記事提供:小島慶子オフィシャルブログ


昨夜はスマホをにらんで怒りながら泣いていました。

明け方まで寝つけませんでした。

昨年末に自ら命を絶って、労災と認定された女性のことをずっと考えていました。

いつまでこんなことが続くんだろう。

24時間闘えますか?ジャパニーズ・ビジネスマーン!なんてCMがウケてた頃からずっと、

何にも変わらないばかりかもっとひどくなってる。


その頃と同じか、それ以上に働いても男性の年収は減って、

家計のために共働きしようにも女性が働くのはまだまだ厳しい。

保育園には入れないしマタハラが横行。

男が子育てで早く帰る?はあ?カミさんの尻に敷かれてんの?仕事なめてんの?

そんな世の中


亡くなった彼女は、いま日本で働く人が味わっている理不尽さを全部負わされていた。

寝られない、休めない、ひどいことを言われる。

「でも、そんなの社会人なら当たり前だろ?甘えんなよ。」


加えて


「女の子なんだから、可愛くしてろよ、女子力足りないよ。」

これ、男VS女じゃない。性別じゃなくて、価値観の問題。

人を人とも思わず、非人間的な働き方や差別的なコミュニケーションを当たり前だと思っている人たちと

それを押し付けられて、ボロボロになって、それでも声をあげる場所もなく、自分を責めてしまう人たちとの

すごく、すごく理不尽な関係なんだ。


亡くなった彼女のように、気力体力の限界まで働いて、

ダメ出しされて、セクハラや、パワハラされて

「女子らしくしろよ」とか、「新人らしくしろよ」とか、「男らしくねえぞ」とか

罵倒されてる人は、日本中にいる。

日本中に。

あの満員電車の、ぎゅう詰めの、しーんとした車内に充満しているのは

怒りだよ。

私は制服を着て6年間、毎朝痴漢と闘いながらあの怒りを吸って大人になった。

あの大人たちの無言の怒りと恨みは、いまも日本の空気の中に、吐き出されては吸われ、吐き出されては吸われ、

濃縮されて、暴力的なはけ口を探している。

ねえ、こんな世の中おかしいよ。

うんざりだよ。

滅私奉公の企業戦士こそ、あるべき姿!

理不尽さに耐えハラスメントにめげず人生まるごと差し出して無理難題が日常茶飯事の過酷な組織のルールに適応するのが有能さの証し!

男は男らしく!

女は女子らしく!


ねえそれ、誰のための「あるべき、らしさ」なの?

それで私たち、幸せになってる?


働きながら、生きる喜びを感じ、大事な人と暮らし、人生を楽しむっていう、

ささやかな、当たり前のことが、なんでこんなに難しいの?


そんな世の中、絶対に間違ってる。

子どもの頃から、それは始まってるよ。


弱音を吐くのは悪いことです。空気を読みましょう。意味不明でも大人に言われた通りにやるのが正しいことです。


部活も体育会の活動だって、健全な克己心を養い、生きることを楽しむためじゃなくて、

理不尽なことを言われても従順に働く兵士になるための訓練になってない?


そうやって子どもの頃から、

ひどいことされても、我慢するのがえらい、「おかしい」って声をあげるのは大人げないよ、そんなのイタい、物分りの悪い人がすることだよ、

って、刷り込まれてない?

子供は、大人が見たいような子どもらしく。

男は、会社に尽くす企業戦士らしく。

女は、可愛い女の子らしく。

じゃなけりゃ、夫に尽くす妻らしく。

あるいは、完全無欠の母らしく。

全方位からのダメ出し、匿名でガス抜き。


ねえそれってさ、そのあるべき正しさって、

誰のためよ。

誰がそれを「よし、いいぞ」って満足げに眺めてるの?


私たちは人間です。

ひとりひとり、一度きりの人生を生きて、

ささやかな、かけがえのない喜びや悲しみを全身全霊で生きているひとりの人間です。

それがないがしろにされる

働き方や、教育や、「常識」や、「あるべき姿」なんて、

まっぴらだ。


毎年およそ25000人もの人が、自ら命を絶つ国。

何かが絶対に、間違ってる。


もう空気を読まずに、言っていいと思うの

「こんなのおかしい!」

ってね。

隣人にダメ出しするんじゃなくて、手を取り合って、

私はそういう社会に生きたい。

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