私たちが日々生活している中で、必ず出るものといえば、数多くのごみ。所定の曜日に所定の場所にごみを出して、地域のごみ収集車が運んでいくというのは私たちにとって当たり前の光景です。

しかし、実は徳島県に「ごみ収集車」が走らない町があるといいます。一体どうやってごみが回収されるのでしょうか?ちゃんとごみを収集しないなんて、環境にマイナスなのでは…。

徳島県の“ある町”が生み出した独自のごみ収集システム

それが、自然豊かな景観が広がる人口2,200人足らずの小さな町・上勝町です。

上勝町では、1998 年まで発生する大量のゴミを野焼きしていました。この処理方法だと、煙、すす、悪臭が発生することになり、環境を悪化させることにもつながります。かといって、焼却設備を整えたり、ごみ収集にかかる費用を町の予算で賄う余裕はありません。そこで生まれたのが、上勝町独自のリサイクルシステム。そのキーワードとなるのが「分別」です。

一般的に、ごみは「燃えるごみ」「燃えないごみ」「ビン・カン」と分けて出しますが、上勝町では、ごみを出す際は34種類に分別するように取り決めました。たとえば「空きびん」を分別する場合、「透明びん」「茶色びん」「その他のびん」「リサイクルびん(※一升びんやビールびんなど)」と、細かく分けて出さなければなりません。

「割り箸」や「紙おしめ・ナプキン」なども分別

それだけではありません。たとえば「割り箸」や「紙おしめ・ナプキン」なども、それだけ単独で出さなければならないのです。

これだけ細かく分別することにより、なんと上勝町ではごみの85%以上が資源化されているとのこと

町民自らが「ごみステーション」へ

ですが、34種類にごみを分別して出すとなると、その収集も大変になるため、通常通りとはいきません。そこで上勝町では、町にある「日比ヶ谷ごみステーション」に、町民みずからごみを持っていって、34種類に分別したごみを捨てていきます。

そこにはいくつものコンテナが設けられており、「割り箸=洗って乾かしてから出してください」「アルミ缶=空にして洗ってください」など、ひとつひとつのごみの捨て方について、誰でもわかるよう細かくガイドが書かれているのも特徴です。

「毎日」ごみ出しができる!

さらに通常、ごみ捨ては曜日が決まっているものですが、そのごみステーションでは、町民のため朝7時30分〜午後2時、決まった時間に毎日開いています。

広い町内各地に住んでいる住民たちは、時間やガソリン代を上手く節約しようと、通勤などで、ごみステーションの前を通る朝や、買い物に出かける日曜日など、何かのついでにごみを持ち込んでいます。また、車を持たない高齢者世帯などは持ち込むことが難しいため、住民同士助け合いが生まれているようです。

週1回などになると、どうしてもごみが溜まって分別も大変かつ煩雑になるため、時間のあるときに捨てにいけるというのは、良いことですね。

ごみステーションに行くことでメリットが

とはいえ、これだけでは「めんどくさそうだな」と思う人もいるはず。そんな人たちに向けた対策かは分かりませんが、上勝町では住民がメリットを受けられる仕組みも用意しています。

それが、ごみステーション内にある「くるくるショップ」です。実はこれ、まだ使える物を住民が持ち込んでショップに置いておき、ほしい人はそれを好きに持って帰っていいというもの。すべて無料で、維持のためのカンパ金を募っている程度です。

くるくるショップは無人になっており、生活雑貨や古着、陶器などが置かれています。さらに驚きなのは、「こんなものがほしいです」という希望を書き込める掲示板があること。ごみを捨てる際のリサイクルだけでなく、住民同士で譲り合うリサイクルも行われているのです。

「ごみ焼却場を作る予算がない」というマイナスの要因から生まれた環境への高い意識。住民一人ひとりの手による日々の地道な取組が、今日に至る町の「ごみゼロ(ゼロ・ウェスト)」を実現させています。皆さんも、ごみの燃える・燃えないを、改めて認識していくことから、ごみゼロへの運動をはじめて見てはいかがでしょうか。

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