最新モデルの「iPhone7」を手にした人たちの間で話題になっているのが、オシャレ感漂うモデルの背面に刻印された「総務省指定」の無粋な文字。

決して大きくはありませんが、ファッションにこだわりを持つ人も多いMacユーザーたちの間では「なぜここに入れた?」との声も聞かれます。

無料メルマガ『知らなきゃ損する面白法律講座』では、この刻印を入れるに至った経緯について、関連する法律を紹介しつつ解き明かしています。

iPhone7の「総務省指定」という刻印の謎を追う

スティーブ・ジョブズ亡き後も、日本国内においてスマホ市場のほぼ半分を抑える怪物プロダクト「iPhone」。

その最新モデルとなる「iPhone7」が発売になりました。キャリアや家電量販店ですでに予約をしたり、虎視眈々と機種変更のタイミングをうかがっている人も多いのではないでしょうか。

さて、そんなiPhone7ですが、各モデルの背面に総務省指定という漢字の刻印がなされているのが一部のメディアで話題に上がっています。

「高いデザイン性」が売りのはずのiPhone7に、漢字の、しかも「総務省指定」という文字。少なからずデザイン性が損なわれてしまっているのは事実でしょう。そんな刻印がなぜなされたのか?今回は、この謎に迫ってみようと思います。

そもそも、なぜ刻印が必要だったのか。この点は法令に理由があります。電波法100条1項1号では、「電線路に10キロヘルツ以上の高周波電流を生じる通信設備は総務大臣の許可を受けなければならない」と規定されています。

いちいち製造するごとに許可を受けていては手間であるため、電子機器類の場合、型式指定と言って製造する同一モデルについて丸ごと許可を得てしまいます(電波法施行規則44条参照)。

指定を取得した製品は、その証として製品に刻印が必要になるため、iPhone7には刻印がなされているのです(刻印の手続き詳細については総務省ホームページを参照)。

電波法は、限られた資源である電波帯域を公平に利用し、かつ安全に干渉しないようにするための法律です。様々な電子機器が開発される昨今においては、致し方ないところではあります。

しかし、iPhone7には刻印があるものの、「他の電子決済機能を備えたスマホには刻印がないのはなぜだろう?」と思う方も多いはずです。

なぜ「iPhone7」にだけ刻印があるのか?

アップル社が行ったプレゼンテーションでは、日本向け製品には、FeliCaチップが搭載されるとの発表があり、基本的な非接触電子決済のICチップは、アンドロイド端末のそれと変わりがありません。

そうであるならば、iPhone7にはあって他のスマホには無い機能がポイントになりそうです。ここで、法令を今一度見ると、電波法施行規則44条の2項では、「誘導式読み書き通信設備」については、型式指定を取得するように規定しています。

iPhone7では、ユーザーが有する電子マネーやクレジットカードを読み取って、そのカードが有する情報(例えばクレジットカードの情報や、電子マネーの残高)を記憶する機能が付いています。

この「読み取り」の機能が法令における「読み書き通信設備」に該当するために型式指定の要否につながったと考えられます。

この問題について管轄する総務省は思いの外反響があったことに戸惑っていることが、一部のメディアで報じられています。

例えば、端末の画面(例えば設定画面など)でOSの内容を表示したときに型式指定がテキスト情報として表示されればOKにするなど、対応が図られるのではないかと予想をするメディアもあったり、デザイン重視のユーザーにとっては、待ち望まれる対応となるかもしれません。

それにしても、筐体に漢字の小さな刻印ができただけでメディアを騒がすなんて、やはりiPhoneは怪物プロダクトなのだと改めて思い知らされます。

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス