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我が家の娘は「超」がつくほど感受性が強い。そのため、赤ちゃんの頃は室内によく知らない人がいれば何時間でも泣きわめき、夜は些細な刺激で目を覚まして夜泣きするといった調子。

外へ連れて行きたくても場所が限られてしまうし、夜泣きするたびに同じアパートの人に申し訳なくて、ひたすら車の中で過ごしていた時期もありました。

あまりにも泣くので、隣の部屋の人から疑いの目を向けられたことも……。正直、「精一杯やっているのに、これ以上どうしろっていうの!」という気持ちでした。

もちろん、泣き声で迷惑をかけてしまっているのは事実だし、会えば挨拶するだけの間柄で事情を分かってもらうのは無理なのですが、つい自分勝手な考え方をしてしまうぐらい疲れていたのです。

また、毎日の公園へのお散歩が日課になっていたのですが、同い年ぐらいの子供がいても恥ずかしくて近づいていけないし、親同士が一緒に遊ばせようとすると大声で泣き出すという状態だったため、だんだんみんな私たち親子から距離を置き始め、なんとなく気づまりな状況が続いていました。

あからさまに拒否されることこそないものの、仲間と認めてもらえていない感じ。関わるたびに気を使わねばならないのだから、こうなるのも当然ですよね。もし自分が逆の立場だったら、やっぱり同じ態度をとってしまっていたと思います。

でも、これも大切なこの子の個性。ちょっとしたことで泣いてしまうけど、決して他の子を傷つけるようなことはしないし、家で家族と一緒にいる時は別人のように明るくのびのびとしていたので、私はこれでいいと思っていたのです。

もちろん、焦りが全くなかったわけじゃなく、無理に他の子と遊ばせようとしたり、他人に慣れさせようと友人に遊びに来てもらったりしたこともありましたが「いつか治る日が来るだろう」と深刻に考えないようにしていました。

しかし、孫が気になって仕方ない祖父母や事情を知らない近所の人は、それぞれに好き勝手なことを言いたがるのですね。いろいろとキツイことを言われましたが、一番ショックだったのは実母の「お母さんの愛情が足りていないんじゃない?」という一言でした。

ただでさえ、他の子のように外で元気に遊べないことを気にしていたので「私のせいでこの子が苦労しているんだ」と思い込み、しばらく立ち直れませんでした。

それからは、図書館で育児本を借りて読み漁ったり、子育て相談に通ったりしていましたが、子供自身、なんとかしたいけどどうすれば良いのか分からないという感じで、親子ともども途方に暮れる日々。

堂々と「この子はこういう性格の子ですから!」と胸を張るのも違うような気がするし、夜も眠れないほど悩みました。そんなある日、相談に乗ってくれていた保健センターの方が、娘の顔を見ながらふとこう漏らしたのです。

「心配、心配って大人は言うけど、子供の成長速度なんてみんなそれぞれ違ってて当たり前よね。今は昔より情報があふれている分、比較もしやすくなっちゃったから、ちょっと基準から外れているだけで不安になっちゃうお母さんが多いのよ」と。

それを聞いて、私は目の前がパーッと開けたような気がしました。よくよく思い出してみれば、私はいつだって、公園や近所のお散歩中に出会う他の子と比べて、勝手に「この子は問題を抱えた子」とレッテルを貼ってしまっていたのです。

公園遊びは相変わらず続けていましたが、その日以来、私はもうよその子を気にすることはやめました。そして、他の子と遊べないことを気にするあまり、肝心の娘の顔をちゃんと見ていなかったことに気付いたのです。

「しばらくは、ママと2人きりでもいいよね」と親子で遊ぶようにしていたら、楽しそうな様子が気になったのか、少しずつ声をかけてくれるお母さんや、一緒に遊んでくれる友達が増えていきました。あれだけ努力してもダメだったのに、こちらが肩の力を抜いたとたん、周りの空気までもが変わったのです。

きっと、思い詰めていた頃の私は、さぞかし余裕のない顔をしていたのでしょうね。自分ではにこやかに振る舞っていたつもりでも、周りのお母さんにとってあまり近づきたくない人になってしまっていたのでしょう。

子育ては、一歩進んで二歩下がる。今日はうまくいかなくても、明日になったらあっけないほど簡単に問題が解決しているかもしれない。

そんな風に考えられるようになる頃に、娘は幼稚園の入園式を迎え、いろいろと困ったり、傷ついたりしながらも、仲の良いお友達を作って遊べる子になっていました。

あの時相談に乗ってくれた方とはそれっきり会っていないけれど、もし偶然どこかで顔を合わせることがあったら、心から「ありがとう」とお礼を言いたいです。

著者:A・Y
年齢:40歳
子どもの年齢:4歳と2歳

岐阜県在住の主婦ライター。2人の子供がおり子育てに奮闘しています。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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