記事提供:日刊大衆

甘い汁を吸う“悪党”がのさばる中、きついシワ寄せはどんどん現場へ…衝撃の連続!怒りの驚愕ルポルタージュ!!

台風16号が日本列島を横断中の9月20日、豊洲新市場(東京都江東区)周辺では、無線付きヘルメットをかぶった警備員が厳重に警戒に当たっていた――。時折、激しく雨が降る中、一目でマスコミ関係者と分かる姿もチラホラ。

新市場の正門前では、外国のテレビクルーがカメラを回していた。

話を聞くと、「“世界のツキジ(築地)”が新市場に移転するというので取材に来ました。ツキジのような大きな市場が移転する際、どんなことが起きるのか興味がある。もちろん、新市場で土壌汚染が問題になっていることも知っています」

世界が注目する築地市場の豊洲移転。そこへ待ったをかけたのが、ご存じ、小池百合子東京都知事。

「豊洲新市場の闇」に斬り込んだのである。

「去る8月31日、小池氏は、11月7日に予定されていた移転の延期を発表。続いて、9月10日に会見を開き、豊洲新市場の一部の建物で、土壌汚染対策としてやるべき“盛り土”がなされていなかったことを明らかにしました。コストを下げるため、建物下にコンクリート構造物(いわゆる地下空間)を設ける形でゴマカシていたわけです」(全国紙政治部記者)

都の隠蔽体質を白日の下に晒した“小池劇場”。小池都知事は“パンドラの箱”を開け、過去の都政が放ってきた“闇”を今、掘り起こしているのだ。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。

「盛り土をせず、地下空間で対応することを決めたのは、石原慎太郎都政の時代のこと。当時、石原氏の肝煎りで始めた『新銀行東京』が経営破綻し、1400億円もの血税を注ぎ込むことへの批判が沸き起こっていました。そこに、豊洲新市場で盛り土をするべく、さらに1000億円を投入するとなれば、批判はより大きくなる。そこで、石原氏のブレーンが動き、今の形になったようです」

あまりに杜撰な帳尻合わせに開いた口が塞がらない。こればかりでなく、聞けば聞くほど、「不都合な真実」ばかりなのだ。

「元をたどれば、豊洲への市場移転の裏には、この数十年で地価が爆発的に上昇した築地市場を売却すれば、その差益で、都財政をいくぶんプラスにできるという石原元都知事の考えがありました」(民放局ディレクター)

付言すれば、豊洲がこれだけ問題だらけなのは、2020年の東京五輪の影響も。とにかく時間がないと、大会組織委員会の森喜朗会長が小池氏をせっつくのにはワケがあるのだ。

「移転を急かすのは、“オリンピック道路”と呼ばれる“環状2号線”の虎ノ門‐豊洲間が未開通で、その間に築地市場があるから。築地の地下にトンネルを掘れば、虎ノ門‐豊洲間を開通できるため、一刻も早く業者に出て行ってもらおうと、強引に移転を推し進めてきたのです」(都議会関係者)

だが、取材を進めれば進めるほど明らかになるのは、都の“見切り発車”ぶり。

長年にわたり築地市場移転計画を取材している『日刊食料新聞』の木村岳氏は、「“11月7日移転”と言っていましたが、今の今になっても、卸業者や仲卸業者が支払う使用料が、家賃などを除き、決まってない部分が多々あります」

小池氏がストップを言わずとも、ここから約1か月での移転は無理だったのでは?築地のある仲卸業者は、こう憤る。

「新市場では、光熱費がいくらなのか、基準さえ教えてもらえていません。移転後“後出し”で、業者に使用料を知らせる腹なんじゃないですかね。いくら吹っかけられても、こっちは文句も言えませんから」悪意の有無は分からないが、時間がなく、てんてこ舞いなのは事実だろう。設備も設計も、とにかくムチャクチャだ。

築地市場の仲卸業者で、東京中央市場労働組合の執行委員長を務める中澤誠氏は、こう語る。

「新市場では、売り場の電源用コンセントが、床に取りつけられていたんですよ。水産物を取り扱う場所で、水槽の水を流す必要があるのに、床にコンセントがあれば漏電します。最近ようやく、コンセントを上部につけ替えたようですが…不備を挙げればキリがありません」

現場の意見を無視して、トップダウンで進められた豊洲新市場の造成。店舗内があまりに狭すぎて、マグロが捌けないという問題も浮上した。

「マグロの包丁は、長さ約1メートルほど。対して、店の横幅は約1.5メートル。包丁を引くと、後ろの壁に肘が当たってしまうんです」(別の仲卸業者)

