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世の中には実に多くの会社があり、私たちが知っているのはそのほんの一部です。社名は耳にしたことがあるけれど、私たちの生活とどんな風に関わっているのか分からない会社。その業界では誰もが知るけれど、一般的には広く知られていない会社。

そんな“通な会社”を紹介していきましょう。

「屋根と床のエキスパート」田島ルーフィング株式会社

訪れたのは、建築防水材料と床材料の製造・販売を手掛ける「田島ルーフィング株式会社」。

創業から97年の同社は、簡単にいえば、生活に最も身近でありながら多くの人があまりその機能や性質について気にしないものの代表といえる「屋根と床」のエキスパートです。今回は、人々が日々歩き、足を置き、私たちを下から支えている「床」について話を聞いてみました。

その結果、実は床に込められた様々な技術が、物理的に私たちを支えるだけでなく、より良い生活や健康までをも支えているということが分かりました。

病院の手術室の床が特別なものであるべき理由って?

そのことを教えてくれたのは、同社の営業企画部・デマンドセンターの武藤千洋美さん。

――今回は、床について一般の人たちが興味をもてるような話を教えていただければと思います。

「はい、よろしくお願いします!」

――床といえばまず、「汚れ」「掃除」という言葉を連想してしまうのですが…。たとえば、床の汚れって、技術的な部分で解決できるものなのでしょうか?

「使っているうちに汚れてしまうのは、仕方のないことですよね。床と掃除は切っても切り離せないでしょう。でも、技術によって掃除の悩みを軽減させることはできます。

弊社のほとんどの床材は表面をUVコーティングしていて、これはワックスの何倍もの汚れ防止効果があるので、本当にお手入れが楽になるんです。なかでも、『マッキレーネ』や『フロアフィックス』(詳細後述)なら完全にノーワックスでの管理が可能ですよ。

また最近では、『モルタライク』という素材も大変好評でして、これは一言でいえば、“汚れることで味が出る”という性格の床ですね。

実際に池袋の南池袋公園に併設されているカフェなどではこのモルタライクが使われていて、外で遊ぶお子様たちのおかげで“いい感じに汚れて”くれてます」

――なるほど。「むしろ汚れて欲しい」というのが新しい感覚ですね。それらの技術は、飲食店などの掃除という業務を助けるといえそうですが、建物をつくる上で何らかの床の技術が不可欠な業種というのはあるのでしょうか?

「あります。たとえば、精密機器の工場ですね。絶対に静電気を発生させられないという環境の場合、『導電フロア』という床材がその要望に応えます。『導電フロア』は、人体(作業者)に蓄えられていく静電気を床を通じて素早く逃がしてくれるんです。

また、意外に思われるかもしれませんが、病院の手術室には、手術室専用の床があるんですよ。なぜそれが必要かといえば、手術台というのは実は重いもので1トン近くあって、これを動かすとなると床にダメージが与えられてしまうんです。

『移動荷重用フロアシステム』は、この問題を解決します。素材そのものの強靭さだけでなく、下地も含めた強化が可能になります」

――床に込められる技術が、病院の手術室という命の現場にも役立っているんですね。その他に、私たちの生活に関わってくる技術というのはありますか?

「たくさんありますが、皆さんに特に身近なところでいうと、『フロアフィックス』という商品の技術でしょうか。たとえば、24時間営業のお店や病院など、稼働を止められない現場の場合、施設を閉めて床を張り替えることはできませんよね。

『フロアフィックス』なら、そのような現場を稼働させたまま床を張り替えられるんです。床材を置くだけにすることで、圧倒的な短時間で施工が完了します。

また『フロアフィックス』は、厚生労働省認可の床診断士が事前チェックを行うことで、間違いのない改修工事が出来ることも特長です」

様々なユーザーのニーズに合わせて技術やサービスを開発されているということが、これらの話だけで十二分に伝わってきますね。

「思考停止を打破したい」新たな視覚障がい者用点字ブロック

さらに、こんな話も聞くことができました。

「駅や街中に普通に設置されている視覚障がい者用の点字ブロックってありますよね。あれって実は、屋内では、法令や条例で規定している総合受付までしか設置されてないんです。

私たちが目にしているJIS型の点字ブロックというのは、高さ5mmの突起をもっているので、屋内に設置するとかえってつまずく恐れがあるということで、普及が遅れています。つまり、視覚障がい者の方々は、建物の中に入るとひとりでトイレに行くことも難しいという状況でした。

そこで弊社は、視覚障がい者であっても晴眼者と同じように活動できるよう、屋内設置用『UDフロアシステム』という点字ブロックを新しく開発しました。

突起を1.8mmと1.0mmに抑えつつ、視覚障がい者が認識しやすい形をデザインし、あらゆる床材への設置を可能にしています。こちらは、2015年のグッドデザイン賞を受賞しました」

この「UDフロアシステム」は、既に東京の大田区役所などに設置されているそうです。

視覚障がい者だけでなく、下肢障がい者や車いす・ベビーカーへの影響も科学的な検証で考えられているというこのシステム。「JIS規格でなければならないという思考停止を打破したい」との思いから開発されたとのことでした。

私たちが普段、何も考えずに歩き、立ち止まる床。そこには、実は様々な技術や工夫が込められており、私たちの知らないところで生活を支えていたのですね。

それが分かったいま、たまには歩きながら下を見てみてはいかがですか?

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