記事提供:CIRCL

根拠はないのにやけに自信があるときは、なにかと成功するという経験はないだろうか。気のせいと思いきや、あながち偶然でもないようだ。

イギリスで行われたある研究によると、「自分は必ずうまくいく」「今回は調子がいいから良い結果を出せる」などと自分に声かけをしたり、成功している自分を想像したりすると、集中力を必要とするタスクでより高い結果を残すことが分かったのだ。

心理テクニックを身に付ければ集中力は向上する?

イギリス、ウルヴァーハンプトン大学をはじめとする共同研究チームは、集中力を必要とするタスクにおいて、心理テクニックのオンライン学習がパフォーマンスの向上につながるかを調査した。

ネット上で集められた16~91歳の男女約4万4000人は、スキル学習前、1回目のスキル学習後、2回目のスキルの学習後という順序で「コンセントレーショングリッド」というタスクを含む練習を合計4回行った。

このタスクは、6行×6列のグリッドの中にランダムに配置された1~36の数字を、小さい順からクリックしていくというもので(※1)、主にアスリートの集中力を鍛えるために使用される。

また、タスク開始前には心理状態の維持に、終了時にはタスク中の集中力を維持するのにどれだけ努力したかについて、アンケートに答えてもらった。

ランダムに13組のチームに分けられた参加者たちのうち12組は、「今回はもっと早く反応できる」と自分に声をかける、ベストスコアをたたき出す自分をイメージするなど、それぞれ別の心理テクニックを学んだが、13組目はタスクについての指示のみを受けた。

成功する自分を強く信じる

実験の結果、心理テクニックを学んだチームのタスク終了タイムは大きく縮まった。練習後とスキル学習前に測定したときと比べて、1回目のスキル学習後には約7.2%、2回目の学習後には約8.9%も早くタスクを終わらせられたのだ(※1)。

効果があると認められた心理テクニックは以下の4つだった。

・「今回はもっと早く反応できる」という自分への声かけ
・「自己ベストをたたき出せる」という自分への声かけ
・タスク中に前回よりも早く反応している自分を想像する
・自己ベストを出した自分を想像する

自己暗示の効果

今も学ばれ続けている心理学の理論「自己充足的予言」を発表した社会学者のロバート・K・マートンは、こんな言葉を残している。

「人がある出来事を現実だと定めれば、結果的にそれらは現実となる(※2)」

この理論を簡単に説明すると、自分が信じることが「本当」のことだと思うことができれば、それはかなうということだ。おとぎ話のようにも聞こえるが決してそうではない。

特定の結果が起こることを強く期待すると、それに合わせるように自分の行動が自然に変化し(※3)、最終的に結果そのものが変わるのだ。今回の実験で、自己ベストを出す自分を想像したりそれを口に出したりすることで、実際に自己ベストを出す自分を実現し得たのは、こういうことなのだろう。

頑張ってもなぜかうまくいかないとき、成功することを心のどこかで疑っているのかもしれない。もし、そんなネガティブな自分に気付いたなら、望む未来を手にする自分を強く想像し、まずはこうつぶやくといいだろう。「自分ならやれる」と。

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