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ビートルズ公式ドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years』が公開中だ。

ビートルズと対話した貴重な経験を持つ音楽評論家の湯川れい子さんは本作を見てツイッターで「100聞は一見にしかず…とは、こういうことを言うのですね」と改めて彼らの苦労や素晴らしさに気づいたと明かしている。

ビートルズの楽曲『イエスタデイ』ならば知っているという人から、ビートルズ一筋という熱いファンまでそれぞれに楽しめるシーンが満載で一見の価値がある。日本で公開されたこのチャンスを逃さずに見ておきたい作品だ。

1966年6月にビートルズが武道館公演のために来日した時、『スイングジャーナル』誌にて執筆していた湯川れい子さんは関係者に紛れ込んで宿泊中のビートルズとの面会に成功した。

ただ、なぜかジョン・レノンだけは湯川さんを無視したという。彼女がビートルズ解散後にジョン・レノンにインタビューした際、過去に無視されたことに触れるとジョンもそれを覚えていた。

「売名目的で面会したがる連中が多くてウンザリしていた」

そう明かしたジョンは、湯川さんもその1人と疑ったことを詫びたそうだ。また2013年にポール・マッカートニーが11年ぶりとなる来日公演を行う直前にも単独インタビューを行うなど、ビートルズとの関係は長い。

その湯川さんが9月22日より全国公開された映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK』を見て衝撃を受けたという。

29日、六本木の映画館を出た彼女は『湯川れい子(yukawareiko)ツイッター』にて「まだ半分ボーっとしながら移動中です。本当にすごい映画でした。私が認識していなかった事も沢山!」と興奮気味で、さらに「私のようにビートルズを知っているつもり、語り尽くしたつもりの人間が見て、うわぁ、こんなに大変だったんだ、この時はこんなだったんだ、何という魅力!」「ショックを受けています」とつぶやいた。

本作の予告動画を見る限りではビートルズのドキュメンタリー番組でもよく目にする英国や米国で熱狂する女性ファンの姿が印象的だ。

ただ「今世紀最大の現象です」や「1962年、4人の若者が世界を変えた」と謳う事実をここまで徹底的に映した作品は初めてだろう。

一方で「あの熱狂はプレッシャーだった」「発狂しなかったのが奇跡だね」というビートルズの苦悩をメンバーの言葉とともに追っており、これまでのどのドキュメンタリーよりも胸に刺さってくる。

米国ツアー中に南部のコンサート会場で有色人種は隔離するという申し出があった。当時はまだ人種差別が激しく、トイレや売店など有色人種(Colored)用は別に設置されており、コンサート会場でも有色人種は一緒に楽しめず隔離するのが通例だった。

しかしビートルズは4人の総意で「隔離するのならば公演は行わない」と訴えてついにその通例をひっくり返す。コンサート会場では全ての人種が同じ観客席で同じように熱狂した。

やがて彼らが来日することとなり、日本武道館をコンサート会場として使用する話が出ると「神聖なる武道の場でロックをするなどけしからん」と反対する声もあった。さらには右翼団体を中心にビートルズ来日を反対する動きもあったという。

そうした経緯もテレビ番組では見られないところまで明かされている。米国南部で有色人種の隔離に反対してコンサートにこぎつけたビートルズである。

当時の関係者が日本武道館でのコンサートを「武道精神」を理由に拒否せず断行してくれたことに感謝したい。

他にもウーピー・ゴールドバーグやシガニー・ウィーバー、エルヴィス・コステロなど青春時代にリアルタイムでビートルズファンだった著名人が思い出を話す場面もあり、その生の言葉から当時のビートルズがどれほどの影響力を持っていたかひしひしと伝わってくる。

熱狂するファンたちの姿は社会現象を巻き起こすビートルズの象徴のようであり、実は彼らが変化を遂げるきっかけともなる。そのようなあらゆる角度からビートルズの事実に迫った内容は、「100聞は一見にしかず…」との表現がぴったりだろう。

ちなみに“伝説のライブ映像”は最後に別枠で映写される。いったんエンドロールが流れて、ビートルズの4人による貴重な音声に感涙してもまだ席を立たないでおこう。

出典 YouTube

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