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睡眠の質や時間は年齢や体調とともに変化するもの。例えば、高齢になると早朝に目が覚めやすくなるとか、更年期の女性は寝付きが悪くて入眠が遅くなる…ということはよくご存知のはず。

しかし、中高年の男性が以前よりも早寝をするようになるのは“高血圧”が原因かもしれない、ということを知っていましたか? 実は、睡眠と血圧は切っても切れないつながりがあるのです。

夕方頃から早寝してしまう人、心臓病を引き起こす高血圧症に要注意

早寝と高血圧のつながりを明らかにしたのは、広島原爆障害対策協議会研究チーム。40〜60歳の成人2400人を対象に調査したところ、疲れを感じて早く寝る男性は血圧が高い傾向にあることが分かったといいます。

具体的には血圧が高い人の方が、そうでない人と比較して就寝時間が18分早いこと。また、平均睡眠時間が6.2時間で血圧が正常な人とほぼ同じにもかかわらず、入眠するまでの時間が長い傾向があると報告しています。

また、睡眠の質を評価する測定では、血圧が正常な人の方が良質な睡眠がとれていて、血圧が高い人は睡眠の質が悪いことも示したといいます。

この結果に対し、研究者は「高血圧によって疲れやすくなったり、体内時計の乱れによって夕方頃から疲労感が増したりするため、早く寝たいと思う傾向が強くなる。それらが重なると寝付きが悪くなる」と解説しています。

早寝は健康に良い効果をもたらしそうですが、血圧が高いという問題に関しては早寝では解消しないそう。

前述の報告にあるように、そもそも高血圧の人は血圧が正常な人に比べて睡眠の質が低いため、頑張って長めの睡眠時間をとったところで血圧や健康状態全般の改善も期待できず、むしろ疲れを助長することさえあるというのです。しかも、疲労感が強くて夕方頃から早寝してしまう人の場合、心臓病を引き起こす可能性が高い高血圧症であることも考えられるため、注意が必要とのこと。

睡眠不足が高血圧の原因になる

睡眠と血圧は実に密接に関係しており、例えば、眠る前は血圧が下がり、起床後は血圧が上がるという身体の仕組みになっています。また睡眠不足が続くと高血圧になるということは、多くの研究で指摘されています。

Mayo Clinic研究チームは、睡眠の質と量が人の血圧に及ぼす影響を調べるため、健常で平均体重の被験者8人(19~36歳)を、睡眠時間4時間/日のグループと9時間の2つのグループに分け、両方のグループの被験者の血圧を24時間測定しました。血圧の変化を9日間観察したところ、下記のような結果が出ました。

■睡眠時間の短いグループの夜間の血圧…平均115/64mmHg

■睡眠時間の長いグループの夜間の血圧…平均105/57mmHg

※血圧が正常であれば、眠っている間は血圧の数値が最も低くなります。

睡眠時間の短いグループの数値は、睡眠時間が長いグループよりも高く、夜間高血圧と診断されるボーダーラインの120/70mmHg以上という数値に近くなっています。つまり、睡眠不足が高血圧の要因になることを示唆しているのです。また、心拍数の数値も、睡眠時間が短いグループの方が高いことがわかったといいます。

“疲れやすさ”も高血圧の症状の一つ!

前述のとおり、睡眠と血圧は密接に関係しており、寝不足だったり高血圧だったりすると大きな病気を招く可能性が高いことがお分かりいただけたかと思います。

最近疲れを感じやすく、早寝になっているという人は、一度自分の血圧を測ってみるか、検診を受けた方が良いかもしれません。高血圧は自覚しにくいため、定期的に血圧を測ることをおすすめします。

≪それにしても眠すぎる…のは睡眠の質が悪いからかも!≫
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薬を使わない高血圧治療がある!

では、すでに高血圧の場合はどうすればよいのでしょうか。

Nature Cureの栄養学者、ナット・ホーズ氏は、「薬を使わずに血圧を下げる方法がある」といいます。それは日光を使った方法。なんでも、日光を浴びることで、血管を弛緩させると考えられる一酸化炭素が皮膚細胞に放出され、血圧を下げるというのです。

英国のサウサンプトン大学が行った研究では、24人の被験者を2つのグループに分け、1つのグループには紫外線ライト、もう片方のグループには紫外線をブロックしたライトを20分照射しました。すると、紫外線を含むライトを当てたグループの方が、血圧が2〜5mmHg下がったといいます。

この数字は、「脳卒中の発症リスクなら10%、心臓発作のリスクなら7%の低下に匹敵する」と研究者は述べています(※3)。

日光が血圧に影響するというのは、信憑性がありそうですね。

高血圧を長期間放置しておくと、心肥大、心筋梗塞、狭心症など心臓病の原因にもなります。

「たかが寝不足」「たかが血圧高め」と侮らず、睡眠不足と高血圧をきちんと予防すること。これは疲れにくい身体を保つことにもなるので、まずは、なるべく日光浴をするという簡単な健康管理法から始めてみてはいかがでしょうか。

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