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10月期オリジナルドラマ『砂の塔~知りすぎた隣人』に出演する菅野美穂 (C)ORICON NewS inc.

ここ数年、マンガや小説の原作ありきのドラマ、いわゆる“実写化ドラマ”がすっかり定着しているが、10月期ドラマを見ると、実写化ドラマはオリジナルドラマの約3分1。

ちなみに、7月期の実写化ドラマの本数はオリジナルドラマを上回っていたが、最後まで好成績だった『家売るオンナ』(日本テレビ系)はオリジナルドラマ。

今年で言えば、『世界一難しい恋』(同)や『99.9‐刑事専門弁護士‐』(TBS系)などもオリジナルドラマだった。ここにきて、オリジナルドラマの勢いが増してきている。

視聴率の安定狙い増加した実写化ドラマ 再現の難しさに制作側も疲弊

実写化ドラマが増えてきた背景には、単純にリスク回避がある。マンガでも小説でも人気作品を原作とすれば、ファンも取り込めるし、そもそもがヒット作品だけに内容の面白さは保証済み。少なくともドラマへの関心がゼロになることはない。

ただ一方で、原作の世界観を損なったり、ファンの期待を裏切ったりした場合は、それ相応の反発、場合によっては酷評をも覚悟しなければならない。さらには出演した役者たちにも矛先が向かう可能性があり、それなりのリスクがともなうことも事実なのである。

「確かにそうした“実写化バッシング”に、制作側も疲弊しているという一面があることは否めません。それに実写化に適した作品も、そろそろ見当たらなくなってきたという現実もあり、局側も実写化頼みの現状には限界を感じているようですね。

そこでようやく、最近は若手プロデューサーを起用するなどの流れも出てきて、それを受けた若い世代が気概を持って、“自分たちで作品を作り出そう”としているようです」(ドラマ制作会社スタッフ)

若手プロデューサーが原点回帰 高まる“新しいもの”への期待

『レンタル救世主』の沢村一樹

実際、NHKの大河ドラマ『真田丸』は、デスク格のプロデューサーに30代の社員を抜擢。3DCGマップを取り入れるなど、今までの時代劇にはなかった演出が視聴者にも好感を持って迎えられているようだ。

この『真田丸』にしても、実は原作なしのオリジナル作品であるからこそ、今までにはなかった徳川家康像を描けたり、主人公に勝るとも劣らない存在感を放つ主人公の父・真田昌幸を演じる草刈正雄の演技にも、注目が集まるとも言える。

「当たり前ですが、オリジナルドラマに既存の原作がありません。つまりストーリー展開やオチがわからないぶん、ネタバレもないし、その時々に見合った旬のネタを入れ込むこともできます。

脚本家の個性が強く出すぎるキライはありますが、次回放送分への視聴者の期待、ワクワクドキドキ感は増しますね。言ってみれば、オリジナルドラマはドラマの“基本”に立ち戻ることができるんです」(前出・スタッフ)

実写化ドラマの氾濫が、結果的にオリジナルドラマの復権につながったというのも興味深いが、視聴者にとってみれば、“筋書き”のないドラマの展開は確かにスリリング。原点回帰して“新しいものを作り出そう”という若手プロデューサーの気概がこもった10月期ドラマのそれぞれの“オリジナリティ”に期待したいところである。

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