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『夏目漱石の妻』で漱石の妻鏡子を演じる尾野真千子 (C)ORICON NewS inc.

文豪・夏目漱石没後100周年を記念して、ドラマ『夏目漱石の妻』(NHK総合)が24日から放送されている。

偉人の妻を描いた作品といえば、『ゲゲゲの女房』(同)が人気を博し、故・水木しげるさんの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』が再注目されるなど、ブームを巻き起こした。近年、歴史上の偉人本人だけではなく、その妻や肉親を描くことが定番となりつつある。

妻を介して感じる、教科書に載ってない“偉人の人間味”

ドラマ『夏目漱石の妻』は、漱石を長谷川博己、妻・鏡子を尾野真千子が演じており、“漱石の妻は悪妻だったのか?”をテーマに物語が展開していく。夏目漱石は神経質で、胃潰瘍をしょっちゅう患うなど、“面倒くさい”気難し屋だったことがよく知られている。

しかし漱石の妻は、漱石とは正反対の性格だったといわれるだけに、ふたりの夫婦関係を主題にしたことは確かに興味深い。一方、“偉人の妻”は、偉人を描写していく際には欠かせない存在でもある。

先述の『ゲゲゲの女房』のように、偉人の妻に光を当てることは徐々に“定番”となりつつある感もあるようだ。

「偉人たち本人の栄光や挫折、苦労話などは、これまでも映画やドラマでさんざん描かれてきました。学校の国語や歴史の授業でも学んできたし、新鮮味はそれほどありません。それを偉人の妻に視点を移すことによって、一般人は知られていない要素を盛り込むことができます。

偉人の功績だけではなく、夫婦の生活を描くことで見どころが増え、物語に奥行きが出るんですね。偉人の人間味もさらに増しますし、身近な存在として幅広い世代、特に女性からの共感を得やすくなります」(ドラマ制作会社スタッフ)

慎ましくも強い妻・母の姿から感じる“強く生きる女性”へのリスペクト

偉人の妻を前面に出すことで、妻自身の魅力もクローズアップされる。苦しい時代に夫を支え続けるという、慎ましくも強い“妻”=“母”の姿が胸を打つのは、もはや日本人のDNAとも言える。

また、たいてい夫は専門分野以外には能がない変人・奇人であり、人間関係も不得手な場合が多く、そうした夫を支える妻へのリスペクトはさらに増すのである。

「最近のNHKの朝の連ドラを見ても、特に高視聴率の連ドラの主人公は“様々な時代を生きる強い女性”ですし、今や“偉人の妻”に焦点を当てることは、偉人を振り返るドラマに欠かせないフォーマットとなっています」(前出・スタッフ)

極端に言えば、“偉人の妻”の人気は、かつて高倉健や菅原文太などが出演して隆盛を極めた任侠映画が、時代とともに衰退していく中、『極道の妻たち』シリーズでまさかの“妻”を主人公にしたところ、女性層を取り込んで大ブレイクしたことと似ているかもしれない。

そうした意味でも“偉人の妻”ドラマは、“女性が強くなった”時代の象徴のひとつとして愛されていくのではないだろうか?

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