2020年の東京オリンピックの施設、豊洲の移転など問題が山積している東京都。就任直後から対応に追われる小池百合子知事の様子は、毎日のように報道されています。

そんな中、東京都庁に新しい保育園が開所するということで、今回「ソコ行く!?ソレ聞く!?取材班」が現地へ取材を敢行!気になる施設やサービスについてお話を伺ってきました。

都庁の正面にできた「とちょう保育園」

こちらが10月1日に開所した「とちょう保育園」。我々がお邪魔したのは、開所日前だったのでカーテンが閉まっていました。

場所は都議会議事堂の1階部分で、目の前にはおなじみの光景が広がります。

東京都庁の真ん前なのです。立地としては、都営地下鉄大江戸線の都庁前駅を降りてすぐの場所。勤務先の近くであれば、とても便利に思えました。

東京都では、待機児童対策として保育園や保育所を増やすことはもちろん、民間企業が会社の中に保育所を設置することにも期待しています。これは、親御さんにとっても何かあればすぐに駆けつけられる距離であるという、安心感にもつながるのではないでしょうか。

とちょう保育園は、会社内だけでなく地域の方も利用出来る保育園のシンボルとして、設置されたのです。

ちなみに、設置計画自体は平成26年ごろからあったので、小池知事の意向で設置されたわけではないとのこと。

いざ園内へ!

エントランスは広々しており、あたたかみを感じる内装になっています。

エントランスを通り、多目的室に入ると本棚がありました。

皆さんも読んだことがあるであろう絵本がズラリと並んでいます。この絵本は、今後図書館のように貸し出しすることも検討しているそうです。

多目的室とそれぞれのクラスの入り口。

床は床暖房システムが使用されていて、寒い日でも暖かく過ごせるようになっています。

開園前だったのでカーテンを引いていますが、実際にはカーテンを開けて外の光がたくさん入るようにしているとのこと。窓ガラスには曇りフィルムを貼っており、外から園の中は見えない工夫もされています。

こちらが各クラスの入り口。

手前から0歳、1歳、2歳のクラスです。各クラスのお部屋も見せていただくと、いくつか特徴がありました。

木製のおもちゃがいっぱい!

0歳児クラスで見つけたのは、木製のおもちゃ。丈夫な作りはもちろんのこと、年齢を問わず遊べるのもメリットですよね。

調度品にもこだわりが

保育園で使われている調度品も、木製のものが多く見られました。

ベビーゲートや棚はもちろんのこと…

子ども達が使うテーブルや椅子も木製でした。中でも棚は、地震が起きても倒れない設計にしてあるとのこと。(ただし、大人の力であれば床と平行に移動させることはできる)万が一の時に備えた作りは、安心ですね。

また、椅子の足も4段階のサイズを作ることで、子ども達が床に足をつけられるベストな高さの椅子を用意していました。実際に制作現場にもスタッフの方が行ったそうで、現場の声が生かされています。

実はこれらの調度品や壁に貼られている木は、東京の多摩の木材なんです。

木材をたくさん使うことはもちろん、地場の木材を使用していることに新たな産業のチャンスも感じました。

循環式の空調だからこその飾り付け

園内のいたるところに、飾られている吊り下げタイプの飾りは、スタッフの方の手作り。

循環式の空調を採用しているので、風で揺れるように作ったそうです。見た目にも可愛く、楽しいので子ども達も喜ぶのではないでしょうか。

園内調理のおいしい食事

保育園で提供される食事も気になるところ。今回撮影させていただいたのは、離乳食です。

可愛らしい大きさの食器に、栄養バランスが考えられた離乳食が盛り付けられていました。

清潔な厨房と衛生面のこだわり

園内で提供される食事は、こちらの厨房で作られています。

また、感染症を予防するために、調理スタッフの方には専用のトイレが設けられていました。衛生面においても徹底されているのは、親御さんとしても安心ですよね。

洗濯スペースも完備

園内での洗濯は、こちらの部屋で行います。また、子ども達が遊んで汚れてしまった場合に使うシャワーも併設されていました。

とちょう保育園、ここが違う

ところで、とちょう保育園では画期的な取り組みも実施しています。いくつかあるので、順に紹介していきましょう。

1. 医師による遠隔診療が受けられる

通常、保育園に登園してから熱を出してしまうと、すぐにお迎えに行かなければならないことがほとんどだと思います。どうしてもお迎えに行けない場合は、他の親族やシッターさんにお迎えをお願いして、乗り切っているご家庭もあるでしょう。

しかし、とちょう保育園では希望制にはなりますが、常駐している看護師がライブカメラを使って医師と連携を取りながら、お迎えまで診ていてくれるサービスがあります。

もしもの時に専門家が診てくれるというのは、心強いですね。

2. 1日の子ども達の様子を写真で見ることが可能

壁に設置された2台のディスプレイ。こちらには、その日の園での様子が映し出されるようになっています。

親御さんが働いている間、子ども達がどのように過ごしているのかは気になるところ。日々の様子をお迎えの時に確認できるのは、とても嬉しいシステムですよね。

3. 食事づくりの参考になるシステムも

保育園でどんな食事を食べたのかについても、やはり気になるところ。とちょう保育園では、その日のメニューの写真をフォトビジョンで見られるようにしています。

お家で食事を作る際に、保育園で出たメニューとかぶらないような献立を考えるヒントにもなりますし、食事量の目安にもなりそうです。

4. 防犯カメラ?違います!

