子供を失うことほど母親にとって辛いことはないでしょう。オーストラリアに住むジャシンダ・マスタースンさんは、もうすぐ生まれる予定だった2人目の子供のベビー服を返すために衣料品店「Best and Less」へ家族と行きました。

返品の旨を依頼すると、店側は拒否しました。というのも購入時に使った銀行のカードをジェシカさんが持ち合わせていなかったために、返品の手続きができないということでした。そしてジェシカさんは、なぜ今その銀行のカードを持っていないのか話そうとしてその場に崩れ落ちたのです。

ジャシンダさんは死産のための陣痛を待っていた…

Licensed by gettyimages ®

ジャシンダさんのお腹にいたサミーという男の赤ちゃんは死産だったために、この日は手術をして出産しなければならないという最も辛い日でした。ジャシンダさんと家族は、辛い気持ちを堪えながらも、ジャシンダさんが陣痛を起こし分娩室に入るまでに店に行き、もう使う必要のなくなったサミーのために購入したベビー服の返品を申し出たのです。

死産でサミー君を産んだ後に、小さなベビー服を返しに来なければならないことほど胸が痛むことはないでしょう。だからどうしても、サミー君の顔を見る前に返しておきたい気持ちがジャシンダさんにはありました。

辛い感情が押し寄せてきて、つい店の中で号泣し泣き崩れてしまったジャシンダさんを見たスタッフは、マネジャーに相談。その結果、ジャシンダさんは払い戻しをしてもらえることになりました。

それだけではなく、そのスタッフはジャシンダさんに「サミー君を包んであげる毛布を持って行ってあげてください」と、毛布売り場にジャシンダさんを案内し、ジャシンダさんが選んだ毛布をプレゼントしたのです。

「ジョーさんへ。ありがとう」

出典 https://www.facebook.com

後日、ジャシンダさんは店のスタッフから受けた好意がどれほど嬉しかったかをFacebookに綴りました。

「あなたは私のことを知らないのに、私の亡くなった息子のために毛布を自分のお金で払ってプレゼントしてくれた。毛布は息子に完璧なブルー地に雲が描かれたものだったわ。どれほど感謝しても足りないぐらい。あなたは天使よ。ジョーさん、本当にありがとう。」

「息子はとても心地よさそうだった」

出典 https://www.facebook.com

ジョーさんという一人の店員がしたささやかな親切は、ジャシンダさんの心を溶かし、またジャシンダさんの家族もジョーさんに深く感謝しました。小さなサミー君は、可愛いブルーの毛布にくるまれて、家族と最後の写真を撮りました。「あの子はとても心地よさそうに見えたわ」と話すジャシンダさん。

ジョーさんが思いやりで購入してくれた毛布でサミー君を包んで、ひしと抱きしめるジャシンダさんの目には、涙が溢れ出て止まらなかったことでしょう。

サミー君、安らかに…

出典 https://www.facebook.com

ジャシンダさんは、陣痛が起こりサミー君を産むまでずっとジョーさんがくれた毛布を握りしめていたそうです。「どれだけ心強いと感じたか」とジャシンダさんはジョーさんへの感謝の言葉をFacebookに綴りました。ジャシンダさんのジョーさんへの感謝の気持ちを多くのユーザーがシェアし、涙を流しました。

「ジョーさん、あなたが私にしてくれたことは生涯忘れません。」

Licensed by gettyimages ®

ジャシンダさんの思いはきっとジョーさんに届いているに違いありません。そして今は旅立ってしまったサミー君ですが、確かに、「サミー」という人間はそこに存在したのです。ジャシンダさん家族は、その思いを毛布と共にくるんで大切に生きていくことでしょう。

サミー君、どうか安らかに…。

この記事を書いたユーザー

Mayo このユーザーの他の記事を見る

公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

得意ジャンル
  • 話題
  • 社会問題
  • 動物
  • 海外旅行
  • 育児
  • テレビ
  • カルチャー
  • 美容、健康
  • ファッション
  • 感動
  • コラム
  • おもしろ

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス