真を使わない、本名やいつも読んでいる呼び名を使わないなど、気をつける様に事で、ある程度リスクを回避する事ができます。

これからの季節、行楽シーズンでイベントも多く、楽しい時間を共有したくてついスグに投稿したくなってしいますが、子供の写真を投稿する前には、ちょっと一息ついて大切なことを確認してから投稿すると良いでしょう。

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