園内の至るところに設置しているカメラ。防犯カメラなのかと聞いてみたところ、保育中の問題点を検証するための事故防止カメラなのだそうです。

改善点があれば、このカメラの映像を見ながら対策を考えていきます。このような取り組みをしている保育園は、増えつつあるのですがまだ少ないそうです。

5. 時差出勤にうれしい朝食サービス

ラッシュを避けて通勤する方向けに、有料の朝食サービスが用意されています。(1日15食限定)また、アレルギーを持っている場合には除去食も用意してもらえるとのこと。

のんびり親子でご飯を食べてから出社できれば、気持ちにも余裕が持てそうです。メニュー例はこちら。

出典とちょう保育園 提供

洋食メニューの例。

出典とちょう保育園 提供

和食メニューの例。

※どちらも開園前に施行で作られた写真です。実際に提供されるメニューとは、若干異なりますのでご了承ください。

6. 「手ぶらで登園サービス」はこんなに便利

この園で提供している「手ぶらで登園サービス」では、紙おむつの提供や、洗濯などを有料で行っています。各サービスの内訳は以下の通り。

・紙おむつ提供(園で紙おむつを購入・処分) 月額1600円
・衣服の用意・洗濯(園で過ごす着替えの用意と洗濯) 月額7000円
・寝具リース(お昼寝時のシーツ等を園で用意) 月額500円

この中で寝具リースは、登園する全ての家庭が利用しているサービスとのこと。また、サービスを利用しない場合は、各家庭で持参することになります。

紙おむつは提供と処分で月額1600円です。

とちょう保育園では、二酸化炭素がたまりにくい敷布団を使用しているとのこと。細心の注意を払っていますが、一時的にうつ伏せになってしまった際のリスクにも備えています。

シーツとタオルケットのリースで、月額500円です。(サービスを利用しない場合は、同じサイズのものを用意し、洗濯も家庭で行います)

1歳、2歳になるとトイレトレーニングが始まるので、コットという簡易ベッドのような寝具を使います。

これも、シーツとタオルケットのリースで月額500円です。

こちらは着替えのリースサービスです。

保育園で過ごす間、食事や遊びで服を汚してしまうこともあります。そのため、登園時の服とは別に着替えが必要なのですが、その用意と洗濯をしてもらえるサービスになります。

月額7000円ですが、毎日の準備を考えるととても便利なサービスといえるでしょう。

こちらは無料です

靴下、エプロン、おしぼりはサービスを利用しない子にも無料で提供されます。

これらのサービスは、会社の中に保育所を設置した場合に想定されるニーズとして、様々な角度から検討を進めてきたそうです。確かに、これだけの荷物を持って電車で子どもと移動すると考えると、親御さんの負担の大きさは想像に難くありません。

現状では、とちょう保育園での活動や見えてきた課題について発信に力を入れるそうです。

受け入れ年齢と、気になる申し込み状況

とちょう保育園は、0歳児(生後57日目から)から2歳児までを受け入れており、基本の保育時間は7時から18時まで。以降は延長保育となり、最長で22時まで見てもらえます。

この時間帯の幅広さは、シフト勤務の親御さんにはありがたいでしょうし、突発的に残業が入ってしまった時にも助かりますよね。

受け入れ定員は48名で、24名は新宿区在住の枠、残り24名は都庁職員・提携している企業に勤務する方の枠となっています。(一時保育は、この48名とは別に6名の枠があります)

そして気になる申し込み状況ですが、0歳児クラスはすべて埋まっており、1歳児と2歳児クラスで若干の空きがある状況です。(平成28年9月30日現在)参考までに、新宿区在住の方の0歳児クラスへの申し込み状況を紹介しますが、定員6名に対して希望申し込みが48名でした。

保活の厳しさは、数字を見ても明らかですね。

保育園が不足している状況に変わりはありませんが、こうした取り組みを積極的に行うことで、新たなニーズが見えてくるように思えました。

今後さらに育児と仕事の両立がしやすくなるよう、様々な対策が講じられると良いですね。

<取材・文/横田由起  撮影/長谷英史>

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