○○派論争というのは、小学校高学年の頃に初めて盛んに行われるものだと思われる。
知恵と社会性が身につき、自分の意思で好きなものを見つけると、こだわりもより強くなる。そこから生まれる派閥同士の意見、それらを戦わせることに愉しみを覚えはじめるのだ。

とは言ってもそこは小学生。「剛くん派VS光一くん派」のように、身近なエンタメものを扱う。そしてその代表と言えば「りぼん派VSなかよし派」だろう。(男子は「コロコロ派VSボンボン派」か)

今回ご紹介するのはその「りぼん」作品のアニメテーマソング作品内のイケメンが初恋だった人、恋敵同志のふたりでどっちの方がカッコイイか論争した人。共に懐かしみながら辿っていきたい。

あの時、あの曲。

#21 学校では教えてくれない恋愛の教科書!?懐かしの「りぼんアニメ」名曲5選

1. 姫ちゃんのリボン「笑顔のゲンキ / SMAP」

いけいけ ゴーゴー ジャーンプ!」でおなじみの『姫ちゃんのリボン』。水沢めぐみ原作で1990年から1994年まで連載、アニメは1992年から放送され一大ブームとなった。作中に使われるリボンやハートタクト、羽根ペンなど魔法のアイテムのおもちゃが売れに売れ、その他関連商品も含めて多くの子どもたちの心を掴んだ。

笑顔のゲンキ』はSMAPの5枚目シングルとしてアニメのオープニングを飾り、カップリングの『ブラブラさせて』もエンディングテーマとして人気となった。歌詞の内容は、姫子の周囲を元気にさせる明るい性格にリンクする点が多くあり、『姫リボ』と言えば『笑顔のゲンキ』と連想させるところがある。

劇伴界の大御所、川井憲次によるBGMも評価が高い。特にサントラ盤「姫ちゃんのリボン 音楽篇」にも収録されている「おまたせ!」や「廃屋のひみつ」はワイドショーや旅番組、動物番組で現在も使われており、各番組にポップな色彩を添えている。今あらためてBGMを意識してアニメを見返せば、また違った趣を感じ取れるはずだ。

2. 赤ずきんチャチャ「君色思い / SMAP」

ハイテンションとシュールさが混然としたギャグが魅力の『赤ずきんチャチャ』。彩花みん原作で1994年にアニメ化がされた。

アニメ制作にあたり、メインスポンサーであったタカラの意向で玩具化できるアイテムを作り出すため、原作から大胆な改変がされた。異例のアニメオリジナル展開として「マジカルプリンセス」にチャチャが変身することを筆頭に、ファンは驚かされることが多かった。しかし丁寧な脚本づくりと演出はもちろん、彩花みん本人が好意的だったこともあり「成功をおさめた改変だった」と振り返る人が多い。

君色思い』はSMAPの11枚目シングル。「$10」「KANSHAして」「青いイナズマ」などの林田健司の楽曲をカヴァーする中で唯一、林田から提供された曲である。

歌い出しを中居正広が担当することで知られている曲でもあるが、アニメでは全員で歌うサビを導入に2番の歌詞が歌われている。また、主題歌の歌唱だけでなくメインキャラクターであるリーヤの声優を香取慎吾が務めたことも特筆すべきだろう。姫リボで姫子が憧れる先輩、支倉浩一を演じた草彅剛の比較的平坦な演技はご愛嬌といったものであったが、リーヤの演技は一定以上の評価がされている。

90年代前半からSMAPの歌に演技にバラエティにと幅広い活動を積極的にした中でも難易度の高い挑戦だったと言えるだろう。

3. ちびまる子ちゃん「おどるポンポコリン / B.B.QUEENS」

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こちらより『おどるポンポコリン』が一部視聴できます)

国民的アニメにも数えられる人気作品『ちびまる子ちゃん』。1986年から1996年にかけて「りぼん」に連載され、1990年の年明けから第一期の放送をスタート。2016年で放送26周年を迎えている。それぞれの強烈な個性を持つキャラクターと、キートン山田のナレーションをモノマネした、なんなら今もしているという人も多いはず。

1990年の10月28日の放送で出した視聴率は39.9%。これはテレビアニメ界で歴代1位の記録であり、未だに破られていない。

『おどるポンポコリン』は1990年4月に、コミックソングの流行とCDプレイヤーの普及という勢いに乗ったベストタイミングで発売され、164,4万枚(オリコン調べ)の大ヒットとなった。ヒットソングメーカーで知られる織田哲郎が作曲を手がけ、原作者であるさくらももこが作詞を担当した。

