記事提供:TOCANA

「International Business Times」(9月21日付)によると、6世紀にイスラエルで起きた大火災で“燃えカス”となったはずの「エン・ゲディ文書(Ein‐Gedi)」が、最先端のデジタル処理により現代に蘇ったという。

■「エン・ゲディ文書」、驚異の解読方法とは?

エン・ゲディはイスラエル南東部の死海西岸にある観光都市で、オアシスとして知られている。しかし、もともとは旧約聖書にも登場する歴史ある町であり、1500年ほど前に大火に襲われたときには、この町のすべてが焼き尽くされたと語り継がれてきた。

だが唯一、奇跡的に焼け残ったものがあったようだ。今から45年ほど前に、考古学者により死海の辺りで、ある巻物が発掘された。

なんとそれは6世紀の大火災で永久に失われたと思われた動物の皮でできた巻物がシナゴーグ(礼拝所)跡の聖櫃の中から出てきたのだ。これこそ今日、古代ヘブライ語の旧約聖書写本として日の目を見ることになった「エン・ゲディ文書」だった。

残念ながら、火事で黒焦げとなり無理に開こうとすればポロポロと崩れてしまうことから、イスラエル考古学庁は現状のまま保存し、“解読不能な文書”としてきた。

しかし今回、アメリカの科学者らによる驚異的手法で解読がなされ、「聖書考古学における重大発見」として発表するに至ったというのだ。

米ケンタッキー大学のウイリアム・シールズ教授は、デジタル技術を駆使し、損傷した文書の解読を専門としている。彼の率いる研究チームがオンライン学術論文誌「Science Advances」に発表した論文によると、解読のプロセスは次のとおりだ。

まず、炭化した巻物を、そのままの状態で内部を一層ずつ細かいパーツに分けながら3Dスキャンする。その後、デジタル画像処理で3Dモデルに復元して、文字が読み取りやすいようにバーチャルで平たく開く。

最後に全部をつなぎ合わせて一枚紙にする――非常に時間のかかる作業といえそうだ。

■数世紀分のミッシングリンクがつながるか

その結果、35行のテキストが浮かび上がり、18行は保護された状態で、残り17行については再現されることになった。

さらに解析していくと、巻物は6世紀の旧約聖書写本で、レビ記の一部が記されていることが判明した。なお、巻物に書かれていた文字が判読できたことから、おそらく鉄または鉛を含む濃いインクで書かれていた可能性が高いと指摘されている。

また、今回の調査では放射性炭素年代測定も行い、巻物がこれまでの推定より少なくとも200年は古く、1700~1800年前のものである可能性が出ているそうだ。

現在までに発見された世界最古の旧約聖書写本は、紀元前2~3世紀頃に書かれた「死海文書」とされている。

しかし、この文書が「死海文書」と「カイロゲニザ文書」の中間の時代のものであるなら、聖書考古学史における数世紀分のミッシングリンクがつながるかもしれないと専門家からは期待が寄せられているということだ。

出典 YouTube

出典:Daily Mail
出典:IBTimes

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