また、新市場では、トラックからの荷卸しも不便極まりないという。

「築地では、トラックを店舗へ横づけし、側面から一気に荷卸しています。しかし、豊洲の場合、トラックはバックでつけるしかない設計で、荷下ろしに手間も時間もかかります。そのうえ、トラックの駐車スペースも少ないんです。市場内で荷下ろしできないトラックが順番待ちして“渋滞”を引き起こしかねない状態なんです」(前同)

より初歩的な設計ミスもある。前出の中澤氏が、こう指摘する。

「信じられないことに、スプリンクラーが備えつけられていませんでした」続けて、「生鮮品にとって不可欠な氷の売り場が、ある棟では、11月7日の開場までに開設できないことも判明しています。都では“これから冬になれば、寒くなるし大丈夫”と言ってるようですが、いい加減過ぎます」

すべては、食の安全や業者の利便性より、移転を最優先させた結果だろう。

さらに、築地関係者の受難は続く。

「冷蔵庫などの設備をリース契約している場合、契約の内容によっては、移転延期となった今、違約金が発生しています。また、店舗のロフト(屋根裏)までの高さが高く、新たに80万円を投資して設備を補強した業者もいます。それらの補償をどうするかという問題も、宙ぶらりんのままですね」(前同)

シワ寄せはすべて、現場で働く人へ。こうした個々の“闇”は幾重にも折り重なり、築地関係者には“廃業”を選ぶ人も少なくない。おまけに、ここにきて、「手抜き工事ではないか」との疑惑も急浮上。笑えない話があるのだ。

市民オンブズマン関係者が打ち明ける。

「去年、豊洲新市場の青果棟で、鉄骨が36メートルにわたり崩落する大規模な事故がありました。都は一時、重機の操作ミスだったと説明をしたようですが、鉄骨をつなぐボルトの数が不足していたという噂もあります」

まさに、豊洲新市場が“欠陥商品”そのもの。

「これらの欠陥を隠蔽したいからでしょうか。築地の業者は、全体の10%程度しか、新市場の中を見せてもらえていないように思います」(前同)

いい加減極まりない“お役所仕事”に、ソッポを向きだす業者も多数、現れ始めているという。

「先日、築地市場内の業界紙に“船橋市場(千葉県)”へ来ないかとの広告が掲載されていました。それだけ豊洲新市場に魅力がない証拠です。豊洲に入るより、船橋のほうがいいんじゃないか、と」(中澤氏)

そして、石原元都知事の“取らぬ狸の皮算用”も、「都では6000億円近い新市場の建設資金を賄うため、築地市場の売却代金をかなり巨額に見込んでいます。ところが、築地は高く売れても3500億円。実際、築地が売却されるのは、東京五輪後という話なので、“五輪バブル”崩壊によって、売却代金はより目減りするでしょう」(前同)

と、何ひとつうまく行かない豊洲新市場への移設なのだ。

小池都知事は追い討ちをかけるように、“ボディブロー”を打ち込んでいる。

「9月14日、リオデジャネイロのパラリンピック閉会式に出席するため、羽田を飛び立つ前日のことです。平田健正・放送大学和歌山学習センター所長に、豊洲新市場の土壌汚染問題を検証するよう要請しました。すぐさま、平田氏を座長とする専門家会議が立ち上がっています」(前出の民放局ディレクター)

続く17日の会見で、平田座長は、「盛り土という前提条件が崩れてしまった以上、あらゆる可能性を考えて検討しなくてはならない」と明言。

新たな汚染対策を都に提言する時期は「未定」という考えを示した。

「来年の5月に移転できるという楽観的な見方もありますが、とうてい無理な話。移転には、早くても1年以上はかかるでしょう」(前出の都議会関係者)

では、今後、小池都知事は、どう決着を図るのか。

「新たな土壌汚染対策に、どれほどの資金が必要か、今はまだ見当がつきません。費用対効果を考えると、現在の築地市場を改修して残す、という選択肢も出てくると思います。たとえば、築地市場を改修する間、豊洲で仮営業し、補修が終わり次第、新しい築地市場をオープンさせるという考え方です。つまり、小池都知事が豊洲移転を白紙撤回することも、可能性としては残されていると思います」(前出の鈴木氏)

本気の改革か、はたまた単なるパフォーマンスか。小池都知事の真価が問われるのは、これからだ。

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