2011年には、原作連載25周年を記念して『おどるポンポコリン〜ちびまる子ちゃん 誕生 25th Version〜』を発売。さかのぼって1998年にはManaKana&泉谷しげるによってカバーされ当時のオープニングテーマとなった。

2014年にはE-girlsが、2016年にはゴールデンボンバーもカバー
し、世間を驚かせた。オリジナルを聴いて育った世代からは否定的な意見もあるが、26年ものあいだ旬な歌手によって歌い継がれるというのはたいへん素晴らしいことであり、音楽としてひとつの理想でもあるだろう。

4. ママレード・ボーイ「笑顔に会いたい / 濱田理恵」

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(こちらより『笑顔に会いたい』が一部視聴できます)

だっけっどっ 気にっなるっ」の歌い出しが印象的な、アニメ『ママレード・ボーイ』のオープニング主題歌。「気になっていた男子が出てくる夢の途中で目覚めてしまう少女が、遅刻ギリギリなことに気付き大慌て」という王道な導入から、焦げかけのトーストとママレードジャムの甘苦さに一筋縄でいかない恋愛をリンクさせる内容だ。本アニメのエンディング曲や挿入歌の作詞を手がけた柚木美祐のテクニックが少女たちの心を掴んでいたようだ。

また少女に限らず、お笑い芸人のケンドーコバヤシも心を掴まれたひとり。自身の出演する番組などで当曲の傾聴すべきポイントをモノマネを交えて説明する様が、懐かしさと面白さ半々で、ここ10年ほど笑いを誘っている。

『ママレード・ボーイ』は毎週日曜日8時30分~9時00分の放送にもかかわらず、オープニングでの光希と遊のキスシーンが驚くほど長かった。テレビの前の少女たちはもちろん、親たちもハラハラしたことだろう。

思い返してみると、複雑な家庭の事情や先生との禁断の恋愛、顔はカッコイイけど意地悪な男の子、眠ったフリをしていたらキスされてしまうなどの少女漫画あるあるがふんだんに盛り込まれている作品であった。その一方で「友情・努力・勝利」の3大原則でおなじみの週刊少年ジャンプに夢中だった少年たち。彼らと比べておマセな娘たちが多かったのも納得してしまう。

5. こどものおもちゃ「ウルトラ・リラックス / 篠原ともえ」

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(こちらより『ウルトラ・リラックス』が一部視聴できます)

「こどちゃ」の呼称で幅広く知られる『こどものおもちゃ』。当時の篠原ともえのハイテンションっぷりがアニメを飾るにぴったりな楽曲『ウルトラ・リラックス』はTOKIO「19時のニュース」に次ぐ2代目オープニングテーマだ。

ハイテンションがぴったりと述べたが、日常シーンとシリアスシーンの温度差はとても大きい。当時の社会問題を扱う部分も多く、普段から底抜けに明るい主人公の紗南がシリアスシーンでふと真面目な顔になる。その緩急は子供たちをぐっと作品世界に引き込ませていた。

また、基本的にストーリーに直接関与せず、画面上のドタバタにツッコミを入れるキャラクター「ばびっと」の役割も90年代アニメ史で語るべき点だ。いわゆる「メタ発言」と呼ばれるもので、視聴者目線の代弁をしつつストーリーを進行するキャラは、後にも児童書を原作とするアニメ「はれときどきぶた」にも用いられている。

主題歌以外に劇伴もまた魅力のこどちゃ。MISIAの「Everything」や中島美嘉の「STARS」などを手がけ有名となった編曲家の冨田恵一がその何年も前、こどちゃの挿入歌などを除くほとんどのBGMを作曲していた。ハイセンスでありながらキャッチ―なメロディはたいへん耳なじみがよく、中でも「SANA SAMBA」は今でも聴けば一瞬であの頃にタイムスリップさせてくれる。当時見ていた雰囲気をまるっと思い出すのに今、サウンドトラックに注目し聴き直すのも趣があるはずだ。

今回紹介したりぼんアニメの原作は、そのどれにも続編が作られている。かつて読者だったけど続編は追っていないという方もチェックしてみるのも良いかもしれない。

また現在は電子書籍で読み直す人も多いようで、ここまで読んで「やっぱり原作が至高!」と思う人も多いはず。ベッドの上で「りぼん」や各単行本を読みふけったあの頃のようにタブレットを撫でる大人のあなたは、読み直してどんな感想を抱くだろう。

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Spotlight編集部 なーろ このユーザーの他の記事を見る

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