記事提供:日刊サイゾー

「泰安門」の入り口は、すでに閉鎖されている。

9月21日、世界各地のレストランを格付けする「ミシュランガイド」が、ついに上海にも登場した。今回出版された『ミシュランガイド上海2017』では、星が付けられたレストランは、3つ星が1軒、2つ星が7軒、1つ星が18軒で、合計で26軒となっている。

昨年12月に発表された東京版『ミシュランガイド東京2016』の、3つ星が13軒、2つ星が51軒、1つ星が153軒の合計217軒には比ぶべくもないが、これを機会に、上海のレストランの質が上がってくることも期待されている。

……と思っていたら、今回1つ星に選ばれた西洋レストラン「泰安門」が、星獲得からたった1日で営業停止となる事態が発生した。今年4月にオープンしたばかりのこの店、なんと正式な営業許可証を取らないままオープンしていたレストランだったのである。

そのため、中国では「史上最短命のミシュラン1つ星レストラン」として大きくニュースで取り上げられている。

「泰安門」の店内には、カウンター席が20人分と、テーブル席が8人分あるという。

さすがミシュランが選ぶ西洋レストランだけあって、前菜も凝っている?

シェフはドイツ人のStefan Stiller氏で、これまでドイツのミシュラン星獲得店で修業し、2004年に上海へ。同地の有名レストランでシェフを務めた後、泰安門をオープンさせたようだ。

料理はおまかせで、14種類の料理が出る1,288元(約2万円)のコースと、10種類の料理が出る988元(約1万5,000円)のコースの2種類となっている。

ところが、オープン早々、キッチン内の換気扇が壊れ、一時休業に。カウンターの前で料理を作るオープンキッチン式だったこともあり、その後も店内には煙の匂いが立ち込めていたという。

また、古い5階建て団地の1階ということもあり、上に住む住民たちは、店から出てくる煙や客の騒がしい話し声に悩まされ、地域の管理当局に苦情が寄せられていたという。

そこで当局が調べたところ、店はまだ営業許可証を取得していないことが発覚したというわけだ。

ミシュランの星獲得直後に営業停止になったのはたまたまなのか、それとも当局が見せしめ的効果を狙ってやったのか定かではないが、店の経営者によると、すでに新たな店舗を見つけており、11月末までには店の内装工事も終わり、営業を再開する手続きを進めていく予定だという。

今回の件についてミシュラン側は「私たちは食に関して評価するだけで、店の運営に触れることはない」と答えているという。店が別の場所で再開したとして、星を付けたままでいられるのかどうかは不明である。

いっそのこと、ミシュラン史上最も短命だった星付きレストランとして、ギネスに申請してはどうだろうか?

(文=佐久間賢三)

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