アーモンド農園園長ジョージ・ヴァンダム(61)。日本からの訪問者をカタコトの日本語で迎え入れ、自慢のアーモンド畑に案内する――。

クリエイターズ・ファイル特別版「アーモンド農園 園長篇」告知編

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白髪のパーマに日に焼けた肌。土で汚れたデニムのジャケット。その口調といい、その仕草といい、会ったことはないけれど、醸し出される雰囲気に思わず「いるいる!」と確信してしまう。

そう、これがロバート秋山竜次さんの“なりきり”の真骨頂。今回、アーモンド農園の園長に扮したこの動画は、告知編にもかかわらず、公開から3週間ほどで再生回数は100万回を突破しました。

ロバート秋山にしか見えない。実在の人物と勘違いするほどの「憑依芸」

ロバート秋山さんの“なりきり”は、書店の丸善・ジュンク堂・文教堂で月1回配布されるフリーペーパー「honto+」の連載企画として始まりました。連載名は「クリエイターズ・ファイル」。ロバート秋山さんが、毎回、俳優やファッション・アドバイザー、フォトグラファーといったクリエイターに“なりきり”、インタビューを受けるというスタイルです。

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そこにロバート秋山の姿はなく、いるのはYOKO FUCHIGAMIであり、キブネ・シンであり、文字通り“なりきっている”。そのクオリティの高さから「憑依芸」とも言われ、一般的なモノマネとは一線を画した芸の域に達しています。

SNSでも話題に上り、中には「ロバート秋山にしか見えない」と実在の人物と勘違いするツイートも見られました。

“なりきり”に垣間見える、クリエイターに対する畏怖の念

出典©Cork,Inc.

以前、「芸人というのは、その昔、お偉いさんをからかって笑いを取っていた」という話を聞いたことがあります。為政者に堂々と不平不満を言えなかった時代、芸人がからかう様を見て、庶民は笑い、モヤモヤした気分をスッキリさせていたそうです。

ロバート秋山さんの“なりきり”を見て、僕はこの話を思い出しました。クリエイターたちに“なりきり”、どこか茶化しているようにも見受けられるけど、そこには彼らに対する畏怖の念が感じられます。クリエイターたちをリスペクトする気持ちがあるからこそ、自分を芸人と位置付けたうえで“なりきり”、リアルを損なわずして笑いを創り出せるのではないでしょうか。

それを裏付けるかのように、ロバート秋山さんの“なりきり”において妥協は一切ありません。

「本物感」が出るように、ロケ地は入念に選んで、衣装も小道具もこだわります。インディアンジュエリーデザイナーの回では、草原に立つ「小野幸次郎」の地面に、たくさんの木の枝が。秋山さんから「木の枝いっぱい拾っておいて」とオーダーがあり、近くの公園で拾ってきたものだとか。

カメラマンも、その回ごとに一流カメラマンに依頼します。「トータル・ファッション・アドバイザー YOKO FUCHIGAMI」の回では、フィルムで撮るカメラマンに依頼。ただのファッションスナップではなく、「YOKOだったらどう撮るか?」を表現できるプロにお願いした、と言います。

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「神は細部に宿る」ともよく言われますが、良い意味での勘違いを生むほどの反響の裏には、こういった妥協のない姿勢があったのです。

今後も“なりきり”新星の誕生に期待ふくらむ

出典©Cork,Inc.

フリーペーパーの企画として始まった「クリエイターズ・ファイル」ですが、YouTubeのオフィシャルチャンネルの動画再生回数は、現在までにシリーズ累計で1,100万回以上を数えます。また、先日、書籍版が発売され、それを記念したイベント「クリエイターズ・ファイル展」も渋谷ヒカリエにて開催されました。

その人気は高まるばかりで留まるところを知らないロバート秋山さんの“なりきり”。今後、どのようなクリエイターに扮し、僕たちを楽しませてくれるのか。“なりきり”新星の誕生を期待せずにはいられません。

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marlgoro このユーザーの他の記事を見る

公式プラチナライター。ライター歴、約10年。現在、関西を拠点に活動中。大のテレビっ子です。たまに、ちゃんと取材した記事も寄稿しています。

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