記事提供:AbemaTIMES

5日放送のAbemaTV『AbemaPrime』“ワールド・ムービング”コーナーで、お笑い芸人・REINAが、映画「湾生回家」を紹介した。

同作は、台湾で観客動員16万人以上を記録したドキュメンタリー。かつて日本に統治されていた時代に、台湾で生まれ育った日本人を“湾生”という。映画では、戦後、台湾を離れ日本で生きてきた“湾生”達が、かつての生まれ故郷を訪れる様子を追っている。

撮影チームは、40人近くに取材を行い、映画は、その中の6人を中心にしたストーリーとなっている。まもなく90歳を迎える冨永勝さんは、18歳まで台湾で暮らしており、かつての友人を探すため、幾度となく台湾を訪れている。

台湾を統治してきた日本に対し、台湾の人々はどんな思いを抱いているのか。松本洽盛(こうせい)さんが出会った元校長のリャオさんは、こう話す。

「日本人の印象は、良い面も悪い面もある。日本は台湾を50年間統治して、インフラを整備した。台湾の治安を改善し、産業を発展させた(良い)点は、はっきりしている。負の面もある。領土を広げるため東アジアを武力で征服した点だ」

戦争によって、生まれ故郷から離れることを余儀なくされた“湾生”の人たち。映画は、彼らが抱く“故郷”への思いや、人々の絆の強さを感じとれる作品となっている。

この日番組では、映画「湾生回家」の日本側プロデューサー・内藤諭(さとし)さんに話を聞いた。

・なぜ“湾生”と呼ばれる人が生まれたのか

1895年 日清戦争で日本は今の中国にあたる清を破り、台湾は日本に統治される。そして台湾へ渡り生活する日本人が増え、“湾生”が生まれた。

1945年 第二次世界大戦終戦で、台湾から日本人は強制送還。この時“湾生”は約20万人いたという。

REINA:内藤さんは、撮影チームとして日本と台湾で取材をされていましたが、こういう歴史をご存じでしたか?

内藤さん:初めて台湾に行ったのは学生の頃。行ってみて初めて深い歴史を知ることになりました。台湾の高齢の方は、日本語を自分の言葉として話せるんです。

そういう方に初めて出会ったときは衝撃でしたね。私が知らない言葉、昔のきれいな日本語を知っていたりするんです。

REINA:取材の話をした際に、“湾生”の方々の反応はどうでしたか?

内藤さん:“湾生”の人たちにとって台湾というのはご自身の故郷でもあるので、懐かしく、そしてうれしそうに話される人が多かったですね。

・ホァン・ミンチェン監督が語る、映画への思い

REINAは先週、ホァン・ミンチェン監督が来日されていたので、映画への思いを聞いてきていた。

REINA監督は“湾生”にどんな思いがありましたか?」

ホァン監督「初めて“湾生”という言葉を知ったのは、2013年の1月です。日本でも台湾でも、“湾生”という言葉は知られていませんでした」

映画の企画を聞くまで、“湾生”という言葉を知らなかったというホァン監督。メガホンをとろうと思ったのは、まさに“湾生”の人たちの思いだったという。

ホァン監督「“湾生”の人たちの感情が、歴史の荒波にのまれず、空間の距離にのまれず、今に至るまで残っています。それは“感動”というよりうらやましかった」

REINA:「うらやましいとは、どういう意味でしょうか?」

ホァン監督「“湾生”の人と、台湾の人の感情がこんなに長く繋がっていたということ。長く続いた古き友情が、とてもうらやましかったです」

「半分アメリカ人で半分日本人で」と前置きしつつ、REINAはこの映画をみて「自分はどっちなんだろうと思うこともあったが、“ダブル”でいいんだと思った」と語り、内藤さんも、「“湾生”の人たちも、自分たちは“純粋な日本人”というよりは“ダブル”だ」という認識であるという。

・台湾で興行収入1億円、大ヒットの理由

映画「湾生回家」は、台湾では去年上映され、観客動員数16万人以上、ドキュメンタリーとしては異例の11週連続上映で興行収入が1億円を突破という大ヒットとなった。

反響について、内藤さんは「目を真っ赤にして映画館から出られてくるお客さんが多かったのが印象的でした」という。

観客には、多くの若い人たちも訪れたといい、内藤さんも「おじいちゃんおばあちゃんしか出ていない映画だったので、若い人たちが多かったのは意外でした」と話すが、ホァン監督は、その理由をこう語っていた。

「台湾と日本の物語なので、多くの人が興味を持ったと思います。台湾での歴史教育では、日本に対して空白の時間があります。一方、台湾に日本が残した文化は、身近な生活にたくさんあります。そうした不思議な謎を、映画の撮影を機に解き明かし、見極めたいという想いがありました。観客にも、日本と台湾についてもっと知りたいという想いがあったことが、大ヒットに繋がった要因の一つだと思います」

台湾は、かつて政治的理由で、日本の歴史を一切語らなかった時期がある。でも、街には確実に日本の文化が根付いている。そうしたギャップ、違和感を解き明かすという面もあり、この映画が生まれたというのだ。

「映画を撮るにあたって、監督と僕の間には、『なんで台湾の人は日本のことが好きなんだろう?』という疑問があった。そして監督と僕が行き着いたのは、“湾生”の方たちの『台湾への愛』がずっとあるということ。それが日本との友好的な感情につながっている」(内藤さん)

今でも台湾では、日本のアニメブームもあって、若い人たちも、日本への思いはとても友好的。監督も「ポケモンGO」が大好きだそう。

そしてREINAによるとホァン監督は、「この映画で日本人に、台湾との歴史、そして“自分”というものを考えてほしい」と話していたという。

MCの宮澤エマも「知ることを恐れないこと。戦時中、“そこ”にいた人たちの声、教科書に載っていないことに耳を傾けること」の大切さに言及した。

「湾生回家」は11月12日より東京・岩波ホールにてロードショー。

無料 ニュースも音楽もアニメも24時間放送中! AbemaTV

この記事を書いたユーザー

AbemaTIMES このユーザーの他の記事を見る

AbemaTIMESは「見たい!」がみつかる情報ニュースサイトです。無料でみれるインターネットTV局『AbemaTV』の番組を中心に、ニュース映像や面白動画の紹介、著名人コラムやインタビューなど、選りすぐりの情報をお届けします。

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス