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安全日だから大丈夫」と聞くことがあるかもしれませんが、安全日は絶対、妊娠しない日ではありません。

安全日とはいつのことを指すのか、安全ではないとはどういうことなのかを詳しくみていきましょう。

要チェック項目

□排卵のある女性の月経周期において安全日は存在しない
□妊娠しやすい時期はあるが絶対妊娠しない日はない
□性の正しい知識をパートナーと共有し、妊娠を望まない場合は避妊する

今さら聞けない!安全日って何のこと?

世間では一般的に「安全日=妊娠しない日」で、生理の前や生理が終わった後の時期などと言われることがあります。

排卵が終わって卵子の寿命が終わった時(生理前)や、生理によって卵子が着床するために厚くなっていた子宮内膜が剥がれ落ち、卵子が着床しにくくなっている時(生理後)は妊娠できないという考えから言われているようです。

月経周期において妊娠しやすい時期、妊娠しにくい時期はありますが、絶対に妊娠しないという日は特定できません。言いかえれば、いつでも妊娠する可能性があるということです。

月経周期において安全日はなく、絶対に妊娠しない日はないということを認識しておく必要があるでしょう。

安全日ではない日、妊娠しやすい時期とは

月経周期において、排卵日前1週間から排卵日後2日ほどは最も妊娠しやすい時期と言われています。妊娠したい場合は基礎体温をつけて排卵日を予測し、タイミングをはかるのはそのためです。

排卵が起こり、精子と受精して着床すれば妊娠成立となりますが、精子の寿命は数日~1週間、卵子の寿命は12~36時間と言われており、人によっても異なります。

精子と卵子が生きて出会う確率がある間は妊娠する確率があるので、排卵日にだけ妊娠するのではなく、排卵日前後が妊娠しやすい時期なのです。

排卵がある女性であれば、基礎体温は低温期と高温期の2つに分かれます。

生理が始まった日から排卵日までは低温期で、排卵日直前が一番基礎体温が低くなり、高温期に入る直前が排卵日とされますが、低温期と高温期の移り変わりに要する日数が人によって異なるので基礎体温だけで排卵日を特定することは困難です。

市販の排卵日検査薬は尿中の黄体形成ホルモンの値の変化を捉えます。黄体形成ホルモン値が最も高くなってから排卵が起こるので、排卵日の前の日がわかる仕組みになっています。

ですが、体調やストレスなどによっても基礎体温や尿中の黄体形成ホルモンの値は変化するので、これだけで排卵日を特定することはできません。

正しい排卵日を知るには、産婦人科の超音波検査で卵巣の状態を確認することが必要です。それでも、「この日」とは断定はできず、「今日か明日か」や「明日あたり」というような言われ方をします。人間の体のことなので、検査をもっても排卵日の断定は難しいのです。

安全日? 妊娠しにくい時期とは

月経周期において妊娠しにくい時期とは、卵子が寿命を終えた後です。卵子がなければ受精できないので妊娠しにくくなります。卵子の寿命は12~36時間ですので、排卵が起こってから(基礎体温が高温期に入ってから)2~3日を過ぎれば妊娠しにくい時期といえるでしょう。

排卵後のメカニズム

排卵が起こった後は、黄体ホルモンが分泌されて子宮内膜が着床のために柔らかくなります。その後、着床が起こらなければ、黄体ホルモンと卵胞ホルモンは減少し、必要なくなった子宮内膜が剥がれ落ちて生理として外へ排出されます。

生理が終わった後は卵胞刺激ホルモンの分泌が多くなり、卵巣で卵胞が育ち始めます。卵胞の発育とともに卵胞ホルモンの分泌も促され、子宮内膜も厚くなっていきます。

排卵が起こってから次の排卵が起こるまでの間も、精子が1週間近く生き続けた場合や、生理周期の変化が起こった場合は妊娠する確率があります。

基礎体温では高温期に入る直前が排卵日とされますが、実際は高温期に入ってから排卵が起こる方もいるので基礎体温で排卵日を特定し、「妊娠しにくい時期」を示すのは危険が伴います。

安全日が安全ではないわけ

生理周期は28日周期で表されることが多いですが、人によって異なり、短い人では25日以内の人もいれば長い人では35日の人、それ以上の人もいます。

実際に基礎体温を毎日つけて、自分の生理周期を知っている人、基礎体温で低温期、高温期を理解している方はどのくらいいるでしょうか。

もし、基礎体温をつけていたとしても、体調や環境、ストレスなどで生理周期は影響を受けやすく、予測と反してずれが起こる場合も多いにあります。今月は「生理が早めに来た」、「生理が遅れている」などの経験はほとんどの人がしているでしょう。

「生理が始まる前だから」、「生理が終わった後だから」というあいまいなタイミングを安全日としてしまうのは、妊娠を望まないのであれば非常に危険な行為です。女性は排卵がある限りは妊娠するということを心得ておきましょう。

安全日に避妊なしで行為をしてしまったら

妊娠を望まない限りは避妊が必要です。ですが、間違った安全日の認識で避妊なしで行為に及んでしまった場合は、どう対処すればよいのでしょうか。

モーニングアフターピル(緊急避妊ピル)

避妊なしで行為をしてから72時間以内であればモーニングアフターピル(緊急避妊ピル)という方法があり、早く飲めば飲むほど避妊の成功率は上がります。

モーニングアフターピルは病院で受診し、医師の判断で処方されます。保険適応外なので病院によって価格も異なり、取り扱いのある病院も限られているので事前に問い合わせをしてから受診しましょう。

72時間以内に1回、12時間後にもう1回服用するタイプが一般的で、受精卵を着床しないように強制的に生理を起こさせる作用を持ちます。副作用として嘔吐、吐き気、頭痛、倦怠感、めまいなどが起こります。

女性の体の生理現象に反した作用を持つのでそれだけ体にかかる負担も大きく、本来は「避妊していたにもかかわらず避妊具が破れて避妊に失敗した」場合などに使用するためのものですので、頻回な使用はおすすめできません。

避妊には、避妊具や低用量ピルを使用するようにしましょう。ただしピルは副作用も伴います。受診のうえ、よく考えて選択しましょう。

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安全日という言葉に惑わされずに、自分の体を大切に

安全日という言葉に安易に踊らされないように気を付けましょう。排卵が順調な女性であれば、絶対に妊娠しないなんてことはありません。

万が一、妊娠して体も心も傷つくのは女性です。自分の体を守るために、パートナーと性についての正しい知識を共有し、自分の体を大切にしましょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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