記事提供:TOCANA

米オレゴン州南部にある「クレーターレイク国立公園」には600メートルの高さの断崖絶壁や絵画のように美しい島があり毎年40万人もの観光客が訪れる場所だ。

また公園の名ともなっている、極めて青く澄んだアメリカで最も深いカルデラ湖(最深部597m)があり、観光の目玉のひとつとなっている。その湖に「ちょっと不思議で神秘的!」として有名なものがあるのだが……。

100年間直立したまま浮かび続けている丸太

真っ青な湖にぷかりと垂直に浮かぶ一本の折れた白い枯れ木。まっすぐに立っているその様子はまるで湖に“茶柱”が立っているようだ。

画像は「Wikimedia Commons」より

浮かんでいるのは全長約9メートルほどの針葉樹・ツガの木だが、この丸太は不思議なことになんと100年間も直立したまま湖に漂い続けているという。水面に出ている部分はわずか1メートルほどで直径は約60センチほど。

“幸せを呼ぶ謎の爺さん”と呼ばれて以前より有名だという。樹皮も剥がれて苔の生えた枯れ木は、物理的に不可能と思われる奇跡的なバランスを保ちながら浮かんでいるため、訪れる人々から人気があると同時に学者たちを悩ませている。

記録されている中で最も古い目撃例は、クレーターレイクが国立公園になった年の1902年。地質学者であったジョセフ・S・ディーラーによれば、さらにその6年前の1896年に
は既に湖面に存在していたらしい。

当時の記録によると現在とは全く違う位置にあったようで、一説によれば毎日5キロほど湖面を移動しているとか。1938年、植物学者のジョン・ドーアは3カ月を費やして木を観察したが、「広範囲にわたり、そして時には驚くほどのスピードで」移動したという。

画像は「Wikimedia Commons」より

観察を行った7月1日から9月30日の間に、木はなんと100キロ以上移動したが、1日に6キロ以上移動した事もあったそうである。現地では当時、“爺さん”は天気をもコントロールしているとして評判なっていたようだ。

画像は「Wikimedia Commons」より

成り立ちも移動の理由も不明

1988年には科学者らが小型潜水艦を用いて湖の地熱活動調査を行おうとした際に、障害にならないよう丸太を島まで移動させようと試みたのだが、その途端空が真っ暗になり突然の嵐に襲われ、恐れおののいてすぐに作業を中断したという。

まるで魔法のようだが、木を元に戻すと同時に嵐がぴたっとやみ、晴れたらしい。湖は公園内にあるマザマ山の噴火活動によってできたものだが、この丸太も元々、生育していた火口付近から土砂崩れで湖に流されてきたのではないかという説もある。

同時に溶岩が木の根に取りつき固定し、この絶妙なバランスを形成したのだろうか……?だが、もっともらしく聞こえるこの解説も、特にそれを裏付ける証拠も見られずに長年漂い続けているところから立ち消えになりつつあるという。

つまりは非常に不思議なことながら、丸太の出どころや直立したまま移動する理由は現在でもわからず、さらに丸太がこれ以上侵食したり崩れない理由も不明のままなのである。

公園の保護官デーブ・グリム氏は湖の澄んだ冷たい水に着目し水面下で木が高密度を保つことでバランスが崩れないのではないかとコメントしている。

画像は「Wikipedia」より

湖では美しい風景を楽しむために毎日観光用のボートが出ているが、この不思議な木を目当てにする人も多いようだ。

「クレーターレイク国立公園の代表的なシンボルで歴史そのもの」とまで語られるこの“爺さん”だが、広大な湖で出会えるのは稀という。見た人には幸せが訪れるらしいので、機会があれば運試しにいかが!?

参考:「Daily Mail」、ほか

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