最近、マネー関連メディアでは「103万円の壁」や、「配偶者控除」という記事がランキング上位を占めています。

廃止は一旦見送りになりましたが、なぜ「配偶者控除」はここまで理解するのが難しいのか………それはきっと「控除」やら 色々な言葉が難しくて記事を読んでいるうちに頭が痛くなってしまうからではないでしょうか。

ここではできるだけより分かりやすく説明してみましょう。

そもそも「配偶者控除」って?

まず、配偶者控除とは何かというと、「妻の年収が103万円以下であれば夫の税負担が軽くなる制度」です。

これは妻というパートナーを養っている人については、単身者に比べると生活をするのが大変なので、税金の負担を軽くしてあげましょうというもの。(妻と夫が入れ替わっても内容は同じです)

なぜ「年間103万円まで」なのか?

さて、そもそもなぜこんなに中途半端な金額なのでしょうか? この103万円、「38万円+65万円」の足し算の結果なのです。

所得税には、1人あたり38万円の「基礎控除」というものがあります。これはどんな人でも年間38万円までの稼ぎであれば税金がかかりません、という制度です。

一方、65万円の方は何かというと、「給与所得控除」と呼ばれています。こちらは仕事をすれば大体1年でこのくらいの経費がかかるだろうから、その分には税金をかけませんよという制度です。

この給与所得控除は給与によって金額が違い、65万円は最低の金額です。お給料をもらっても、合わせて103万円までなら、所得税の計算のときにプラスマイナス0円にできます。
103万円までならお給料をもらっても税金が掛からない。これは生活が助かりますよね。そこで、年間103万円までなら働くというパート主婦が生まれたのですね。

ここまで読んだ人はだいたい分かってきたかと思いますが、「控除」とは「差し引く」という意味ですが、もっと噛み砕くと、それぞれの納税者にとって税負担がなるべく平等となるように考えられた「配慮」なのです。

配偶者控除が廃止されると困る、本当の理由

配偶者控除廃止についての世論調査では、男女とも約半数の人が賛成としています。配偶者控除廃止「賛成」53%(2016/9/26付日本経済新聞 朝刊 )

配偶者控除が廃止されても、その金額は38万円です。税金をかけるときに年収から引いてもらえるのはありがたいですが、それほど大きな金額ではありません。

それにもし103万円を超えても、超えた人用の「配偶者特別控除」という制度まで別に設けられえているため、妻に重税がかけられて大変といったことにはなりません。

また大企業などでは「配偶者手当」という独自に設けている制度もあります。 それは家族を養う社員に対してお給料に手当を上乗せするものになりますが、その基準を配偶者控除の基準に当てはまる人、としている会社があるのです。

その配偶者手当が月に数万円上乗せされるとなると、妻が103万円より稼ぐことが実は損になってしまう場合もあります。

配偶者手当を見直す企業は増えていますし、もし配偶者控除が廃止されれば、配偶者手当の制度もなくなっていくでしょう。しかし今そんな状況にある家庭では「103万円の壁は破らない」が合理的な選択になっているのです。

いずれにしても、今後は結婚しても夫婦で働く時代になりそうですね。バリバリ働けるスキルはきちんと身に着けておくことが大切なのではないでしょうか。

阿部祐子(あべゆうこ)
出版社勤務(雑誌編集者)を経てフリーに。2009年CFP資格取得。社会、金融、ビジネス系記事、やさしい言葉を使ったファイナンス系の読み物などを手掛けています。

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