目が見えないというハンディを抱えながらも、米連邦教育機関に仕える弁護士として多忙な日々を送るオリー・カントスさん(45歳)。彼には6年前に養子にした3人の子供がいます。そしてその3人は、オリーさんと同じ視覚障がいを持っています。

視覚障がいを抱えながらも努力の人、オリーさん

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アメリカでは、深刻な視覚障がいを持つ人の40%しか定職に就くことができないと言われています。そんな厳しいアメリカ社会で、懸命に努力をし現在の地位を築き上げた1人の男性がいます。オリー・カントスさん、45歳です。

オリーさんの家族はフィリピンからの移民としてロサンゼルスに定住し、先天性の資格障がいを抱えていたオリーさんはそこで育てられました。目が見えないオリーさんを特別扱いすることなく、できるだけ普通に育てようとしたオリーさん家族でしたが、子供時代にはよく苛められたと言います。

「目が見えないのは悪いことなんだ。役立たずで何もできない」自分をそんな風に蔑んでしまったことも少なくなかったと言います。しかし、現在オリーさんはワシントンD.Cの教育機関の弁護士として、なくてはならない存在にまでなっています。

そんなオリーさんが三つ子に出会ったのは6年前だった

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オリーさんはモルモン教を信仰しており、週末に教会へ行くのを習慣にしています。その教会で、ある人から盲目の三つ子のことを聞きました。

オリーさんが39歳、三つ子が10歳の時でした。スティーブン、レオ、ニックという三つ子は、コロンビアで生まれヴァージニア州のサウス・アーリントンに母と祖母と暮らしていました。

三つ子の母シーラさんは、3か月早く出産したわずか450gだった盲目の三つ子の子育てに必死だったそうです。その後、夫と呼ぶ男性は、コロンビア領事館勤務をしていましたが任期を終えると自分だけコロンビアに帰って行きました。当時、三つ子たちはまだ4歳。それ以降、実の父親とは全く交流がないと言います。

盲目であることの厳しさは自分が一番よく知っている…そう思ったオリーさんは、三つ子に会ってみることに。視覚障がいを持つ子供たちはあっという間にオリーさんと親しくなりました。

そして、オリーさんはこの3人の「人生のコーチ」になることをシーラさんに申し出たのです。それはオリーさんにとっても、シーラさんにとっても大きな決断でした。

三つ子に生きていくうえでの様々なスキルを教えた

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同じ立場だからこそ、親身になって教えることができる。そうオリーさんは思いました。これまではこの三つ子は、母親と祖母に世話をしてもらっていました。自分で着替えることもできず、外出も学校と教会しかないという狭い社会の中で生きて来た子供たちに、オリーさんは生きる上で必要なスキルを教えるコーチとなりました。

母のシーラさんは、シングルマザーとして、これまで二つの仕事を掛け持ちし3人の盲目の子供たちの世話をしてきました。学校で教師やボランティアが企画するサマーキャンプやアイススケートなどのイベントにも盲目の子供たちを参加させたことはなかったそうです。目が見えないことで苛められたりしている子供たちなので、保護しなければならないという気持ちが強かったのでしょう。

でも、オリーさんはそんな殻を破ってもっと外に出ることを3人に教えました。着替えの仕方はもちろん、料理や身の回りの整理整頓なども自分でできるように教育しました。「コーチ」として接しているうちに、3人との絆は深くなりいつの間にか「父」と慕われていることに気付いたオリーさん。

オリーさんは、3人を自分の子供として育てる決心をした

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子供たちの母親のシーラさんに不快な思いをさせるのだけは避けたいと、気遣い続けてきたオリーさんですが、シーラさんはとても感謝していました。自分一人ではいっぱいいっぱいだった視覚障がいの3人の子供に、手取り足取り自立精神を養うように教えてくれたオリーさんは、まさに救いの神といえる存在だったのです。

そしてオリーさん自身も、3人の子供たちと一緒に過ごすことがかけがえのない自分の人生であることに気付き、養子にすることをシーラさんに申し出ました。現在、シーラさんと親権を分け合って「親」として3人の面倒をみているのだそう。

現在、三つ子たちは16歳になりました。オリーさんは多忙な日々の中でも3人の「父親」として彼らの子育てをしています。オリーさん自身、生涯を共にする相手とは巡り合うことができませんでしたが、3人の子供たちには目が見えなくても経済的に自立できるような生活レベルに達してほしい、また精神面でも充実した人生を送るようになってくれればと「父親」としてレオ君、スティーブン君、ニック君の将来を思い遣っています。

オリーさんは仕事柄、著名な人とも会う機会も多くできるだけいろんな場所へ3人を連れて出るようにしています。ワシントンにある日本領事館にも挨拶する機会があったので、みんなで訪れ、記念写真を撮ったことも。その様子は、オリーさんのFacebookに投稿されています。

オリーさんによると、レオ君は大らかで気楽な性格、ニック君は短気、スティーブン君はとてもまじめと3人の性格はまるで異なるそう。スティーブン君はその性格から、友達ができないこと、苛められたことを悩んで自殺を図ろうとしたこともあったのだとか。オリーさんと同じように、この3人もまた苛められるという苦悩を経験してきました。

でも、そんな彼らを救ったのがオリーさんでした。3人にとっては、いつもサポートしてくれるオリーさんは、紛れもない「父親」なのです。

自らも盲目でありながら、盲目の3人の子育ては決して容易ではありません。それでも、チャレンジし続けるオリーさん。3人の母シーラさんも、オリーさんには絶対の信頼を寄せています。

努力をして今の地位を築いた誇るべき父親オリーさんから、きっとこれからも3人はたくさんのことを学んでいくことでしょう。いつかこの3人の将来が、オリーさんのように明るく開けることを願ってやみません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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